ちょっといい話の回覧板 | 浪花のコーチング税理士☆食べ歩き編

ちょっといい話の回覧板

 

【「智」があるかどうか】

致知出版社」BOOKメルマガ」より


山高きが故に貴からず。
樹有るを以て貴しとす。

人肥たるが故に貴からず。
智有るを以て貴しとす。



(現代語訳)

山は高いからといって
価値があるわけではありません。
そこに樹があるから価値があるのです。

人は恰幅がいいからといって
尊敬されるわけではありません。
智があるから尊敬されるのです。


【解説】

『実語教』で一番有名な言葉が冒頭に出てきます。
山が貴いのは高いからではなくて
樹があるからだ、といっています。

確かに荒涼として何もない山は人の役には立
ちづらいし、見た目も悪いかもしれません。

私は静岡県生まれなので富士山は
毎日見ていました。

富士山は日本一高い山ですけれど、
ただ高いだけの岩山ではありません。

五合目から麓にかけて
豊かな木々が茂っています。

それが富士山の神々しさを
より一層感じさせてくれます。

これは人間にも当てはまります。

人が貴いのは太って
恰幅がいいからではなくて、
智があるからだ、というのです。

太って恰幅がいいというのは富貴の象徴で、
それを重んじる人が多かったのですが、
大事なのは智恵があるかどうかというのです。

近年、見た目を重視する〝ルッキズム?が
問題になっています。

これは容姿によって人間を査定しようとする
考え方です。

しかし、『実語教』は、
人間の価値とは見た目の良さにあるのではなくて、
「智」があるからこそ人間は貴いというのです。

では、「智」とはなんでしょうか。
それは単純に「頭がいい」
ということではありません。

知識はもちろん大事ですけれど、
この「智」とは、人間が生きていくうえで
身につけている総合的な判断力のようなものを
指しています。

あるいは、その根底にある優しさというものを
含めてもいいでしょう。

そういう「智」を身につけている人は、
決して他人に対してマイナスになることをしません。

頭が良く見えても、SNSなどで罵詈雑言を
吐いて他人を傷つけるような人もいます。

そういう人を見ると、
「智」とは心の優しさと知性が
結びついたところにあるのではないかと思います。

よく「あのおばあさんは学問はないけれど、
生きる智恵があったね」というようなことをいいました。
「智」とはそういうものなのでしょう。

山は樹があるから貴いし、
人は智があるから尊いのです。

樹木が生えていると適度に伐採して整えて、
見た目を美しくすることができます。

ですから人も、まずは山に樹木があるように
智がしっかり根づいていることが大事なのです。

そのために昔の人は学問を積み重ね、
日々の生活の中で判断力を鍛えていったわけです。

この最初の四句は人生の指針になります。
この部分だけ繰り返し暗誦するだけでも
価値があります。

 

 

 

 


■朝早く送られてくる、友人のにしやんからのちょっといい話を回覧板にしてしまいました。次の人に回覧してあげてくださいね。

 

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