前回に、職種や業種について書いてきました。
仕事選びは新卒の場合、まずは職種を決めて、そのあとに業種から会社を選ぶのが
理想ではないかと思いますが、実際はそうはいかないと思います。
例えば高卒で就職する場合、1人1社という制限があるそうです。
早く就職先が決まって、勉強に専念させるためらしいが、可哀想な気もします。
先生から指定されたりして、就職先が決まってしまうのです。
ただ前向きに考えれば、まだ会社についての知識も少ないか、ほとんどない状態
なら、就職担当の先生の指示で就職するのも悪くはないかと思います。
大卒の場合は逆に自由に自分で選べるので、迷うのだと思います。
その時は自分が興味のある分野が、間違いないと思います。
しかしそれも思うとおりいかないことも多いのです。
最近知った例ですと、今年新社長になった人の経歴の中で、トヨタで働きたいというのは達成できましたが、配属先の希望が、第1も第2も第3もエンジン部門だった
そうですが、実際の配属先は技術管理だったとのことでした。
それでも今はあのトヨタの社長になりました。
古い話では私が現役時代に聞いた話で、アサヒホールディングの社長の話でした。
アサヒホールディングは、グループ内に、アサヒビール、ニッカウヰスキー、
カルピス、ウイルキンソンなど有名企業を持つグループですが、当時底で社長になった人の話では、新入社員の時アサヒビールの東京での営業を希望したそうですが、
配属先は九州にある倉庫番だったとのこと。
当時は缶ビールも少なく、瓶ビールが入ったケースをトラックへの積み下ろしもしたそうです。
それでも最後はホールディングの社長にもなりました。
もちろんこの時代に「配属ガチャ」などという言葉もなく、与えられた仕事にベストを尽くした結果だと思います。
この2例は希望する会社に入ったが配属が自分の希望ではなかった例です。
私の場合はまた少し違っていました。
4年生の時、ある大手電機企業からアルバイトの話があり、外国の計測器の展示会の説明員として東京に1週間ほど来ていました。待遇としてはいいアルバイトでした。
終わって大学に戻りました。
研究室の先生から「実は私がアルバイトに行っている間に夏の工場実習のガイダンスがあり、皆さんの実習先が決まりました。今1社だけ残っているので、そこへ行ってほしいと」言われました。
私の通っていた大学は工学部は夏休みを使って、1か月の工場実習が必須科目で
1単位でした。これに行かないと卒業できないわけです。
その電機メーカーも名のある会社でしたが、私としては考えてもいなかったところでした。
私が迷っていると先生は、「ここは最近新商品もヒットしているし、将来性もある」と言われ、卒業のためにそこへ行くことにしました。
私が行っていたアルバイトも研究室に来た話でしたので、やむをえませんでした。
夏休みに1か月その会社に実習に行きました。
工場にある技術部でした。まだ学生でしたので大したテーマも与えられず、何となく雑用をしたりしていましたが、会社というものはある程度分かりました。
工場実習とはいえ、人事部長との面談なども入っていました。
実習も終えて大学に戻りましたら、先生から「実習先で君を欲しいといわれているのでそこへ就職しないか」と言われ卒論も近づいていたので、迷った挙句、そこへの就職を決めました。前述の高校生の就職のような形になってしまいました。
後日談ですが、私が実習先に就職するか迷っていた時に、アルバイトに行った会社の部長が大学まで来て、「アルバイトにきていた数人の中で私が欲しい」と先生に話したそうでしたが、先生は彼は実習に行った会社に就職するはずだと断ってくれたそうです。
なんでその時教えてくれなかったのかと残念な気もしました。
アルバイトに行った会社は私が就職を決めた会社よりかなり大きな会社です。
これも運かなと思います。
もし大きなほうの会社に入って新卒が何百人もいるところにいたら、どうなってしまうのだろうか、一方私が入社した会社は新卒が100人くらいでしたので、かなり
会社の中でもいろんなことが経験できました。
前回のブログに就職はギャンブルという副題を付けましたが、「ガチャ配属」などに
あまりこだわらないほうが自分の隠れた才能に蓋をしないで済むのではないかと思います。
30代後半から私の仕事も大きく変わりました。
次回以降に続きます。