今週はアメリカだけでなくフランスでも何か騒ぎが大きくなっているみたいです。加えて中国の政府系ハッカー集団....、国営の犯罪組織って北朝鮮を参考にしたのでしょうか。まぁ、そこら中に出てくるロシアも元をたどればKGBじゃないかと思っていますけど。国営ハッカー集団がOEM版AIで詐欺って発覚した段階で国としては大ダメージのはずなのですが、何せトランプなのでディールだとかいいつつ、その辺を何も考えずに話を進めかねないんですよね。そもそも、プーさんはトランプに対して最初は何をしでかすかわからないとかなりビビっていた感があったけど、最近は完全にナメてかかっているような感じがします。

そのトランプも焦りなのか、あるいは耄碌したのか、かなり短絡的になってきているように見えます。無茶苦茶なのは1期目の最初から同じなのですが、当初は傍若無人ではあったけどMAGAという思想(思想なのか?)に照らしてみれば説明できないわけではなかったように思います。ところが、最近は全くダメで、2期目に入ってからやり過ぎ感(移民問題)や見当外れ(大学への対応)が出て来ていて、かつ1期目より金儲けが目立っていたけど、最近に至っては無茶苦茶というより支離滅裂になってきています。特にイラン以降が完全に迷走状態でしょうか。中間選挙後に、さらに暴走が加速するのか、あるいは議会側の調査とか追求とかで手一杯となって減速するのか、後者になってくれるとよいのですが、どうでしょうか。あと、トランプを後ろから煽っているネタニヤフが退場してくれるかどうか(ついでに逮捕されるかどうか)が、来週の焦点でしょうか。

あと、中華系国営ハッカー組織(たぶん、ロシアや北朝鮮も混じっていそうだけど)の攻撃がどうなるかと、それに対する対抗策がどこまで整うかも焦点になりそうです。というか経済的要因ではないことで振り回されている感じです。

今週の統計

今週は端境期、PMI先行とミシガン確報、日本CPIぐらいでしょうか。

PMI10月速報値は製造が56.0で前回からほぼ横ばい、サービスが前回から0.9p減の57.9、まだ高い水準を保っています。他方、消費者側の景況感のミシガン10月確報値は48.0で速報値からは改善して前月から0.1p減のほぼ横ばい、現状も速報値よりは改善したものの46.7で前月から4.2p減、将来だけは48.8で前回から2.5p増と改善しています。現状の低下については、耐久消費財の購入環境の悪化が原因としているので、家具とか家電といったものの値段が購入をためらう程度まで上がっているということでしょうか。これについては「物価高による苦痛がどれだけ増えたか」についてのグラフも出て来ますが、保有株式別はとにかくとして政党別でトランプ支持の高い共和の方が数値が高くなっているのが、やや不思議です(この数値は増加率でよいのでしょうか、だとする民主支持層は元々苦痛を感じていたので伸び率は低いということで説明はつきますが....。あと増加率だとするといつの時点との比較なのかがわからないので検算ができません)。予想インフレ率は1年が4.7%、5年が3.5%で両方とも前月から0.1p増ですが、イラク以降1年の予想インフレ率の数字が基準となる2%の倍以上の状態が続いているので、低所得者層には相当のダメージとなっているでしょう。イランを景気とするインフレが原油から耐久消費財に及び出したということでしょうか。だとすると、そろそろGNPあたりに影響が出始めるのかもしれませんが、10月20日時点でGDPNowは下落傾向とはいえ3.5%だったりします。米国経済の実態がどうなっているのか、未だによくわかりません。

日本でもCPI9月が出て来ました。せんげつから0.2p増の2.1%で、生鮮除くも同じく2.1%、生鮮エネ除くで2.4%、食エネ除くで2.2%となっています。2.1%は去年12月以来の2%台、また食料品やエネを含んでも除いても2%台前半で、食料品の伸び率が極端に高い状態から全品目で伸び率上がる状況へと変化してきました。もっとも、食料品は前年に上がりすぎた米の下落(前年同月比21.1%減)という要因や高校授業料無償化(73.2%減)という要因もありますし、まだエネルギー補助金の効果も続いていたりします。エネルギー補助金の効果がないとすると、指数はさらに上がるので、物価としてはほぼ全般的に上がっていると見てよいでしょうか。ただ、食エネ以外の上昇もエネルギーというか原油価格の上昇が波及してきたのだとすると、結局はイランというかトランプが原因ということになるのですが、どうなのでしょうか。

値動きと損益率

 

 

10月第4週
曜日 トータル 移管 非移管 新NISA 旧NISA 日経 トピ コメント
月 +0.66 +0.82 +0.60 +0.17 -0.01 -0.62 +0.04  
火 -1.63 -1.33 -1.92 -1.02 -1.56 -1.30 -1.43  
水 +0.60 -0.13 +1.12 +0.88 +1.74 +0.85 +0.86  
木 -0.99 -0.43 -1.33 -1.86 -2.16 -2.65 -1.14 買付
金 -0.55 -0.20 -0.83 -1.02 -0.30 -0.34 -0.79  


今週も基本的には下落ですが、プラスの日もあったりします。ただ、上げ幅より下げ幅の方が大きく、見た日経は4敗、半導体率の高い新NISAも下げ幅が大きいので、相変わらず半導体に振り回されていると見てよいでしょうか。

 

 

 

10月第4週
項目 損益率 高値 安値 前週差 年末差 備考
株式トータル 56.43% 60.99% 56.73% -3.50 +35.32  
株式 特定  57.12% 61.71% 57.12% -3.47 +36.07  
うち移管   36.05% 38.93% 36.05% -1.75 +37.15  
うち非移管  79.96% 86.55% 79.96% -5.49 +33.10 買付
株式NISA   19.97% 23.69% 19.97% -3.51 +16.32  
旧NISA株式  93.54% 98.41% 93.54% -4.60 +47.26  
投信トータル 65.80% 72.13% 65.80% -8.06 +23.70  
投信 特定  124.39% 130.63% 124.39% -6.37 +21.75  
投信NISA   94.20% 104.59% 94.20% -13.12 +49.60  
積立NISA   30.92% 33.80% 30.92% -3.43 +4.08  
旧NISA投信  28.09% 31.94% 28.09% -3.73 -3.12  
トータル   57.52% 62.28% 57.52% -4.03 +34.25  


今週も下げました。これは下方向で日経6万割れはあるでしょうか。昨年末からだとまだ10p以上のプラスを確保していますが、積立NISAは4pプラスでしかなく、旧NISA投信に至ってはマイナス、また投信NISAは損益率100%割れとなりました。8月9月の下げ予想が当たらなかっただけでなく、今頃になっての大幅下げ、短期的な見通し予想は全くもって当たっていません。ただ、年単位で考えた場合、現時点ではまだプラスなのが救いです。あまり先読みしても仕方がないので、日経が6万切ったらいったん機械的に買いを入れて、その後は落ちた銘柄を狙う形、あるいはアメリカが落ちたところをETFで確保するというところでしょうか。何か難しいというか、悩ましいというか。

その他口座

為替は週の後半で少し下がり156円台、ドルが160円突破をあきらめて下がり始めたのでしょうか。野村はREITが相変わらず低迷、仮想通貨も下がり気味です。

今週は月曜休み、アメリカも月曜休みでした。ただでさえ上か下かわからないところに、木曜日のよくわからない企業発の大幅下落、いったいどうなっているのでしょうか。

今週の統計

今週はベージュブック、また日米金利が出てきますが中間選挙前なのでアメリカは据え置き、日本はどうなるでしょうか。日本の金利が動けばドルが150~155円あたりになるかもしれませんが、何せ日本は腰が重いので、米利上げの日本据え置きという最悪の結果が出るかもしれません。それ以外だと、CPIなど物価3指数、小売、NY連銀が出てきます。

まずベージュブックですが、ダラスなのでテキサスで製造業が大きく成長したみたいです。成長の程度を示すワードがある様で、原文から引っ張り出すと以下の通りです。

  1. robust, broad-based growth(頑強な、幅広い成長)
  2. moderate growth(緩やかな成長)
  3. modest growth(穏やかな成長)
  4. slight growth(か弱い成長)
  5. little growth(成長なし)


moderateとmodestは、順番的にはどっちがどっちなのでしょうか。登場順でいうとmoderateの方が成長度が大きい見たいです。いずれにせよダラスの製造業は頑強で幅広い成長だったみたいです。で、12地区の成長度合いは

  1. robust, broad-based growth    ダラス製造業
  2. moderate growth       ダラスを含む2地区
  3. modest growth               3地区
  4. slight growth                4地区
  5. little growth                 3地区


となっているようで、地域差が出て来ているみたいです。自動車販売は横ばいか減少で、自動車を含め個人消費は高所得者が引っ張っているとのことで、それなりに成長質得るテキサスでさえ個人消費は、低所得層で悪化しているとのことです。あと、わざわざ「カナダからの観光客が減っている」と明記していますが、これはトランプに「カナダとの関係を何とかしろ?」と暗に文句を言っているのでしょうか。雇用はあまり変化がないようですが、専門職、技術職と熟練工で人手不足の一方でAIによる雇用抑制という真逆の方向性が出て来ています。後、インフレで賃金だけでなく福利厚生費も増大し企業負担が大きくなりつつあるみたいです。そして物価は相変わらず上昇中ですが、特に3地区で上昇が大きいようです。物価上昇の原因は原油で、ディーゼル燃料が原因としては特に大きい見たいですが、他に原材料費、関税、保険あたりも上昇要因になっていて、今後もさらに価格上昇があると予想しています。地域差はあるもののそこそこ成長してインフレが止まらないということなので、内容的には利上げが必要という感じの書き方になっているでしょうか。

そして、インフレ関連では物価指数も出て来ています。CPI9月は、前年同月比3.7%、前月比0.6%とまた高くなりました。原油が原因なので食エネ除くだと前年同月比2.6%、前月比0.3%とマシにはなりますが、原油の影響が原油以外にも及んできているとすれば、イランの件がなければ食エネ除くだともっと低くなっていたのでは、と思ってしまいます。現時点の原油価格がイラン前の水準だった場合の物価シミュレーションとかないものでしょうか。時系列的に見ると、6月前月比のマイナス0.4%の後、0.1%、0.4%、0.6%と上昇率が上がってきています。0.6%というのは、今年4月と同じ数字で、3月の0.9%に次ぐ高い数字、3月以降波乱高下しています。その原因となる原油高について、エネルギーが前月比5.2%、最近トランプが騒いでいるディーゼルに該当するだろう燃料油が前月比15.3%(前年同月比74.2%なので、輸送コストがとんでもないことになっているはず)、ガソリンも9.1%という数字になっています。PPI9月はCPI以上に上昇、前月比1.3%、前年同月比6.3%、食エネを除くと下がりますがそれでも前月比0.5%、前年同月比5.0%となっています。中でもエネルギーが前月比10.8%、そしてディーゼル燃料の影響なのか運輸倉庫が3.4%と上昇率が高くなっています。輸出入物価9月も高く、輸入は前月比1.1%、輸出は2.2%、特にエネルギー輸入が4.8%と高くなっています。日本のエネルギー輸入価格も同じくらい上がっているのでしょう。あと農産物輸出価格も2.6%で前月の0.4%から急激に上昇しています。1%以上の上昇は今年3月の1.8%以来です。農産物価格が急騰した理由は気候変動???、ニュースなのではそれらしい報道がなかったので、何が起こっているのでしょうか。理由次第で、日本への影響も変わってくるのですが、どこで調べたらいいんだ???

小売売上高9月は前月比0.8%増、自動車を除いても0.9%増と大して変わりませんが、自動車とエネルギーを除くと0.2%増にとどまります。つまりエネルギーの売上高が大きいわけで、実際ガソリンスタンドが前月比6.4%、前年同月比28.1%となっています。ただ、7~9月期と4~6月期の3ヵ月の売上だから比べた場合、ガソリンスタンドでは1.6%しか上がっておらず、原油価格の乱高下をならすとそこまで高くないことになり....それでも前月比1%以上というのはかなりの上昇率です。

景況感のNY連銀10月は指数が17.9p増の25.5、新規受注が21.2p増の23.2で、受注残も14.0で増えています。PPIや輸出入物価を見る限りかなりのコスト増になっているハズなのですが、現状の数字は悪くないという不思議、ただ6月後については指数が8.0p減の21.0,新規受注が2.9p減の22.4と数字はまだ高いものの減少に転じており、やや陰りが見えてきたというか、コスト高の影響がじわりと出始めたというか、まぁ半年後の予想なので雰囲気が変わったというところでしょうか。ただ、今月は悪化したとはいえまた数字は高いので、すぐに実際の経済に影響が出てくるわけではないかもしれません。

値動きと損益率

 

10月第3週
曜日 トータル 移管 非移管 新NISA 旧NISA 日経 トピ コメント
火 -1.16 +0.98 -2.59 -2.48 -3.18 -1.82 +0.14  
水 -0.11 +0.46 -0.88 +5.09→-1.15 +0.43 -0.05 -0.34 買付
木 -3.02 -0.99 -4.55 -4.24 -3.19 -4.90 -2.38  
金 +2.05 +1.58 +2.58 +0.84 +0.58 +1.39 +1.67  


週末にトランプがいろいろやらかしたこともあってどうなることかと思っていたら、トランプとは無関係なところで変なことになっていました。火水の下落は、週末のやらかしだったのかもしれませんが、木曜日の下落はCPIの影響と思いきや「コアウィーブの借金大丈夫か」問題、よくわからない一企業の財政状況だけでここまで下がるものなのでしょうか。まぁ、実際に下がっているので下がるものだったということになりますが....。金曜日はさすがに反発しましたが、戻り方に差があって、トータルでは約2/3戻していますが、株式NISAではほとんど戻っていな買ったりします。半導体関連に戻りが鈍いということになるでしょうか。

水曜日に、NISA枠が余っていることもあってETFを少し買いました。というか、しつこく下で入れ続けていた指値が引っかかりました。木曜に買えばもう少し安く買えましたが、下で見るように、トータル損益率でおおむね60%が底のラインだとすると、まぁまぁ安くなったところで買えたはず、大きく下げるようなら失敗ですが、買い足しということでよいかもしれません。

 

10月第3週
項目 損益率 高値 安値 前週差 年末差 備考
株式トータル 59.93% 62.28% 56.73% -4.25 +38.82  
株式 特定  60.59% 62.55% 57.25% -3.69 +39.54  
うち移管   37.80% 37.02% 35.67% +2.74 +38.90  
うち非移管  85.45% 91.09% 80.79% -10.71 +38.59  
株式NISA   23.48% 31.51% 22.45% -11.37 +19.83 買付
旧NISA株式  98.14% 103.47% 96.99% -11.11 +51.86  
投信トータル 73.86% 81.81% 72.31% -12.29 +31.76  
投信 特定  130.76% 134.28% 129.97% -2.64 +28.12  
投信NISA   107.32% 122.01% 104.71% -24.78 +62.72  
積立NISA   34.35% 37.15% 34.12% -2.44 +7.51  
旧NISA投信  31.82% 32.33% 31.30% +1.06 +0.61  
トータル   61.55% 64.55% 58.53% -5.18 +38.28  


今週はトータルで5.18p減と大幅減、損益率は一時60%を割り込みましたが1日だけで60%台復帰、6月第4週の最高値82.77%以降、7割ラインを超えられないけど6割ラインを割ってもすぐ戻るという状態が続いています。個別では非移管、新旧NISA株式、NISA投信が週間で10p以上の下落、NISA投信に至っては24p減と大幅に減少し、投信トータルでも12p減と足を引っ張っています。NISA投信の週最低値は104.71%で、一時200%を超えていたのに100%割れが見えてきています。ただ、ピークの半分まで下げていて大ダメージを受けているように見えるにもかかわらず年末からだと62.72p増と他に比べて上げ幅も未だにダントツ、上げすぎると下げもきつくなると思うしかないようです。まぁ、半導体ですよね。株式で悪かった非移管はキオクシアを抱えているし、新旧NISA株式もSOXなど半導体ETFをを抱え込んでいます。キオクシアは損益率が3000%を割って2500%あたりまで来ています。というか、大幅下落にも関わらず2500%台というのもなんか変なのですが....、最高値でいったん売って買い直していたら、1枚とはいえかなりの利益が出ていたことになります。

それにしても、10月初旬で底かと思っていたら下がらず、その後が上がるか下がるかわからず横ばい程度かと思ったら、大きな下落が来るけどそこそこ戻すという、よくわからない状況になっています。世間で言われている通りトランプ(特にイランからの原油高騰)とAIあたりが原因なのでしょうけど、原因というか振り回されている感じです。ただ、中国の新型高性能メモリは過剰宣伝というか、ネットで出回っている詐欺広告と同じレベルだと思うのですが、その詐欺広告にも振り回されているみたいです(何でアレを信じるんだろうか?)。

まぁ、今年は保有の損益率は上がっても70%手前までになりそうです。ただ、下だと60%を割る可能性はそこそこあって、普通なら下がって50%ラインより上ということになると思うのですが、何せトランプなので中間選挙後のやらかし次第でさらに下がりかねません。無茶苦茶なのはイラン前も同じなのですが、イラン以降短絡的でその場しのぎになってきているというか、当初は面白い迷惑だったのが、ただの迷惑になってきて、タチの悪い迷惑になりつつあるというか、たぶん次の大統領は誰がなってもトランプの尻ぬぐいでだけで何もできなくなりそうです。

その他口座

為替は週末で157円台、先週末から比べると少し下がったと見るべきか、横ばいとみるべきかどちらでしょうか。野村は先週まで下げていたリートがいったん落ち着いたみたいです。ただ、不動産は金利の影響を受けるので、まだ下がるかもしれません。ただ、金利が上がるということはインフレということになり、賃料は上がるのでリートにとっては収益増(ただし需給の問題もあるので何ともいえない)、まぁコストも上がるので簡単にピークまで戻すわけではないにせよ、この辺が買い時とみるべきか、といっても投信では買わないし、そもそも野村では買いませんが....。ピークからかなり落ちたけど投信はうっぱらって東証でREITを買った方がよいかもしれません。仮想通貨は今週は下方向、リップルは少し下げがきついでしょうか。

以前、購入したことだけ書いた行動経済学の2冊のうちの1冊です。どんな本でも10冊読めば何とかわかるとは思っているのですが、10冊の中ではハズレに該当するというか、行動経済学について知りたい場合は読まなくてもよい本だったみたいです。ただ行動経済学を無視すれば、割と読める本だったりはします。

大竹文雄, 2022, 『行動経済学の処方箋 働き方から日常生活の悩みまで』, 中央公論社.


とりあえず行動経済学について一通り知っておきたいということで、これともう1冊を購入したのが約半年前だったでしょうか。ちなみにもう1冊は、新書のふりをしたガチの解説書で、さらっと読めるものではありませんでした(目下苦戦中、10冊中10番目に読む方がよい基本でしょうか)。一方こちらについては、行動経済学についてはネットとかでさらっと紹介しているのと同じ程度の内容で、専門的に学ぶつもりはないけど行動経済学について一通り知りたいというニーズには答えてくれません。ただ、さらっと読めるので、新書としては正しいあり方だといえます。

一応、第1章が行動経済学の基礎的な解説をしている部分なのでしょうけど、わかりやすくなるように身近な例を出すのはよいのですが、基礎知識の説明をさっ引いて例をあちらこちらから引っ張ってきて、その例もひとつひとつはネットに落ちているようなものなので、その例が次々に出てくるという感じになっています。第2章以降で本格的な基礎理論が出てくるかと思いきや、2章からはコロナを例に出すというより、コロナの時期に何が起こったかの説明だったりします。しかも、行動経済学を使って説明しているように書いていますが、昔からある数理モデルを使った社会心理学(行動科学と呼ばれていて合理的選択理論とかゲーム理論とかを扱っているやつ)に経済額的要素を当てはめた感じ、底からさらにコロナということで公衆衛生学、正確にはその基礎となる統計学が出て来ているように見えます。大学の時に行動科学はわからないなりに授業でとったし、統計は調査屋だったこともあるので話はわかるのですが、肝腎の「行動経済学とは?」というところが全く見えてきません。これって、行動経済学ではなく、コロナ期の経済なり社会なりについて論じた著書ということなら、全くその通りで比較的よくかけている本だと思うのですが、行動経済学の本だといわれると、そうなのか?という疑問が出て来ます。内容としては面白いのですが、タイトルと内容とはずれているといえばよいでしょうか。タイトルを編集が決めている場合も多いみたいなので、そうだとすると著者ではなく編集が悪いということになるのですが....。

さらに、読み進めていくと第4章はテレワークとなっていますが、最初こそコロナ期のテレワークについて論じていたのが、だんだんコロナから話がそれていきます。あげくグラノベッターまで出てくる始末、経済学ではなく社会学のネットワーク論で出てくるような話です。第5章になると、ここでもまた最初はコロナ期のマスク不足の話から始まるものの、すぐにコロナから離れて、途中からアダム・スミス論が出てきます。このアダム・スミス論については、『資本論』は読んだことはあっても『国富論』を読んだことはなく教科書的な理解だけしかなかったのでそこそこ面白かったのですが、「行動経済学はどこへ行った?」という感じです。というか、このアダム・スミス論だけで1冊書いてもそれなりに面白い親書にな理想、教科書的な知識をひっくり返す内容ならそれなりに面白くなるはずです。最後の第6章は、学問論というか大学論というか教育論というか、行動経済学はどこかに行ってしまっています。これについても、臨時教育審議会による大学の教養解体期に大学にいたので、そのときにあったような話で、これはこれで読み慣れた話だし、大学とか学問とかがどうあるべきかという結構深刻な問題なので論じられること自体はよいのですが、肝腎の行動経済学は本当にどこかに消えてしまっています。ともっていたら、最後は学問論からも離れて、社会関係資本(原語はSocial Capitalだけど、日本では「社会関係資本」と訳すのが一般的。筆者は「社会的資本」と訳していますが、そう訳すと日本では宮本憲一の『社会資本論』で出て来るような意味になってしまうので直訳をせず、仕方なしに社会関係資本と訳すこととなったみたいです)が出て来て、最後は地域コミュニティの話になってしまいます。いや、行動経済学はどこへ行ったのでしょうか?

結局、さらっと読めて、それなりに興味深く重要度の高い問題を扱っていて、そこそこ勉強になるという新書としては比較的良書だとは思うのですが、肝腎の行動経済学については全くもって理解が進まないという結果になりました。まぁ、行動経済学についてて基礎的な知識を持っていれば別の読み方ができるのかもしれませんが、とりあえず「行動経済学についてさくっと知りたい」というニーズには、ほとんど答えてくれません。悪い本ではありませんが、タイトル詐欺というか看板に偽りありというか「タイトル変えろ!」といいたくなる一冊でした。

結局とりあえず買った2冊が2冊ともダメだったという残念な結果となっています。10冊というかピックアップできているのは後2冊なのですが(値段の高い単行本ならもっとありますが)、それを調達して読むべきか悩むところです。