カキドオシ 連錢草 和漢薬百科図鑑 | 日本漢方の初歩と自然の日記2

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Glechoma hederacea ssp. grandis  
カキドオシ
シソ科

日本活血丹

Glechoma longituba 
活血丹

連錢草
金錢草

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(和漢薬百科図鑑より)

連銭草

【基源】

シソ科のカキドオシ
Glechoma hederacea L.
subsp. grandis(A.Gray) Hara
の花期の全草を乾燥したもの。
(中略)
また民間で小児の疳を治すのに
用いるので、
一名カントリソウ(疳取草)
ともいう。
中国では一般に金錢草とも
称されている。


【薬味、薬性】

連錢草は能く湿熱を清め、
淋を通じる。
それゆえ、
熱淋で小便渋痛する症に
車前草や萹蓄と共に用いる。
また石淋を治す効があり、
腎臓結石、尿路結石、膀胱結石に
単味で多量に煎服さすか、
時に海金沙や鷄内金と共に
用いる。
湿熱が内にこもって
黄疸を呈した場合にも用いられ、
急性型伝染性肝炎には
茵蔯蒿や山梔子と配合して
用いる。
その他、
解毒、消炎作用があり、
瘡癰、腫痛、
打撲症の腫れや痛みに
新鮮なものを搗きただらし、
その汁をない服するか外用する。


【用途】

日本の民間では
虚弱体質児の強壯薬として
古くから用いられている
江戸時代の漢方医永田徳本は
『下痢にゲンノショウコと甘草少しを加え、濃煎するとよい』と
記している。
その他、糖尿病や腎臓炎に
茶剤として服用する。
近年中国では、
肝炎や泌尿器結石に
これを用い良效をあげている。



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中華人民共和国における、連錢草の正品は
活血丹 Glechoma longituba である。

本邦産の
カキドオシ 
Glechoma hederacea subsp. grandis
は別種に分類されている。

Glechoma hederacea subsp. grandis は
現代中藥學大辞典、全国中草藥彙編、全国中草藥名鑑、新華本草綱要などには記載されていなかった。

1972年度版の中国高等植物図鑑に記載されていたGlechoma属は
活血丹 Glechoma longituba 
白透骨消 Glechoma biondiana 
の二種であった。

全国中草藥彙編には
欧活血丹Glechoma hederacea 
が、分布する地方があり、連錢草
として使用されるとの記載があった。

1996年版の原色牧野植物大圖鑑には、カキドオシ Glechoma hederacea ssp. grandis は『北海道から九州および台湾、朝鮮半島、中国東北部、アムール、ウスリー、シベリアに分布』とある。

またカキドオシの中国名として日本活血丹の語があり、一般に知られている。