驚天動地とはまさにこのこと。日本企業に対して元徴用工韓国人への損害賠償を命じる判決を、昨日、韓国の最高裁判所が下しました。昭和40年(1965年)の日韓国交正常化で、「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認」(『日韓請求権協定』)した両国および国民間の請求権の所在を、同判決は根底から覆しました。これは日韓国交正常化交渉の大前提を韓国の司法が完全に踏みにじったことを意味します。


2015年12月28日の『「慰安婦」問題日韓合意』でも「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と表明したにもかかわらず、文在寅政権に代わるや、「合意は真の解決にはならない」と、問題をぶり返しました。


『日韓合意』当時に内閣総理大臣補佐官を務めていた私は、直後の新年早々、ワシントンD.C.へ赴き、米国の政府、連邦議会、シンクタンク・有識者、メディアらに『日韓合意』の内容を説明し、理解と協力を求めて回りました。『合意』を政治決断した安倍総理大臣に対して日本国内で批判が起きていることを紹介したうえで、「すべての関係者は合意の精神を大切に育んでいくことが極めて重要」と、『ワシントン・ポスト紙』の取材に答えました。https://www.washingtonpost.com/politics/agreement-on-comfort-women-offers-ancillary-benefit-to-us-in-asia-pacific/2016/01/09/41a03d84-b54c-11e5-a842-0feb51d1d124_story.html


国と国との付き合いは、互いに交わした約束の遵守から始まります。『「慰安婦」問題合意』を破棄しようとする行政府ばかりか、今回は司法の最高権威までもが他国との『協定』を覆す国家を、これから先いったいどうやって信じろというのでしょうか。相次ぐ国際約束破棄に伴い今後発生するであろう政治・経済・外交・軍事における代償は、当然すべて韓国が払うべきです。