今週末は今年1年の総決算有馬記念が中山競馬場で行われる。
昨年の勝ち馬レガライラをはじめG1ホースが6頭出走し、白熱するレースとなりそうだ。
中心は昨年の覇者レガライラになるだろう。
今年初戦となった宝塚記念は久々と道悪で11着に大敗したが、秋初戦のオールカマーを快勝、続くエリザベス女王杯では直線息の長い末脚を発揮して圧勝、牝馬相手では一枚も二枚も上の力を見せつけた。昨年と同じローテーションになるが中間も順調に調教をこなしており、臨戦態勢は整っている。鞍上ルメールは現在138勝で2位戸崎圭太に7勝差をつけ、ほぼ3年連続となるリーディングジョッキーの差を手中納めている。
昨年のダービー馬ダノンデサイルも上位争い必至だ。
昨年の有馬記念では逃げて3着に惜敗。今春はAJC杯快勝後、ドバイシーマクラシックではジャパンカップを勝つカランダカンを退けた。前走ジャパンカップではカランダカン、マスカレードボールに完敗も最後まで前を追って頑張った。実績ではこのメンバーでは上位の存在、父エピファネイアは2014年のこのレースを制しており父仔制覇もかかる。べリーべリーホースが復権を期す。
メイショウタバルが春秋のグランプリ制覇を目指す。
宝塚記念では稍重馬場を好時計で逃げ切り勝ち、今年8月に亡くなった松本好雄オーナーに久々のG1勝利を届けた。先週放送が終わった日曜劇場”ザ・ロイヤルファミリー”は「日高の馬で有馬記念を勝つ」という夢に向かうストーリー、この馬が”ロイヤルファミリー”なのだろうか?父ゴールドシップは2012年の有馬記念を制している。父の血を”継承”するのだろうか?軽視禁物である。
3歳代表ミュージアムマイルが世代交代を告げる。
レベルが高いと言われる現3歳代の皐月賞馬ミュージアムマイルが参戦してきた。前走天皇賞(秋)では超スローペースのなか勝ったマスカレードボールとワンツーを決めた。今回は2500mの距離克服が鍵となるが、小回りの中山コースならこなせる範囲だろう。鞍上クリスチャン・デムーロは先週の朝日杯フューチュリティステークスをカヴァレリッツォで制しており勢いがある。昨年シャフリヤールでハナ差負けのリベンジもかかる。
一昨年の春の天皇賞馬ジャスティンパレスは引退レースとなる。
2歳デビューから翌年のクラシック戦線を皆勤し、4歳時天皇賞(春)でG1初制覇を遂げた。以降勝利はないが全てG1レースを使われて上位争いを続けた。引退後は種牡馬入りが決まっており、足掛け5年の競走生活の最後を締めくくるレースとなる。
ディープインパクト産駒最後のG1ホースとして一糸報いることができるか?ディープ時代の終焉を告げるレースとなりそうだ。まずは無事に走ってほしい。
穴馬から1頭コスモキュランダをあげたい。
有馬記念では時々コース巧者が穴を開けることがある。2007年には中山巧者のマツリダゴッホが勝ち、過去にはマイネルブリッジやアメリカンボスが馬券にからみ高配当を演出した。今回はコスモキュランダが該当する。コスモキュランダは弥生賞を勝ち皐月賞2着馬で中山コースは8戦5連対と得意にしている。内枠を引くようなら立ち回りの上手さから上位食い込みがあっても驚けない。父アルアインは皐月賞馬でもある。
もう1頭注目したいのがミステリーウェイだ。
ジャスタウェイ産駒の7歳セン馬だが、今年6戦全て掲示板に載っており、重賞初挑戦となった前走アルゼンチン共和国杯では9番人気の低評価ながら2分30秒2の好タイムで逃げ切った。2500m戦は3戦2勝2着1回得意な距離だ。同型メイショウタバルとの兼ね合いが鍵となる。鞍上はデビュー5年目の松本大輝、有馬記念初騎乗となる。精一杯頑張ってほしい。自分で切り開いた舞台である。
今年の有馬記念はドラマの影響もあり。例年より大いに盛り上がっている。ファン、調教師、騎手、生産者、馬主、そしていろんな関係者の想いを載せてゲートが開く。素晴らしいレース、ドラマを期待したい。