前回のブログでは三月の第四次出張を報告しましたが、その後、第五次(4月8日~11日)、第六次(5月19日~21日)、第七次(6月9日~11日)と毎月ワシントンDCに赴きました。主な会談相手は次の通りです。

 【ホワイトハウス】サリバン副大統領安全保障担当補佐官、メデイロス国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長、レイモンド・グリーンNSC日本部長

 【国務省】ラッセル国務次官補、ズムワルト国務次官補代理 

 【国防総省】マグサメン国防次官補代行

 【連邦議会】マケイン上院議員、ウィッカー上院軍事委航空陸上小委員長、マキオン下院軍事委員長、フォーブス下院軍事委海軍力小委員長、ローラバッカ下院外交委欧州・ユーラシア・新脅威小委員長、ロジャース下院軍事委戦略・戦力小委員長、ウィットマン下院軍事委即応小委員長、バートン下院前エネルギ・商業委員長ほか6名

 【有識者】アーミテージ元国務副長官、マイケル・グリーン元NSCアジア上級部長、パターソン元NSCアジア上級部長、ベイダー元NSC東アジア上級部長キャンベル前国務次官補、ローレス元国防次官補、リビー元副大統領首席補佐官、ブレア元国家情報長官ら。

 さらに、戦略国際問題研究所(CSIS)と新アメリカ安全保障センタ(CNAS)が主催した公開イベントや円卓会議で講演を行いました。

 三回の出張を通じ、米側が党派を超えて明確に私に示した認識は次の三点です「頼れる」日本と安倍政権への期待の高まり、②集団的自衛権容認の閣議決定はできる限り早期が望ましい、③日米防衛協力(ガイドライン)の指針再改定は今年末までに完了するべき。

 印象的だったのは、オバマ大統領に日常的に接する立場のメデイロスNSCアジア上級部長が五月の会談時に「年末までのガイドラインの見直しに遅延が生じれば、様々な疑念を惹起し、損失が大きいことから、集団的自衛権容認に向けた安倍総理の取り組みを強く支持する」と述べたことです。

 また、アーミテージ氏は「6月22日までの国会会期末までの閣議決定を目指す安倍総理の取り組みを100%支持する」、マイケル・グリーン氏は「安倍総理が通常国会会期中に集団的自衛権をめぐる憲法解釈に関する閣議決定をめざして努力されていることは重要」とそれぞれ語りました。さらに、日米同盟強化を進める安倍総理の取り組みを応援して欲しいと相談したところ、キャンベル氏は、「6月1日から東京を訪問する際に、マイケル・グリーン氏と共に与党幹部に面会し、直接総理の取り組みを支持する旨を表明しても構わない」と応えてくれました。

 六月にメデイロスNSCアジア上級部長と再会談した際、私から「①集団的自衛権のあり方はできる限り幅広く、②急速な進歩を遂げる中国の弾道ミサイル技術、ステルス巡航ミサイル技術、人工衛星破壊技術に日米が共同対処するするためには集団的自衛権の容認はいますぐに行われることが望ましい、③集団的自衛権が行使できるようになれば、米海軍第七艦隊と海上自衛隊の作戦行動が一体化し、切れ目なく、より堅固に地域の安全を守られる」と問題提起をしたところ、「挙げられた三点は、いずれも当を得たものである。年末までのガイドライン改定実現を促進するべく、集団的自衛権の行使容認に向けて進められている安倍政権の取り組みを完全に支持する」と述べました。

 関係者からは、統合された同盟の重要性、具体的にはイージス艦、F35戦闘機、早期警戒機等の統合性が重要になることや、前週に国防総省から議会に提出された2014年版『中国の軍事・安全保障の課題』に記された中国の脅威について多くの言及がありました。

 会期末、与党協議は大詰めを迎えます。「集団的自衛権の行使容認は、今後十年間の日米同盟の枠組みを決める重要なものなので、永田町の論理によってではなく、戦略的な観点からの決定がなされることを希望する」(マイケル・グリーン氏)結果が出ることを心から期待しています。