今日は【深い傾聴によるカウンセリング】が、

なぜ心の深い部分からの変化・成長の支えになるのか?

そのことについてお話しをします。

 

心の深い部分というのは

私たちの無意識の領域のことです。

なぜ、無意識の領域からの変化・成長

支えることができるのでしょうか?

 

最初に、幼少期からの心の傷つきについてお話しをします。

 

 

<①無意識の領域に存在する幼少期からの心の傷つき>

 

みなさんも、こんな経験はありませんか。

 

「あの人がひどいことを言った!」

「会社が悪い!」

「恋人が冷たいから!」

と、ムカっと腹が立ったり

過剰にイライラしたり

クヨクヨと悩んでしまうのは

今の出来事や、人間関係のせいだと信じています。

 

または、

私たちは「心が傷ついた」と言いますが

ほんとうに今の出来事だけが、原因なのでしょうか?

 

確かに

他人や、社会や、今の環境にも原因があるかもしれません。

でも

同じ出来事に対して

腹が立たない人もいますし

落ち込まない人もいます。

 

あるいは、

同じような出来事で

心が傷ついても

立ち直りが早い人もいれば

ずっと引きずってしまい

立ち直れない人もいます。

 

人によって、感じ方が違います。

この違いは、どこから来るのでしょうか?

私自身も生きづらさを抱えていた20代、30代前半は

どうして柳が風に揺られるように生きられないのか?

どうして一々とこだわって、全身で体当たりしてしまうのか?

どうして他の人のように、流せていけないのか?

人との違いに戸惑い、苦しみ、何とか解決しようとしていました。

 

悩みを解決しようとして

相手を責めたり

対処方法を試みても

また同じような出来事が起きると

ふたたび辛い感情が涌き起こってきます。

 

例えば、

「人の眼が気になり、人が怖い」

「過剰に頑張り過ぎたり、完璧を求めて疲れ果ててしまう」

「つねに人と比較して劣等感と、優越感の間を行き来する」

「わけのわからない孤独感や不安に襲われる」

「モヤモヤやイライラが止まらない」

「攻撃的な怒りが湧いてくる」

「寂しくて次々と異性と性的な関係をもってしまう」

 

私たちは

「どうしてこんな気持ちになってしまうのだろう」

「自分でもわけが分からない」

と、思うことがよくあります。

 

心の中に湧いてくる嫌な気持ちや

自分の不具合な行動や、考え癖

ネガティブな性格を

意志の力でなんとかしようとしても

思うようにならないのが心の難しさです。

 

理屈や理論、理性で、自分に言い聞かせても

心は思うようにならずに、元の木阿弥。

 

日常では、あまり気づいていませんが

誰にでも次のようなことがあります。

自分自身に次の二つことを問いかけてみてください。

 

どうしてなのか分からないけど、

①こんな場面になると同じような気持ちになる。行動をする。

②苦手な人、許せない人、嫌いなタイプの人がいる。

 

このように

何度もぶり返す辛い感情や

同じようなパターンを繰り返してしまうのは

今の出来事が引き金となり

幼少期からの心の傷つきが

無意識の領域で反応しているからです

 

心の傷つきは

意志の力ではコントロールできない

無意識の領域に存在します。

 
ですから、私たちが
「考えないようにしよう、気にしないようにしよう」
と、意志の力で抑え込んでも
辛い感情は繰り返し湧いてきます。
同じパターンを繰り返してしまいます。
 
では、どうして大人になっても
幼少期からの心の傷つきが
反応するのでしょうか?
 
<②無意識の領域に存在する
幼少期からの心の傷つきの根本>

 

私たちの心の無意識の領域に存在する「心の傷つき」は

いったいどのようにしてできたのでしょうか。

最初に「心の傷つきの根本」についてお話します。

 

私たちの心は親子関係の中で育まれてきます。

 

子どもは、親に見放されたら生きていけないので

「親に無条件に受け容れられたい。愛されたい」

という強い欲求をもって生まれてきます。

 

(*大人になった私たちも「無条件に愛されたい」という強い欲求があります。それが人間の本性です)

 

「無条件に愛されたい」という欲求は

子どもの言葉にすると

「私、僕のことをありのままに愛して欲しい。認めて欲しい。受け容れて欲しい」という表現になります。

 

まず、最初にお母さんに求めます。

そして次にお父さんに求めます。

それから、おじいちゃんやおばあちゃん、

学校の先生や、他の人たちに求めるようになります。

 

子どもは、親から、安定した無条件の愛情を注いでもらえることを強く求めます。

 

しかし、親も他の大人も完璧な人間ではありませんから

完璧な子育ては不可能ですね。

 

親は、程度の差はあっても

悪気なく無意識に子どもの心を傷つけてしまいます。

 

親は子どもを愛しているのですが

「お父さん、お母さんは、ありのままの自分を受け容れてくれない。

愛してくれない」

と、子どもが感じるときがあります。

 

そのとき子どもは、寂しいし、悲しいし

親から愛されない不安や恐怖を感じます。

また、ありのままに愛してくれない親に対して

ものすごく腹も立ちます。

 

そして、

「ありのままの自分では愛してもらえないから

もっと良い自分にならないとダメだ。

もっと違う自分でないと愛してもらえない。

親の期待や欲求に応えないと愛してもらえない。

親が愛してくれる条件を満たさなければならない」

と、繰り返し感じながら育ちます。

 

「ありのままの自分は愛されない」

と、繰り返し味わった辛い感情は

ありありと感じるのが辛いので

感じないようするために

心の奥深くに抑え込まれて蓄積していきます。

 

これが、私たち人間の「心の傷つきの根本」です。

 

そして、

私たちが、親子関係の中で心が傷つき

愛されないと感じた経験から

自分の心を守るために

「この世界の見方(色メガネ)」

=「感じ方、考え方、行動の仕方」を身につけます

 

それは、「愛されるためにはこのようにするべきだ」

と繰り返し学び、非現実で強烈な信念として

無意識の領域に蓄積していきます。

 

これが<過去の人間関係の辛い経験によって作られた信念>です。

そうした非現実的な信念が、心に不安や苦しみをもたらしています。

 

心の傷つきは年月が経っても

すべてが癒されるわけではなく

私たちの心の無意識の領域に残り続けます。

 

 ですから、大人になっても辛い出来事をきっかけにして

幼少期からの心の傷つきが無意識の領域で反応し、非現実的な考えや、感情、行動で

人生を乗り切ろうとします。

 

例えば、

恋人関係や夫婦関係、親友関係など

親子関係に近い密着した人間関係では

かつての親子関係の中で経験した

辛い感情を味わいやすくなります。

 

心の傷つきが深く激しい人は

過剰に相手に愛を求め過ぎたり

あるいは愛されないことが恐くて

距離をとり過ぎたりします。

 

愛されないことが恐くて

愛を求められない苦しみを生み出すことがあります。

 
心の傷つきが深く激しい人でなくても
私たちは程度の差があれ
すべての人が心の傷つきを抱えていますので
親を求めるような感覚は残っています。
それは高齢者になってもそうです。
 

そして、

子どものころに満たされずに欠けている愛情を

今の人間関係に求めます。

 

私たちは、現在の日常生活の出来事や人間関係で

ムカッときたり、落ち込んだり、傷ついたと感じていますが

幼少期に味わった感情が喚起されるような出来事に遭遇すると

それが引き金となり、癒されていない心の傷つきが反応して

辛い感情が涌き起こるのです。

 

人の持つ根源的な欲求である「無条件の愛情欲求」が

幼少期のころに「どの程度に満たされたか?どのように傷ついたか?」

傷つき方により、心の傷つきの深さ、激しさが人それぞれに違います。

 

 

無意識の領域から振り回してくる生きづらさを手放すには、心の傷つきが癒されることが鍵です。

 

それには、

実際の人間関係の中で

「その条件を満たしても、満たさなくても

どちらでも愛される価値ある存在である」

「ありのままの自分でも大丈夫」

と実体験できることが大切です。

 

 

【深い傾聴によるカウンセリング】では

カウンセラーとクライエントとの

暖かく純粋な人間関係の中で

対話が進み、深まっていくにつれて

それまで意識していなかった心の深い部分

無意識の領域へと降りていきます。

 

クライエントの方の感じられるペースに合わせて

対話がゆっくりと進んでいきます。

 

クライエントの方は

無理のないところで

カウンセラーと一緒に

自分の心の深い部分を探索をし始めます。

 

カウンセラーが、深く共感的に理解して

その理解がクライエントの方に伝わるほど

さらに対話が深まり連想が起きてきます。

 

これまで抑え込んできたり

気づかなかったさまざまな思いや

さまざまな自分に無理なく向き合っていきます。

 

クライエントの方の心の奥深くにあって

気づいていなかった心の傷つきが生み出す

非現実的な<人と自分自身に対する信念>

にも気づいていきます。

 

そして、

クライエントの方は

カウンセラーとの対話を通して

さまざまな自分に出会い
そのいずれも大切なものとして

深く共感的に理解され

受容される経験を重ねます。


そのたびに

自分自身への無条件の価値

感じられるようになるのです。

しだいに
心が軽くなり生きることが楽になります。

 

また、

自分のことがより好きになり

他者に対して怒ることが減り

人間関係の苦しみが減っていきます。

 

心の自己治癒力が働きだし

自ら心の傷つきを癒して

もっと変化して、成長したいという

欲求が湧き上がってくるプロセスです。

 

人の命に内在する<自己実現へ向かう>力は
適切な環境の中で<心の自己治癒力>が働き出し
その力が進んでいきます。


 

私の心の経験と、カウンセラーとしての経験が

みなさんのお役に立ち、みなさんの周りに幸せ循環が生まれることを願っています。

7月31日に出版された私の本に詳しく書きました。

「心に平和の花を~幸せ循環をつくる自分創り~」こちらのリンクで