最近、TPPやAIIBに関する議論がなされる中で、世界経済のブロック経済化という議論がよくなされますが、個人的には、「まあ、そういう状況にはならないだろうなぁ」と考えていますので、その根拠についていくつか説明します。
とは言っても、今現在の状況の延長的な議論においては、そのような状況にはならないという意味であり、今後経済状況や各国の経済政策、貿易政策に関してドラスティックな政策方針の転換がなされた場合においてはその限りではありません。が、しかし、現在中国やアメリカといった一部の国家を除いては、民主主義と自由市場経済というものを(少なくとも建前としては)金科玉条として掲げていて、そのような大きな政策方針が掲げられている限りにおいては、そうそう政策の転換もなされることはないでしょう。
この問題について論じる上で、まず第一に説明しておかなければならないのは、戦前のブロック経済化というものは、自由経済化、貿易自由化をベースにした考え方ではなく、言うまでもなく保護貿易の議論、特に国内の生産者、労働者を保護するために海外からの安価な輸入品をブロックするために行われました。
とは、言っても当時の先進国は植民地からの安価な資源の輸入を必要としていたために、一国単位での貿易保護化ではなく、ブロック経済というカタチで自国と自国の植民地となった国家を囲い込むカタチで閉鎖的な貿易圏、経済圏を確保しました。
つまり、現在の議論とは逆に、戦前のブロック経済化は、ブロック経済内の自由なモノやサービスの移動の自由化ではなく、むしろ、ブロック外からの経済の侵入をブロックすることを主目的としていたのです。もっと単純かつ具体的に言えば、ブロック内の関税を引き下げて、ブロック外の貿易の関税を引き上げたのです。
しかし、一方現在の貿易協定の議論は、ほぼ一貫して貿易の自由化であり、戦前のブロック経済のようなブロック外の関税の引き上げという議論は全くなされていません。TPPの議論ではよく「バスに乗り遅れるな!!」というワードが多用されましたが、現実にはTPPに入らなかったからと言って、別にTPPの経済圏からブロックされるということは全く無いんですね。そもそも、現在の状況においては、WTOの自由貿易原則が存在するので、「TPPに入らなかったら日本を貿易圏から排除するぞ!!」なんて脅しを掛けることすら不可能なわけです。「TPPに入らなければバスに乗り遅れて、日本が世界の孤児になるううううう!!」杞憂というか、単なる妄想なわけです。
さらに言うと、現在のように経済がグローバル化され、政治家や経済人の脳みそがグローバル志向になってしまっている現在のような状況においては、常に海外の経済が好調な国家との経済的アクセスを確保しようとします。そうなれば、ほとんどの場合、どの国も思い切った保護貿易政策や経済のブロック化、自閉下経済圏の確保といった政策は取りづらい状況にあります。「TPPもエフタープもASEAN+6も東アジア共同体構想もAIIBも・・・」とやっている日本の立場を考えればよく分かるのではないかと思いますが、常に海外市場へのアクセスの確保に努めている状況では、本来の意味におけるブロック経済化は行われないでしょう。
なので、繰り返しになりますが、「○○に入らなければバスに乗り遅れるううう!!」なんて議論は、基本的に現在のような状況においては全くナンセンスであると考えるべきです。以上の議論を踏まえるなら、基本的に各種の貿易協定や、何らかの経済的な交渉は、現在のような状況においては、煽動的な議論を無視して、しっかりとメリットとデメリットを慎重に議論し吟味した上で漸進的に進められるべきでしょう。
↓応援よろしくお願いします(σ≧∀≦)σイェァ・・・・・----☆★

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とは言っても、今現在の状況の延長的な議論においては、そのような状況にはならないという意味であり、今後経済状況や各国の経済政策、貿易政策に関してドラスティックな政策方針の転換がなされた場合においてはその限りではありません。が、しかし、現在中国やアメリカといった一部の国家を除いては、民主主義と自由市場経済というものを(少なくとも建前としては)金科玉条として掲げていて、そのような大きな政策方針が掲げられている限りにおいては、そうそう政策の転換もなされることはないでしょう。
この問題について論じる上で、まず第一に説明しておかなければならないのは、戦前のブロック経済化というものは、自由経済化、貿易自由化をベースにした考え方ではなく、言うまでもなく保護貿易の議論、特に国内の生産者、労働者を保護するために海外からの安価な輸入品をブロックするために行われました。
とは、言っても当時の先進国は植民地からの安価な資源の輸入を必要としていたために、一国単位での貿易保護化ではなく、ブロック経済というカタチで自国と自国の植民地となった国家を囲い込むカタチで閉鎖的な貿易圏、経済圏を確保しました。
つまり、現在の議論とは逆に、戦前のブロック経済化は、ブロック経済内の自由なモノやサービスの移動の自由化ではなく、むしろ、ブロック外からの経済の侵入をブロックすることを主目的としていたのです。もっと単純かつ具体的に言えば、ブロック内の関税を引き下げて、ブロック外の貿易の関税を引き上げたのです。
しかし、一方現在の貿易協定の議論は、ほぼ一貫して貿易の自由化であり、戦前のブロック経済のようなブロック外の関税の引き上げという議論は全くなされていません。TPPの議論ではよく「バスに乗り遅れるな!!」というワードが多用されましたが、現実にはTPPに入らなかったからと言って、別にTPPの経済圏からブロックされるということは全く無いんですね。そもそも、現在の状況においては、WTOの自由貿易原則が存在するので、「TPPに入らなかったら日本を貿易圏から排除するぞ!!」なんて脅しを掛けることすら不可能なわけです。「TPPに入らなければバスに乗り遅れて、日本が世界の孤児になるううううう!!」杞憂というか、単なる妄想なわけです。
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なので、繰り返しになりますが、「○○に入らなければバスに乗り遅れるううう!!」なんて議論は、基本的に現在のような状況においては全くナンセンスであると考えるべきです。以上の議論を踏まえるなら、基本的に各種の貿易協定や、何らかの経済的な交渉は、現在のような状況においては、煽動的な議論を無視して、しっかりとメリットとデメリットを慎重に議論し吟味した上で漸進的に進められるべきでしょう。
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