この間、相続関連と格闘しつつ、FP3級を少しずつ読み進めながら、もはや経済学の勉強と化しつつある投資関連の情報収集を行いながら、統計学です。

調査統計関連の本は、実は新規調達しなくても在庫がそれなりにあって、全部並べると本棚の棚卸し状態になってしまいます。なので、とりあえずサイズだけが手軽なブルーバックスの統計本だけを取り出してみました。ちなみに、ブルーバックスだけあって、内容は全然手軽ではありません。

以前紹介した『統計でウソをつく法』を除くと、在庫は6冊ありました。もう2~3冊あったはずなのですが、以前に本を処分したとき、売っ払っちゃったのかもしれません。その中から、とりあえず手始めにこれです。
 

土金達夫, 2001, 『変化をさぐる統計学』, 講談社

6冊中、なぜかこれだけは縦書きでした。内容としては、基本的には因果モデルで、二変量の回帰分析から多変量のパス解析へと進んでいきます。この辺については、分散分析とパス解析をやったことがあるので、楽に読み進めます。で、だんだん複雑になっていって、最後はやったことのないニューロ・ネットワークという手法が出てきます。といっても電算機任せの方法で、「何かブラックボックスだよなぁ」と思っていたら、「使う側にはブラックボックスでかまわないのだから、いくら複雑になっても問題はない」と堂々と書いてあった。いや、変数を大量にぶち込んで複雑化しすぎると、あとから解釈出来なくなるんですけど。統計分析も昔とは違って電算任せで複雑な計算を楽に出来るようになりつつあるけど、その弊害なのか、因果関係を考えずに独立変数を大量にぶち込んで疑似相関なのに分析したつもりになってしまうケースって、結構あったりするんですよね。というか、大学にいたとき、酷い分析をやっているのがいました。

でもってこの本、どうも経済というかマーケティングを志向しているようです。つまり、統計の分析結果の延長線上での未来予測という視点に立っています。個人的には、どちらかというと因果関係の解析、独立変数の明確化と変数の持つ効果の強さと言えばよいでしょうか、その解析をメインにしてきたので、その辺は少し違和感がある本でした。まぁ、さほどハズレでもないですし、数式もほとんど出てこないので、復習がてらにさらっと読み直して本棚に戻しました。

次は、これかな。