E・キューブラー・ロスの「死ぬ瞬間」に続く、言わば国内版です
 著者はホスピスの医者として
 実際に現場での出来事を知らせたい
 知って欲しい、という気持ちが伝わってきます

 ホスピスとはなんだろう
 この本の解説を書いてるアルフォンソ・デーケン氏によると
 アメリカにおいては
 ホスピスは
 多くの分野の専門家からなるコミュニティ(共同体)
 であり、重い病気にかかった人のクォリティ・オブ・ライフ
 (生命や生活の質)を改善する場所である。

 決して最後の死に場所ではない、最後のその時まで
 自分らしく送れるよう援助の全てを尽くす
 患者の痛みは体も心もであり、その痛みを出来るだけ
 取って上げて安らかに過ごせる場所

 特にガンは物凄い痛みをともない
 それに耐えている方が多いと聞きます

 著者は優秀な外科医であったのですが
 E・キューブラー・ロスの「死ぬ瞬間」の本に出会い
 彼女のワークショップにアメリカまで出向き
 医師としての道をホスピスに!
 と決断しました

 この本はホスピス現場からの声
 ホスピス治療とは、ホスピス・ボランティアのあり方
 患者との接し方、告知についてなどが詳しくかかれています

 なかでも、日本の医者のあり方
 1993年に出版された本です
 その当時国際的には痛みを和らげる治療として
 モルヒネの使用が一般的であったのに対して
 日本では最後の手段としてとしか理解されてなかったのです

 1986年にWHOが「ガンの痛みからの解放」
 というガイドブックでモルヒネ使用を打ち出しており
 又、モルヒネに関する本は沢山、出ており
 治療法はいくらでもあったそうです

 痛いということは精神的にもかなり苦痛で
 それを我慢、忍耐というのは
 精神的な破壊も呼んでしまいます
 患者の異常な行動も起こるのです

 医者が患者の痛みに耳を傾けない
 最近でも医者の誤診どころか
 未熟、技術不足、知式不足、おまけに
 ドクター・ハラスメントなんて
 言葉まで生まれてきてます

 医療事故ではなく、もう医者による
 医療放棄まで起きている現実をみると
 今も変わっていないと感じます

 いろいろ書いてましたら
 長くなりましたので
 つづきはデーケンさんの
 「死の準備教育」にも
 触れながら
 この本をもうちょっと書きます