今日は【深い傾聴によるカウンセリング】で起きてくる
クライエントさんに内在する<心の自己治療力>のお話しです。
 

 

<①心の自己治癒力とは>

私たちは、身体に自己治癒力が備わっているのと同様に

心にも自己治癒力が備わっています。

 

それは人の命に内在する叡智です。

 

私たちの心は、心の傷つきを自ら癒して

変化・成長へと向かう<心の自己治癒力>が備わっているのです。

 

私たちの心の中に、怒りや寂しさ、悲しみなどの

ネガティブな感情が溢れ出そうなほど苦しく辛いときは

<心の自己治癒力>も弱っています。

 

しかし<心の自己治癒力>が働き出すと

辛い感情が解放されて、楽になり

心の傷つきを自ら癒し、その人らしく変化・成長へと向かう

命の働きが起きてきます。

 

では、どうしたら<心の自己治癒力>が働き出すのでしょう。

 

<②心の自己治癒力が働きだす環境とは>

 

身体の自己治癒力を高めるには

規則正しい生活リズム、質の良い睡眠(休養)

バランスのとれた食事、適度な運動などの環境を整えて免疫力を高めていきますね。

 

すると、自己治癒力の働きにより

身体は健康な本来の状態に還っていきます。

 

また、植物を育てるときは

光、温度、養分、水などの環境を整えると

その植物らしく育っていきます。

人間が外側から操作して

植物を変えるのではなく

植物の育つ環境が整えば

その植物らしい本来の姿で成長していきます。

 

心も同じように

心にとって適切な環境があると

<心の自己治癒力>が働き出します。

 

そして、自ら心の傷つきを癒し

その人本来のしなやかさ、たくましさ、その人らしさに還っていきます。

 

心にとって適切な環境の一つが

「自分のことをありのままに分かってくれる。受け入れてもらえる人間関係」

「無条件に受け容れてもらえる人間関係」

なのです。

 

【深い傾聴によるカウンセリング】は

自分のことを無条件に受け容れてもらえる人間関係>を提供し続ける営みであり

そして

<心の自己治癒力>が働きだす適切な環境を提供し続ける営みなのです。

 

 

<③自分のことを無条件に受け容れてもらえる

人間関係に身を置くと

どうして心の自己治癒力が働きだすの?

その心のメカニズムについて>

 

私たちは「ありのままの自分を無条件に受け容れて欲しい。愛して欲しい」

という強烈な欲求があります。

 

誰もが「良い、悪い」の評価なく

「自分の気持ちをありのままに分かって欲しいし

受け容れて欲しい。愛して欲しい」と思っています。

 

みなさんは、心が張り裂けそうなほど辛いとき

孤独の海で溺れそうになっているとき

「私の気持ちを分かって欲しい」と願ったことはないでしょうか。

 

私たちは

「自分の孤独や悲しみ、苦しみ、絶望感を

私の身になって分かろうとしてもらえている。

私の苦しみ、絶望感、悲しみ、辛さを

自分のことのように想像して寄り添ってもらえている」

と、実感できると、ほっとして、安心感に満たされます。

 

なぜならば

私たちの「無条件の愛」を求める欲求が

満たされていくからです。

 

「無条件の愛」を求める欲求が満たされていくと、安心感が生まれてきます。

 

そして「もっと私の本音を、素直に正直に表現したい」という欲求が湧いてきます。

 

心の自己治癒力の循環が起きてくる瞬間です。

 

さらに

「自分の本音を無条件に受け容れてもらうこと」が続くと

苦しみ、悲しみ、怒り、憎しみで張り裂けそうになっていた心が

少しずつ軽くなってきます。

 

辛い感情は、感じられ、そして語られ

受け容れられるにつれて解放され、和らいでいきます。

 

そして、良い、悪いの評価も

諭されることも、アドバイスも

気休めも言われることがなく

私の身になって理解され

ありのままの自分を無条件に受け容れてもらえていると感じられると

心の深い部分で少しずつ癒しの過程が起きてきます。

 

そして同時に

自分の心の内側を見つめる働きが起きてきます。

 

「どうしてこんな気持ちになるのだろう」

と、心の深い部分を探っていくようになるのです。

 

そして「何を、どうしたら良いのか」

と、自分の内側から答えを見つけていきます。

 

このプロセスが、成長へと向かう「心の自己治癒力」の働きです。

 

このように

「心の自己治癒力」が働き出す適切な環境とは

「自分のことを無条件に受け容れてもらえる」人間関係なのです。

 

私たちは、自分の本音を、自由に正直に語り

他者に自分のことを無条件に受け容れてもらえるにつれて

心の深い部分で癒しの過程が起き

心の傷つきを自ら癒し

自分の成長したい方向へと向かっていく力を持っています。

 

反対に

私たちが、勇気を出して、誰かに悩みを打ち明けたとき

「あなたなら大丈夫。あなたは強い人だから」

と気休めを言われたり

 

あるいは「前向きに考えるといいよ」

と、アドバイスされたり

「感謝しないとだめだよ」

と、諭されたりするとどうでしょうか。

 

私たちは、とりあえず「そうだね」と答えるかもしれません。

 

しかし

自分の本当の苦しみや辛さを分かってもらえないので

さらに心が傷ついてしまいます。

そして、孤独感がよけいに強くなり、腹が立ったりします。

 

こうして

「自分の本音を自由に正直に話す」ことは

「傷つくことだ」と学びます。

 

自分の本音を表現することが怖くなり

貝のように口を閉ざし

心の壁をつくり

辛い感情を一人で抱えてしまうことになります。

 

ですから

私たちが一筋の光も無い暗闇の中にいるとき

「自分のことを分かろうとして寄り添ってもらえる人間関係」

「ありのままの自分をそっくりそのまま受け容れてもらえる人間関係」

が救いになります。

 

心が弱っているとき

「ありのままの自分を無条件に受け容れてもらえている。愛されている」

と、実感できる人間関係の中に身を置くと

私たちはホッとして、トゲトゲしく荒々しかった心が安らいでいきます。

 

身にまとっていた厚い鎧を脱ぎ捨てたくなります。

 

閉じこもっていた殻の中からゆっくりと顔を出して

仮面を投げ捨てて素顔を見せたくなります。

 

鍵をかけていた心の扉を開いて、本音を素直に語りたくなります。

 

自分らしく自由に、伸び伸びと表現したくなります。

 

このように

私たちの心の自己治癒力が働き出す環境とは

「自分の気持ちを理解し、共感してくれ、何を言っても無条件に受け容れ、存在そのものを大切にしてくれる人間関係」なのです。

 

自分の本音を自分のペースで話し

無条件に受け容れられていくにつれ

心はゆっくりと癒されていきます。

 

そして、私たちは

「どのような自分のことも無条件により愛することができる」

という本来の自然な姿に還っていき、自分らしく成長していきます。
 

 

【①深い傾聴によるカウンセリング】

深い傾聴によるカウンセリング>が目指すものは?>

<カウンセラーが面接で大切にしていること>

 

【②深い傾聴によるカウンセリング】

<深い傾聴によるカウンセリングにおいて、なぜ心の自己治癒力が働きだすのか?>

 

【③深い傾聴によるカウンセリング】
<私がなぜ【深い傾聴によるカウンセリング】を基本とするようになったのか?>
< 私のカウンセリングの基本姿勢とカウンセリング方法について>

 

④深い傾聴によるカウンセリング】

<深い傾聴によるカウンセリングはどのように進むのか?>

 

 

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私の心の経験と、カウンセラーとしての経験が

みなさんのお役に立ち、みなさんの周りに幸せ循環が生まれることを願っています。

7月31日に出版された私の本に詳しく書きました。

「心に平和の花を~幸せ循環をつくる自分創り~」こちらのリンクで