◇ ちょっといい話の回覧板
【満足人間になろう】
メルマガ「人の心に灯をともす」より
慶応大学医学部教授、坪田一男氏の心に響く言葉より…
レストランでメニューを選ぶとき、あなたはすぐに決められるほうだろうか。
それとも、なかなか決められないほうだろうか。
人生はもともと選択の連続だ。
朝、シャツを選ぶ、ランチのメニューを選ぶといったごく日常的な選択から、就職や結婚といったライフイベントにかかわる大きな選択まで、無数の選択をすべて自分で選びとっていかなければならない。
選ぶのが苦手な人は、生きているだけでヘトヘトになってしまうだろう。
人生とはドライブのようなもので、もしも運転中に右か、左かと迷っていたら、前へ進むことさえできない。
ハンドルをあやまれば、それこそ命とりだ。
建国以来、「選択の自由」を掲げてきた米国で幸福度の低い人が多いのも、社会が成熟するにしたがって選択肢が増え過ぎてしまい、迷い悩む人が増えてしまったせいかもしれない。
実際、米国の心理学者バリー・シュワルツ博士は、「選択肢が多すぎると、人は不幸せになる」という論文を発表している。
選択で苦しまないためのヒントとして、シュワルツ博士が提唱しているのが、「満足人間(サティスファイサー)」になろうということだ。
シュワルツ博士によれば、人には「最大化人間(マキシマイザー)」と、「満足人間(サティスファイサー)」の二種類がいる。
「最大化人間」は、自分にとって最高の選択を望むがゆえに、あれこれ迷ったり悩んだりして、なかなか選択できない。
ようやく一つを選択しても、「もっと他に良いモノがあったのでは」と考えてしまう。
そのため、いつまでたっても満足できないし、後悔することも多い。
幸せな結婚生活を送っていても「もし、別の人と結婚していたら」と、つい考えてしまうのがこのタイプだ。
それに比べ、「満足人間」は自分の価値観がしっかり定まっているので、ほとんど迷わない。
人の意見や情報に惑わされず、即決して我が道を行く。
たとえ選択が失敗に終わったとしても、「自分が選んだことだから」と、クヨクヨ後悔したりしない。
シュワルツ博士は、「満足人間」になるためには二つのことが大切だという。
まず、人生における選択に「絶対的な正解」などない、ということを理解すること。
次に、自分の価値基準をしっかり持つこと。
この二つさえクリアできれば、迷いや後悔に苦しむことなく、自分のした選択に満足できる。
つまり、ポジティブに生きていけるというわけだ。
もし、選択した後もモヤモヤした気分のままなら、それは選択を誤ったというより、自分の方向性が定まっていないだけかもしれない。
そんなときは、ちょっと立ち止まって、「本当はどこへ行きたいのか」と自分の心に聞いてみよう。
「自問」には、僕たちが思っている以上の威力があるので、ぜひ試してみて欲しい。
ただし、真剣に心から「自問」することだ。
人生には色々な道がある。
行きたい方向さえ決まっていれば、いつかは目的地にたどりつく。
人生のドライブはもっと楽しくなるだろう。
『ごきげんな人は10年長生きできる ポジティブ心理学入門』文藝春秋
■朝早く送られてくる、友人のにしやんからのちょっといい話を回覧板にしてしまいました。次の人に回覧してあげてくださいね。
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