一昨日フランスで行われた凱旋門賞を振り返ってみた。
今年は日本からクロワデュノール、ビザンチンドリーム、アロヒアリイと3頭出走したが、残念ながら今年も悲願成就とならなかった。この結果について私なりに振り返ってみた。
日本の大将格ダービー馬クロワデュノールは14着に大敗した。
外枠17番ゲートよりスタートを決め先行し、3コーナーでは先頭に立ち直線に向いても手ごたえがいいように見えたが、追い出すと伸びず馬群に沈んだ。前哨戦のプランスドランジュ賞を勝っての参戦で期待が大きかっただけに案外の結果だった。
敗因は何だったんだろうか?
先行策で脚を使わされたからなのか?道中の手ごたえからは折り合いはついていたようにみえたが・・・。やはり馬場によるものなのか?前走で重馬場をこなしていただけにどうなんだろう。それでは距離なのか?東京の2400m戦とはコース、馬場も違うだけにそれが響いたか?直線北村ジョッキーが追い出しても反応がなかった。3歳馬は斤量でも恵まれていただけに残念である。体調不良や何か直前のトラブルでもあったのか、今後分かるだろう。
ビザンチンドリームは日本馬最先着5着と健闘した。
15番枠から後方まで下げ、道中は中団後方で脚を溜め、直線内から一旦抜け出そうといい脚を見せたが、最後は突き離された。でも見せ場は作った。鞍上マーフィーの好騎乗もあり頑張ったと思う。春の天皇賞でも僅差の2着に入るなどスタミナ豊富な同馬だがこの相手ではこれが精一杯だったか。
好枠と血統的なバックボーンから期待されたアロヒアリイは、好位で競馬をしたが16着に沈んだ。
前走ドーヴィルの前哨戦ギヨームドルナド賞を逃げ切っての参戦だったが見せ場は作れなかった。日本では1勝馬の身でこの経験が今後のレースで生かされることを願いたい。
勝ったダリズはG1初制覇が凱旋門賞となった。好枠から好位を進み、追い出しを待ちミニーホークが先に抜けたところを外に持ち出しゴール前差し切った。鞍上バルザローナの好騎乗が光った。ダリズの父シーザスターズは2009年に、その母アーバンシーは1993年に凱旋門賞を制しており、親子3代での凱旋門賞制覇となった。
日本馬が凱旋門賞を勝つには何が必要だろう。私が考えるには2点ある。
1点目はやはり馬場の克服だろう。日本の馬場は時計が速く、スタミナがいるフランスの馬場のコースはない。かつてエルコンドルパサーが4歳時にヨーロッパ遠征をし専念したように、フランスに滞在し馬場に慣れるのが大事ではないのか?トライアルを使っただけでは厳しいと思う。
もう1点は血統だろう。特に秋のロンシャンは雨続きで重馬場で行われることがほとんどで、スタミナが重要視される。私が挙げる血統はサドラーズウェルズ系とステイゴールド系だろう。
サドラーズウェルズ系はヨーロッパのスタミナ血統で、かつてはテイエムオペラオーやメイショウサムソンの父のオペラハウスが活躍したが、それ以外は日本の馬場に合わないのかあまり活躍できていない。最近は同父系のフランケルの産駒が日本でも走るようになり、その直仔のモズアスコットが昨年から種牡馬デビューしている。モズアスコットは今年の弥生賞を勝ったファウストラーゼンを出すなど活躍馬を出しており今後楽しみである。
ステイゴールドは産駒のオルフェーブルやナカヤマフェスタが凱旋門賞で2着に入るなど適性を見せている。海外のレースに強いのも特徴で、後継種牡馬のオルフェーブルやゴールドシップ産駒に期待したいものだ。
日本馬は今海外のビッグレースで次々と結果を出している。凱旋門賞は日本馬が勝てていないレースの一つだが、いつか日本馬が勝つところを生きているうちに見たいものである。それを期待してやまない。どんどんチャレンジしてもらいたいものである。