久しぶりに、高校時代の旧友に会いました。
先日、電話がかかってきて、母親と一緒にアパートを建てたい。
ついてはハウスメーカーが持ってきた話を進めていいかどうかみてもらえないだろうか、といってきたのです。
もちろん、そういった話は専門であるので、会うことにしました。
話を聞いてみると、ハウスメーカーに一括で管理・家賃収納を任せてしまう、いわゆるサブリース契約を結ぶということのようです。
相続対策も含めて、親と共同でアパートを建て直すということらしい。
大手商社に勤める彼は、もうすぐ奥さんの実家のガラス関連の会社に行くようです。
だから、自分でアパートの管理ができない。
建てた後も、ハウスメーカーに家賃保証してもらう代わりに一括で管理・家賃収納を任せてしまう、いわゆるサブリース契約を結ぶということらしい。
さて、提案書の中身を見ると・・・何もない。
延べ床面積すら提示されておらず、建築費の坪単価も分からない。
あるのは、建築費総額がいくらかかるとか、月々実際手元にはいくら残るのかといったことだけです。
もちろん、ハウスメーカーからしてみれば、とりあえずたたき台として提示しただけだろうし、相手は不動産について素人だから、細かいことは実際に話が進んでから提示すればいい、と考えたのだと思いますが、ちょっと信じられなかったですね。
部屋ごとの面積は提示されていましたが、合計面積すらなく、手計算して大体の共用部面積を出して建築費の坪単価を計算したところ、60万円を超えていました。
ハウスメーカーでやるにはいささか高価な気がすると彼には言いましたが、実際のところ、他のハウスメーカーの提案書がないので、比較しようがない。
せめて、もう1社から話を聞けばいいのだけれど、彼の親がたかが数千万円程度のことで、こまいことを言う必要がないという一言で、話は終わってしまいました。
そう、確かに億単位にかかるわけでもなく、いちいち時間をとるのも大変です。
どうせ任せてしまうわけだから、とりあえず建ててしまおう、という考えに何の異論もありません。
ただ、苦労するのは息子の彼かもしれません。
相続時、あるいは20~30年経った時に苦労しないといいのだが、と心配してしいます。
Y氏が昨年元麻布に女性専用マンションを建てたとき、計画から竣工まで約1年半かかりました。
ここまで時間がかかってしまったのは、ハウスメーカー2社に建築計画を立ててもらった後、別の設計士に依頼したという経緯もありますが、納得のいく図面ができるまで、9回書き直してもらったことが大きかったですね。
工事に至るまで、約1年かかってしまいました。
その後、建設中に細かい仕様を変えたので、全部でK案つまり11枚設計し直してもらったことになります。
その間、新聞折込みのマンションのチラシを丹念にチェックし、間取りや今のマンションのトレンド(オートロックはもとより、浴室暖房乾燥機、オール電化、光ファイバー、CATV引込等)を勉強し、ショールームに通い、入居する方がどうしたら気分よく住めるマンションを作れるかを心がけて設計図面を検討しました。
断っておきますが、彼にそこまでやって欲しいと思っているわけではありません。
Y氏はこれが仕事だからそこまでした訳で、ただ親と相続のためにやるのならやらなかったかもしれません。
でも、ここまでやったからこそわかることもたくさんあるのです。
当然、やってよかったこともあれば、時間をかけた割には大してよくなかったところもあります。
でも、今回これだけ時間をかけたことで、次に手がけるときの参考には間違いなくなりましたね。
また、数年後に麻布狸穴町にある木造アパートの建替えがあるので、この経験が活かせるのだと思っています。
今度はデザイナーズマンションを手がけようと思っています。
不動産は不思議なもので、きちんとした知識と経験があれば、まず失敗しない投資だとY氏は考えます。
ただし、何の知識のないまま手を出すと、大やけどする投資でもあります。
だからこそ、彼にも、どうせアパート経営をやるなら不動産に対して多少の理解は必要だといいたいのです。
それが、相続に有利だから不動産を利用するにしても、です。
土地は何も生まない。
しかし、その活用の仕方によって何倍もの収益を得られるのが不動産の面白いところなのです。
件の自分が手がけたマンションは、コンセプトと立地の良さで、竣工当初から満室で、今年に入って2部屋空きましたが、2週間も経たずに両方決まりました。
住んでいる方にも好評をいただいており、建てたこちらもうれしい限りです。
でも、Y氏は1ルームマンションに家賃15万円は払えません。
それが10坪(約33㎡)近くあるにしても、です。