おはようございます
夜外に出ると、完全に冬ですね
京都の冬は寒いなぁ。
昨日は夕方に5時間ポッカリと、1人で、しかも外で時間をつぶさなきゃいけない状況になりました。
こういうとき、みなさんならどうしますか??
勉強道具を持っていればよかったのですが、手ぶらだったので・・・
とりあえず本屋さんに入って文庫本コーナーを物色して、面白そうな本に出合えました。
- 錦繍 (新潮文庫)/宮本 輝
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宮本輝の錦繍
鹿賀丈史さん主演で、舞台化もされているそうなんです。
ちょっと変わったタイプの小説で、10年前にいろいろあって離婚した夫婦が10年ぶりに再会し(といってもすれ違っただけなんだけど)そこからの手紙のやりとりだけを綴っていくという物語なんです。
序盤はお互いに過去を悔やんでいた男女が、徐々にそれぞれの新しい生活に生きがいを見出していき、それにしたがって過去の相手を許し、自分自身の人生を受け入れていくという奥深いストーリーでした
けっこうオススメですよ。
そして、問題はそれをどこで読むかということでした。
50円引きしてくれるマイボトルを持っていないのにスタバにいくのはちょっともったいない気がして・・・
小さい男だなってお思いでしょうが、まぁ仕事してないんで勘弁してください(笑)
そして思いついたのは、前々から気になっていた駅前の小さなJAZZ喫茶
もちろん、ジャズは一切分かりません
でもちょっと勉強とか読書をしているときに最近BGMとしては、クラシックとかジャズといった歌詞のないものの方がはるかに集中できることに気付き(遅)、興味はあったんですが、知識が皆無なので何から聴いていいかわからない。
という理由で入門編みたいになればと思っていたわけです。
店内はカウンター8席程度のこじんまりとした装いでしたが、壁には大量のジャズのレコードが並べられていて、すごく立派なオーディオ機器があって、夫婦で経営されていたんですがお2人とも人柄のよさそうな人だったので、とても気に入りました
しかも、コーヒーが美味しい
あまりにも美味しかったので、お変わり自由のミスタードーナツでもないのにもう一杯と頼んでしまいました。
が、平和な時間に思わぬ落とし穴。
ちょっと変わったオジサンがいて、変わった注文の仕方はするわ、ケータイでどっかの業者にブチ切れてるわ・・・せっかくの店のいい雰囲気が~
と思っている矢先・・・
「お前・・・何見とんねん」
あっ…コレは確実に僕だな
「さっきからいちいち見やがって!俺が注文したときも見てたやろ失礼なんじゃ」
確かに、変なオッサンやなと思ってついつい見てしまったかも・・・
ここでグダグダ言ってもしかたないなと思い
「あぁ・・・すいませんでした。」
と、とりあえず謝っておきました。
これでよかったんだよなぁすごく腹が立つけど、まぁもう一回絡んできたら、違う手段を考えよう。
と、泣き寝入り・・・オッサンはそのまま帰っていきました。
あぁぁ煮え切らないと思いながら、読書に戻りました。
それからしばらくして、人のよさそうなおばちゃんが入ってきて、僕の隣に座りました。
さっきのことがあったので、他のお客さんと目を合わせないでおこう・・・と、思ってひたすら本に目をやる僕にでしたが、しばらくして店のマスターが
「兄ちゃん、これ食べ。隣のおばちゃんからや」
奈良土産というお饅頭をもらいました
おばちゃんに丁寧にお礼を言うと、すごく喜んでくれて、店がすごくいい雰囲気になりました
マスターが
「兄ちゃん!今日はオッサンに怒鳴られたり、旨いもんもろたり忙しいなぁ」
さらには新しく店に入ってきた、常連らしきお兄さんが
「ほんまかぁ、そりゃ災難やなぁ」
と、いつの間にか夜の時間帯にさしかかってジャズ喫茶から、ジャズバーの雰囲気になっていた店に一体感が生まれました
ホントは思いっきり反論したかった気持ちを抑えて、背伸びして大人の対応をしてよかったです。
本を読破し、マスターやおばちゃんにお礼を言って店を出ました。
災難があったおかげで、たぶん顔覚えてもらっただろうし、これをキッカケでジャズデビューしようかな