何か、読み散らかしています。

山本康正, ジェリー・チー, 2022, 『お金の未来』, 講談社.

仮想通貨についての本です。基本読み物レベルなので、簡単に読めます。といいつつ、日曜日に1日で読めるかと思ったら、最後の章が月曜日になってしまいました。簡単な分、内容はそこまで深くないです。今後、別の本を読み進めるための入口程度でしょうか。

で、まぁ、仮想通貨のバックボーンとして民主主義があると言っていますが(パソコンやインターネットについても似たような話があったような....)、どちらかというと民主主義というよりアナーキズム的なものではないかという感じです。アナーキズムは、日本では「無政府主義」と訳されますが、内容を理解した上で正しく訳すなら「無権力主義」の方が正しいのではないかと思っています。つまり、「お金を国家権力が管理するのはイヤだ!」ということで、「自分たちで権力の都合に左右されない通貨を作ってしまえ」という面があるわけですね。う~ん、言わんとすることはわかるけど、何かアダム・スミスの見えざる手の亡霊かな、とも思えてしまいます。まぁ、この本の主張は、どちらかというと2人とも推進派というか当事者なので、楽観的にすぎるかもしれません。実は経済学的にも、文化論的にも、ちょっと深いテーマにつながっているハズなのですが、新書1冊で解決するような問題ではないですね(これについて書き出すと恐ろしく長くなるので書きません)。

あと、最近ちょこちょこと見聞きするデジタル著作権がどうのこうのというアレも、仮想通貨と同じなんですね。これははじめて知りました。どうも、いわゆるOSと同じように、いくつかのブロックチェーンという土台となるプログラムがあって、それぞれのブロックチェーンのプログラムの上にいくつかの仮想通貨や著作権を照明するプログラムやその他諸々が乗っかっていると理解。ただ、そのブロックチェーンのプログラムが次から次へと作られて、それに伴って次から次へと仮想通貨が生み出されているようで、さすがにカオスすぎないか、という印象です。まぁ、この辺は、もう少し詳しく知りたいので別の本を探すことになりそうです。

仮想通貨がわかったと言うにはまだままで、どちらかというとまだわからないのですが、何がわからないかがわかる程度にはわかる本ではないか、そんな感じです。