8/11にリリースした

クリスタルボウル演奏のCDアルバム。

 

CDアルバムは演奏やイベントやセッションで

演奏や音を体感してくださった方が

このアルバムに何らかの気持ちをもっていただいた方に

ひとつひとつ大切に

手渡しで販売しています。

 

※2020年4月より皆さんのご要望と応援をいただき

オンライン販売を行っております

クローバーオンライン販売はこちらからどうぞ(送料込み発送専用)

アルバムを購入したいとのお問い合わせが

増えてきていることもあって
今日はこのアルバムについて

その理由も含め
既に聴いてくださった方への補足も含め
創るに至った内容を記したいと思います。

 

こちらに掲載していることと、少し重なることもあります。

水を分け与えること。8月11日CDアルバムリリースのお話。
隣にあなたが居たら。と思うこと。

 

 

CDを創る話は以前からありました。

一番はじめは2014年の春。
Amazing Grace!

クリスタルボウルのメーカーの代表から

アーティストネーム「Purity Grace of Hathor」を授けられ

CDを作りなさい、と言われた。

国内が無理ならアメリカに来なさいと。

わたしは答えを出す判断ができず、断りました。

演奏の技量もまだまだ。
いまそれをしたら、わたしは後悔する。

そうわかってました。

 

しかも特殊なこの音。
録音は限られた音しか入らないことへの抵抗感。

録音することやCDにすることに
まったくもって意味を見出せませんでした。

 

いまや簡単に作ることはできるし
音響設備によって、ハイレゾ対応にもできるし
音調だってコントロールできる。

これまで歌やナレーションなどの録音は
仕事としても行ってきた過去もあり
クリアに仕上げることに対しても
ある一定の理解はありました。

けれど、この「演奏」に関しては
創りたいというイメージも

気持ちも欲も存在していませんでした。

それは結果、いまも変わっていないのです。
 

 

ボウルメーカーの創業者から言われた事は
いまだから書くことを自分がOKを出していますが
当時、それを口にすることすらおこがましく
そのことを知っていたのは

その場に共に居て通訳してくださった鈴木さん、
場の提供をしてくださった加藤さん
この場の直前に、アドバイスをくれた牧野さん
他、2名くらいでした。

そのときチャンスとしてつかんでいれば?
想像すればするほど

もしかしたらわたしは
今のわたしではなかったと思うのです。

このチャンスと思えることを断ったことは
わたしにとって今もいい選択だったと思っています。

このときの前年、演奏家としての覚悟がひとつ

わたしの目の前に置かれました。
 

そしてこのときも、また覚悟がひとつ
目の前に置かれた気がしていたからです。

前年、目の前に置かれた覚悟。
そしてこのときの覚悟。


だれに意見を求めるでもなく
自分個人で選択をしました。
これが今でも、演奏家として
わたしの大切な指針となっています。

 

ある時からYouTubeに音を掲載する決断をしました。
それは、余命宣告を受けたクライアントさんへの

緩和ケアのひとつの方法として、また
その家族の方々へと、仕事としての対応でした。

けれど、YouTubeとCDを作ることは
そもそもの目的が私には違っていました。

 

掲載をはじめて1年、抵抗感は薄くなってきたものの

この何年間、CDを所望されればされるほど

創る意味がわからなくなっていきました。


そのうちCDを創る機会はいずれ起こると
なんとなく分かっていたけれど


とても意外なところから
ものすごい形で起こったことを
いまわたしは目の前にしています。

 

このCDアルバムを作るきっかけを
1年少し前にぶらり立ち寄った

宮城蔵王の大空カフェさんからいただきました。


素敵なアンティークの食器達にワクワクし
帰り際にそんな立ち話をしたとき

「8/11のマルシェに参加してみませんか?」

とお声かけいただきました。
演奏のみ、のイメージしか湧かない私に
いくつか提案をいただきました。

初めての出会いで
訪れた提案。

しかし、昨年のマルシェは出展することなく
わたしはCDを創ることもなく、年を越し。

時折、カフェに立ち寄る度に
マルシェでの演奏とCDを販売するということが
うっすら頭の片隅で想像できるようになりました。

そして、今年の初めに
こんなことをつぶやいていました。
CDを作る、というプロローグ。2017。


この間、すでにYouTubeで掲載した音源を
少し自分で編集し、CD-Rに焼いて
ごくわずかな身近な方に渡すことはしていたので
そう作ってお渡ししていけばいいかな、とも
思うこともありました。

でも、結局それはとても中途半端なことで
それなら創らないほうがまだいい、と判断すると
次の行動のインスピレーションにつながっていきました。

これまで、音を録音することにあたり

さまざまな機種、スタジオでとテストしてきましたが
なかなか自分の満足する点がみつかりません。

そうやっていくつかわかったのは

わたしはスタジオでの録音が

今時点では好きではないということ。

 

自然音と録音した音を
編集でミックスするのは絶対したくないこと。

録音する、という意識を
演奏している自分の意識にいれたくなかったこと。

全て自分の手の中で創りたいという気持ちと
出来上がるスピードが一致している必要があること。

ただ、どうしても録音の技術の習得は
時間がかかるものであると同時に
客観的な部分の判断も必要とすることから
外部に依頼する部分の選定をすること。

そうこうしているうちに
あっという間に春。

さまざまな場所での演奏を行うなか
時折、録音することを行いながら
自分はどんな自分の演奏の録音が
好きなんだろうかと、思いました。

だただたクリアな音で
高音質で録音したから、

それが好きと限らない。


わたしが演奏で一番大切にしていること。
全ての音や存在や命をを抱きしめていくこと。
生きてるその時が存在するもの。


「その時のいのち」が存在するもの。
それしかいま、わたしはOKしないんだと分かったとき
大空カフェさんに連絡をいれました。


「カフェ敷地内で、録音させていただけませんか?」

CDをリリースする日は決めていませんでしたが
大空カフェさんでのマルシェに出展することは
決めておりましたので 

同じ日にリリース日を設定しました。

そうしましたら、また新しい提案をいただきました。


録音は近くの森でいかがですか?と。

録音すると決めたその日程。

リリース日から約1か月前の日。

既にわたしも上半期のスケジュールが決まっていて
録音からCDを創るにはかなりタイトなスケジュールでした。

 

と、いまは分かりますが
日程を決めたとき、タイトなのかどうかも
自分でまったく理解していなかったのでした。

 

そして録音日。
蔵王の森は雨が降っていました。
しかしながら、録音の準備が終わったころ
雨は徐々に止み

立てていただいたテントからつたう
雨のしずくの音も

雨が上がり、飛び始めた鳥たちの声も

しっとしとした雨上がりの空気も

遠くに轟轟とながれる水の音も

そして、吐息のようなクリスタルボウルの音も

「ミチノオト Vol.0」のアルバムのなかにいれました。


このアルバムは2つの音源がはいっています。
ひとつは蔵王の雨上がりの森


もうひとつはわたしの大好きな土地での

木造の建物のなか。
木のなかを伝わり、限りなく舞う音は
なんのエコーもリバーブも入れていません。

本来の音がどこまでも伸びていく体感を
それぞれのイメージで体験していただければ

幸いです。

 

だから、録音した細かいシュチュエーションも

そのときの場所や風景の映像も写真も

一切出すことをやめました。

 

それぞれのイメージを膨らませていただきたいです。


とても儚いこの音源を

マスタリングしてくださったのは
以前から打診していたHybridSoundReformさん。

マスタリング先もいくつか選定していたなかで
今回、ピンときてご依頼させていただきました。

 

この音源は2つとも

「静かな深い吐息」が存在していて

それがこの音という生き物の命なんだろうと

思っていました。

だからその録音したときのそのままの質感を残すこと。

マスタリングもそこを留めてもらいました。
 

当日いくつかの機種で録音した結果、
これでいく、と、マスタリング先に出した録音音源は
業界でいえば、よいと判断できないものと理解しています。
もっとクリアにとか、選定もできたのかもしれません。

でも、わたしは
あのときのものが一番近い状態で
残っているものが、これ、でした。

そのこころを受け止めていただいて
マスタリングしてくださったHybridSoundReformさんに
感謝いたします。

既に購入した皆さんにはお伝えしていますが
はじめはできるだけ小さな音からはじめてくださいね。
耳の構造を十分に使える、耳を覆うヘッドフォンを

おすすめしています。

もし、スピーカーのある機械で聴くときは
いくつか試してもらい、自分の一番好みの機械で
聴いていただきたいと思います。

わたしもいくつかいろいろ試しましたが
大きな音にすると音が割れます。
車では、走行の音で音量を上げざるをえず
また、もちろん眠くなる可能性もあるので
車で聴くことはまったくもってお勧めできません。

音というより
ざらり、としたそこにある空気カンヅメのようなもの。
それがこのアルバムの特徴です。

すべて呼吸し、ため息をつき、ほっと息をつく。
息は音のはじまり。
それがわたしの演奏での根底にあることのひとつ。

アルバムのジャケットは

こちらの記事にも掲載しましたが
水を分け与えること。8月11日CDアルバムリリースのお話。


昨年の秋に滞在した、

京都は貴船神社奥宮で撮影していた

空の写真。

 

 頭の中にふと浮かんだ風景を

過去に撮影してきた写真のなかに

見つけました。

 

このジャケット。

絶妙で不思議で飾っておきたい・・・!

とのお声が多いのです。

ええ。

ぜひ飾ってください。

 

聴かなくても(笑)、見てて楽しめる。

そうわたしも個人的に思ってます。

このCDアルバムは
クリアなケースに入れた紙は
ジャケットのみ、です。

裏カード(バックインレイ)も
帯(キャップ)もないの。
入れたくなかったの。


ジャケットとクリアなケース。
それしか想像できなかった。

 

 

 

ジャケットと裏書、CD盤面を
構成してくださったのは
モビレット・デザイン nicoのきくちかずえさん。

演奏会などでお渡ししている

わたしのリーフレットも
彼女のところで創っていただいています。

今回かなり時間がタイトななか
対応してくださってありがとうございました。

マスタリングとジャケットと

プレスに印刷にパッキングのサイクルを見たとき

リリース予定日まで本当に時間がないことに

いまさらながら気づきました。

 

自分のこれまでの

判断の遅さを嘆きもしましたが

結果、出来上がるまでの流れは

驚くほどスムーズで、

作ることが導かれていくようでした。

 

全て通過しなければ

出来上がることのなかったアルバムです。

それを思うと

やはり今しか創ることにならなかったのでしょう。

 

そして最後に。

このアルバムの題名、というか

CDを創ることを模索しはじめた
ずっと数年前から

テーマやタイトルを模索していました。

ただひとつ、名を与えることは
イメージを持たせることでもあり
ずっとイメージのままである、ともいえます。

 

名からのイメージで固定しないもの。

個々に変動するもの。

そのなかで、ふと思い出した

わたしの好きな言葉。

 

「道」。

 

中学校のときに描いた
道の絵。

それがわたしのこころによみがえりました。


あらゆるいきものの

生きざまが存在する

それぞれの道。

立体な路でもあり
未知な存在でもあり
途(みち)、途中でもあり
それでも満ちていてほしい。

30年経ったいまも新鮮さを失わず

変わらずにわたしのなかで
その意味が存在していました。

これからまたCDを創る機会のときのために
またそのときの「ミチの音」があり
「ミチを記しているものとして」

 

ミチの音
ミチのノート

 

そんな意味をもって、

「ミチノオト」というタイトルにしました。

だから、番号をつけました。


でも今回、どうしても1という番号が合わず
ゼロ、という番号になりました。

ざらりとした触感の
音のうまれるところ
 

かさかさとした
こすれて音が音として
命がはじまるところ。

世に生まれる前の

音の世界。

それはわたしのゼロ地点。

歌を歌い、一時声を失い
その声を音の存在を
探してたどり着いた道。



それを記すタイトルとなりました。

 

折をみて
これまでご縁いただいてきた場所へ
CDアルバムを奉納していく旅を
はじめたいと思っています。

 


いま目の前に出来上がったCDがあるのに
私のなかでは、出来上がっている気分がしないまま。

はじめて自分以外の方々に
アルバムを聴いていただき
そこでようやく
ああ、出来上がってるんだなと
実感が湧きました。

 

そしてリリースし、さまざまな方の手に
渡していくことはなんとも初めての感覚です。

我が子を見送る、でもなく

我が身を手放す、でもなく

 

全て同じCDなのですけれどね

ひとつひとつが個をもってて

 

それぞれがそれぞれの持ち場に

散っていくような感じです。

 

これまで待ち望まれてきた皆さまにとって

きっと想像とは異なるであろう

BGMにはならない、この音。

いきもの。

だから。
いまの私の演奏を体感していただいた上で
このCDアルバムになんらかの気持ちを
もっていただいた方に
わたしがひとつひとつ手渡しで
販売していくことにしました。


だから、いまは
通信販売、発送、委託販売、買い取り販売は
一切行いたいと思っていません。

CDを販売するにあたり、

いまの時代に逆行している行動かもしれません。

 

 

でも、このアルバムは、いまの時代というものから

全く異なるところに置いています。

 

 

便利が生み出すことと亡くしてきたもの。

 

 

その意味を、このアルバムはわたしに授けたから

わたしがそうしたいので、そうしています。

いずれ、今後またCDを創る日があり
そのCDをそう販売したいという時にはそうしたいと思います。

いまはひとつひとつ。
いまのわたしの音を知る人が
この「ミチノオト Vol.0」に

なんらかのシンパシーを感じた方に
手渡していきます。

それは縁があるなしに関わらず
どんなイメージでもインスピレーションでも
それぞれの個を
それぞれの道で
感じられたのであれば、そのように。


音はいきものだから

全て閉じ込めて置けない。

わたしは音といういきものと

共に生きてる。

いのちあるものと生きていく。


 

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【2017年 一般演奏予定】
 ※ここに掲載していないものはオープンイベントではないため
 各主催者さまへお問合せください。
8/26(土)宮城県仙台市 Yogastudio Sifal 「夏のひとやすみ」演奏会予定
9/23(祝土)宮城県仙台市 ヨガニドラwithクリスタルボウル&三昧琴予定

11/4(土) 山形県イベント 出演予定
11/18(土)岩手県 演奏会予定
 

YouYubeのFreePlanetチャンネルに掲載している
「Voice of the earth」が

J-waveの番組「Radio Sakamoto」(2017/7/2O.A)で

放送されました。