今週は、四季報データの打ち込みと平行して、とりあえずADP雇用統計を打ち込んでみました(雇用者数は2010年までさかのぼれるみたいだけど、さすがにやめました。データは2020年からです)。「タテをヨコにする」作業です(実際にはヨコをタテにするのですが)。一部、こちらで計算した項目も含みます(式を貼り付けているだけですが)。データは主に2種類で、雇用者数と賃金の伸びです。大本のデータは有料みたいなので、日本のサイトから数字を引っ張ってきています。予想値だけ別サイトです(ズレがないかチェックできるのでちょうどいいかも)。


おもしろいのは、転職者と非転職者の賃金伸び率を分けて集計しているところです(前回謎だった転職賃金が判明)。最新9月のデータでいうと、非転職者賃金伸び率は年率6%なのに対して、転職者伸び率は9%と、3ポイント分の差があります。アメリカの転職事情は日本と異なるので、少し注意してみる必要がありますが、この差がプラスで大きいほど転職した方が有利(人手不足で引き抜きが多いということか?)、逆にマイナスなら解雇などで仕方がなく転職しているという可能性が出てくる、ということでしょうか。転職のコストを考えたら、0%ではなくてもう少し上に転職の採算分岐点があるのかもしれません。

最新の9月データを見ると、雇用者数は増加しているものの、伸び率は鈍化しています(伸び率の差をとるとマイナスになるわけで、いわゆる増収減益のような状態?)。雇用者数のマイナスは、たとえば2020年4月は684.5万人減ととんでもない数字が出ていますが、これはコロナの影響です。ただ、データは打ち込んでいませんが、2019年以前には、ちょこちょことマイナスの月が出ていたりします。雇用者数も際限なく増えるわけではないので、どこかで雇用者数の減少局面が出てきそうですが、現状でマイナスになると株価が過剰反応しそうでちょっと怖いです。

あと、予想と結果にズレが出ることもままあります。9月は増加が予想より6万人も少ないです。というか、この予想はどうやって出しているのか??? 9月の予想は「8月よりちょっと少ないかなぁ」程度の予想に対して大幅に少なかったり、8月は0.3万人差で増加数の鈍化をそこそこ当てていたり(これって誤差の範囲内なのか)、算出根拠はどうなっているのでしょうかね。これによって、予想との差をどうとらえるかが結構変わってくるような気がします。

というか、前月比と予想との差、どっちがより重要なのか???

タテ(時系列)で見ると賃金の伸び率も低下してきています。今年1月は7%だったのが、徐々に低下し、今月は6%を割りました。転職者の賃金の伸びも同様に低下、年初には15%近かったのが、9月には9%となっています。さらに転職者と非転職者の伸び率の差も埋まってきており、年初では伸び率が倍近く開いていたのが、9月時点では転職しても転職しなかった場合の50%程度の賃金の伸びしか期待できないということになります(いや、日本だと十分に高い数字なんでしょうけど)。

まぁ、賃金伸び率は平均ではなく中央値だし、分散がどうなっているかとか、ホワイトカラーとブルーカラーで数値が異なっているとか、気にしだすといろいろとわからないことも多いのですが、市場関係者はそんなマニアックなところまで気にしないのでしょう(時間勝負になると、細かいデータまで気にしていられないのでしょう)。

あと、データを作るとしたら、雇用者数の前年比でしょうか(賃金は最初から前年同月比が出ているので、逆に前月比はわからない状態)。作っても良いけど、データセットがあればいつでも計算式を割り込ませることができるので、とりあえずは打ち込んで終了です。

これで失業保険とADPは、まぁフォーマット完成で後は月ごとに更新、ストックしていくだけです。次は雇用統計、でもってJOLT、ついでにチャレンジャー(これはこれでどういう統計かがいまいちわかっていませんが....)でしょうか。ただ、雇用統計は項目数が多すぎです(これについては後で書きます)。

CPIのような物価データ、ISMやPMIといった景況感データとかもあるので、データセットの完成はまだまだ先になりそうです。