TPP問題を考える。 | 自賠責保険対応の顕示接骨院

自賠責保険対応の顕示接骨院

顕示接骨院の日々の活動とPRを綴っています。

自然と遊離するバベルの塔は崩れる。

自分は精一杯頑張っていると昼夜惜しみ無く働いてきた。仕事の内容は自動車のセールスマン。
その中で夢と希望を共に語り合う伴侶を見つけた。

時間が流れる中で、徒歩で通いなれた道も車通勤になり、子供が出来た事がきっかけに住み慣れた団地もそれなりのマイホームになり、2番目の子供を授かり人生絶好調と感じずにはいられず、自分の功績を家族、社会とも認めてくれたという自負に舌鼓を打ちながら自分が好きなものを好きなだけ旨いものを幸せにひたれるまで家族で食べた。

そう喜んでいたのも僅かな時で子供達は成長と共に家を出て行く。

老後は愛し貫いた伴侶と共に生きようと夢に希望を膨らませていたが、その夢は一瞬にして崩れる。

愛した妻を目の前にすると目はうつろ、点滴の瓶がゆらゆらと揺れ、薬の時間に間に合わせる様に病院の食事を済ませる。

口癖は「また美味しいものを食べたい」だった。子供達は仕事が忙しくて帰って来れないという。

そうして妻は天国に召され、私は受け入れる事が出来ず妻を抱き抱えた。その妻の身体はもう動かない。

ずっしりとした重さだけが私の腕の中に残り、点滴の針の穴が妻の腕にはくっきりと残されていた。

今も私に寂しさを教えてくれる。


もし、もう一度人生があるのなら、


古い大きな農家の家に生まれ、銭は無いが、納屋には安全な野菜やスイカが形は悪いがびっしりとあり、納屋の日陰には玉ねぎがかけてある。鶏は犬にからかわれ、子供達が山積みのジャガイモを見ている。

その光は眩しい。

世間では家族農業は非合理的で儲けを産まない事なので、食料自給率が上がらないというのだ。
それでも一年の労をねぎらう収穫の日は最高の日。

長年連れ添ったかーちゃんと真剣に収穫に向き合う。汗をかいて、動かした後の漬物は最高だ。銭は無いが生きる為の最高の知恵を持っている。

はたからみたら何をバカな事と、しかしこの最高の人生を大企業や政治問題で奪われたくない。儲けがなくても私の精神は自然と遊離する事なく、共に歩んできた。儲けが要らないのではなく、儲けが必要無いのだ。

そんな事を考えながら時間は50年流れ、かーちゃんと2人で50回米作りをした。そんなかーちゃんも朝起きたら死んじまったよ。ゆっくりと抱き抱え妻を抱きしめると何とまあ軽いこと。

顔を覗き込むと、化粧した事あるんだか無いんだか美人とも言えねー顔で死んでるんだが、何とまあ生き返りそうな位、元気そうじゃねーか。外を見渡すと2人で育てた作物達が今日も元気にそこにあった。

その作物が今日も俺の命を繋いでくれる。