今年は日本の政治が大きく動く一年になるでしょう、いや、大きく動かさなくてはなりません。
与野党ともに国民の期待に応えられないまま、政権交代から二年半が過ぎようとしていますが、国政の混乱と迷走は一層ひどくなるばかりです。
何も決められない、一歩も前に進められない政治の現状に対して、「もうウンザリだ」、「いいかげんにしろ!」と、地元を歩いて聞く声は爆発寸前です。
本来なら、内政・外交両面での民主党政権の失態につぐ失態の連続ですので、次は自民党政権に戻ってという旋風が巻き起こっていなければならないのですが、まったく逆。「選挙があってもどの党に入れたらええかわからん」、という声が私の耳には多く聞こえてきます。
なぜ、自民党は国民の期待を集められないのでしょうか。理由は二つあると私は考えます。①おととしの総選挙の検証ができていない。旧態依然とした自ら変われない古い自民党がいまなお国民の前にある。②明確な政策を打ち出せない。たとえば、消費税の増税問題。これだけ重要な政策課題なのに、全党の議論がない。
ここで、消費税増税についての私の考えを申し述べます。私は、民主党政権が突如言い出した消費税の増税には反対です。なぜか。それは、彼らが前回の総選挙でやるといったことをやらないで、やらないといった消費税増税をやろうとしている、つまり有権者との約束破りだという理由だけではありません。一つは、経済がガタガタ、物価は下がる一方のいま、税金だけ上げるなんて、なんにも売れなくてなってしまい、国の活力を奪うことになるからです。もう一つの理由は、国の仕組みを根本から変えようとせず、いまの社会保障のあり方、いまの国と地方のあり方をそのままにして10%に上げても、数年後には15%、20%への増税が待っているだけです。消費税の増税をする前に、この国を根っこから変える絶好の機会を逸してはならないと私は考えます。
家でたとえれば、いまの日本は政治も経済も社会も老朽化してボロボロ、住むことができない悲惨な状態です。ところが、民主党野田内閣が言い出したのは、台所の水漏れだけをセメンダインを貼ってその場しのぎ、外から見えなくしようとすることです。いまこの国に必要なのは、根っこから国を変えること。つまり、新しい家を建て直すことだと私は信じています。ですから、台所の水漏れは新しい家の全体の設計図の中で決められるべきだと考えるのです。
ところが谷垣総裁らは、消費税増税法案を通すから解散をしてくれ、話し合い解散を示唆した。話し合い解散をして、いったい自民党は何を争点にするのか、全く理解できない。自民党と民主党とどっちが先に増税を言い出したかを競い合うとでも言うのですか。そもそも話し合い解散なんて、与党から提案してくることでしょ。自民党の与党っぷりには腰が抜けます。
明日から通常国会が始まります。私はまず、自民党内で消費税増税に反対する中堅・若手議員らで集まりを持ちます。日本の将来を真剣に考えるからこそ、いまは上げてはダメで、この国の抜本的な改革が先送りになるばかりです。
同時に、昨年夏に呼びかけ人の一人として超党派の政策集団を立ち上げました。「日本を根っこから変える保守の会」という政策集団で、自民、民主、みんなの党、国民新党、保守系無所属の仲間が集っています。共通の政策目標は、外交・安全保障を強い姿に変えることと、安易に増税に頼らないで経済成長と行財政改革を積極的にはかることです。現在、衆参両院で80人ほどの中堅若手議員が集まっているこの政策集団の事務局長として、党派を超えた議論と行動を大いにおこしていきたい。実は今日、「日本を根っこから変える保守の会」の政策提言集の出版を間に合わせました。どうぞご覧になってください。
さて、今年は総選挙があるのかどうか、わかりません。が、いつでも受けて立つ覚悟はできていますし、明日国会召集と同時に解散となってもいいぐらいの覚悟を抱いております。でも本当に野田さんは解散できるんでしょうか。だって、自分が総理大臣を辞めるために解散する総理なんているんでしょうか。
さて、お正月に中国新聞に掲載された共同通信世論調査を読んで私は驚きました。政界再編成を望む割合が71%。うち、自民党支持層では74%、公明党支持層では81%に上っていました。皆さん、国民のために政党があるのであって、政党のために国民があるのではないと私は確信しています。この数字は、いまの政治に国民は期待していないということ。されど、政治は一人では行えない。同じ志を抱いた仲間ととともに、この一年、走りつづけます。今年の私の目標は、新しいポスターにあるように「日本を建て直す」です。おもしろい年になりますよ。一年を通じてのご指導をよろしくお願いします。そして、もし解散・総選挙があれば、私と一緒に戦ってください。河井克行がどうなるかといった小さい話ではなく、日本が沈むか、浮かび上がるか、大事な年になります。