市議会「参加反対」言わない意見書案
政府の後押しになると井上議員
安倍晋三首相のTPP交渉参加表明に対して、28日の市議会最終本会議で意見書を提出する動きが出ています。ところが意見書案には、政府に「国益をどう守っていくのか、明確な方針を示すこと」や「TPPが地方の経済活動や生活に与える影響などについて、十分な情報提供と丁寧な説明を行うとともに、地方の声を真摯に聴き、議論をつくすこと」と要望していますが「参加反対」を迫るものになっていません。日本共産党の井上勝博市議は、参加反対を言わなければ政府のTPP参加を後押しすることになるとして意見書案に反対します。
TPP交渉は、10月大筋合意、年内妥結を目指しています。新規参加国は、既に交渉している国が合意した条項を交渉し直すことはできません。そのことは、安倍首相もTPP交渉参加を表明した記者会見で認めました。
TPP交渉は秘密交渉です。遅れて交渉に参加する日本は、すでに合意された条項を知ることなく入ることになり、入ったらただ「丸呑み」しなければなりません。また政府がどんな交渉を行っているかも、国民には知らされないのです。こうした新規参加国の制約の中で、重要品目の関税をはじめ、国民皆保険制度や食の安全・安心基準など守れる保証はどこにもありません。
過去の自民党政権下で行われた日米経済交渉は、日本側の一方的譲歩の連続でした。農業分野では、小麦から牛肉・オレンジへ、そしてコメまでも輸入「自由化」の対象とされました。TPP交渉参加を表明する以前の事前交渉の段階でさえ、日本政府は米国の要求に屈して、BSE(牛海綿状脳症)対策の牛肉輸入規制を緩和しました。
新しい試算でも、農林水産分野への大打撃は明らかです。関税率が10%以上で、国内生産額が10億円以上の農林水産物の重要品目だけで見ても、生産額約7兆1000億円のうち約3兆円が失われます。また、国土を守り、水を蓄えるなどの農業の多面的機能が、金額換算で約1兆6000億円失われます。
TPP交渉に日本が参加するには、アメリカ議会の90日間の審議を経ての承認、関税全廃を迫るオーストラリア、ニュージーランドの同意が必要となります。農林水産業・医療・食の安全など日本経済を土台から壊すTPP参加阻止のたたかいはこれからです。
「参加」反対を言わない意見書では政府に対して圧力にはならないばかりか参加の後押しをすることになります。

