韓国経済は奈落の底へ、ウォン安で外人投資家が見放す裏に絶望的な現実 | 勝又壽良の経済時評

韓国経済は奈落の底へ、ウォン安で外人投資家が見放す裏に絶望的な現実

 

 

 

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勝又ブログ原稿12月9日

 

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警戒すべきウォン安相場

北朝鮮の地政学的リスク

景気底這いの危険高まる

今年・来年は1.9%成長

 

韓国は、3回目の通貨危機(ウォン相場急落)に遭遇するのか。正確に予測はできないが、警戒すべき現象が表れている。外人投資家が、韓国株を売っているのだ。その売却資金を海外へ送金するのであろう。対ドルのウォン相場の「マジノ線」とされる、1ドル=1200ウォンへ接近している。

 

警戒すべきウォン安相場

為替相場は、一国経済の綜合評価である。ウォン相場急落は、韓国の将来に不安要素が高まっていることを暗示するもの。その意味で、ウォン相場が「マジノ線」である1200ウォンへ接近している現実は、警戒を要するものと見るべきだろう。12月6日の終値は、1ドル=1189.6ウォン。マジノ線の寸前に来ている。

 

韓国経済は、文在寅大統領が就任した2017年5月以来、明るい話は一つもない。「積弊一掃」で、朴槿惠政権の関係者を根こそぎ告発して、21名が自ら死を選ぶ過酷な「仕打ち」を行なった。一種の「革命政権」である。その文政権が行なった政策はすべて失敗という、革命政権にありがちな「前のめり」姿勢によって、大きく傷口を開けている。

 

経済政策で失敗したのは、大統領府秘書官が学生運動家上がりであったことだ。革命運動理論には詳しくても、専門知識がゼロの人たちによる「無免許運転」の暴走である。韓国与党にも、これを止める専門的知識のある人がいなかった。こういう「ダブル・ミス」が、最低賃金の大幅引上げという前代未聞のことをやったのである。2年間で約29%の賃上げに耐えられるような、個人業者や零細・中小企業が存在するはずもない。

 

多くの自営業者や零細・中小企業が、従業員を解雇して「最賃引き上げ違反」という名の下で告発されるリスクを回避した。最賃の大幅引上げが、失業者を増やす。こういう、最低賃金法の趣旨から完全にはずれた事態を招いている。韓国では雇用に占める自営業の比率が、25%にも達している。この雇用構造が、最賃法によって破壊されたのだ。

 

失業する必要性のなかった人たちが、文政権の登場によって失業者の群に追い込まれた。これほど、不条理なことがあるだろうか。政治が、意図的に失業者を増やしたのだ。経済政策のイロハを知らない素人集団が行なった、「生兵法」であることは明らかだ。次期政権が、保守党になれば必ず告発して、事態の経緯を解明すること。そうすれば、労組との癒着構造が明らかにされるだろう。必ず、この告発をやらなければ、進歩派の「積弊一掃」にならないのだ。

 

文政権は、高い失業率を隠すために統計庁トップを更迭する非常識なことまでやっている。経済統計では、「季節調整値」が発表されて、「前期」との比較がされる。この常識を覆し、原数値を元に「前年同期比」に変えてしまった。この結果、毎月の失業率が前月との増減比較ができなくなっている。韓国メディも、この非常識な発表変更に異議も出さす、唯々諾々として記事にしているから驚く。メディアに専門知識のある記者がいないのだろう。

 

こういう「手口」は、大統領府の秘書官が「革命理論」に長けていても、現実の政策運営では全くの「素人」であることを証明している。最大の被害者は、韓国国民である。それでも、文大統領の支持率は40%台を維持している。財閥企業の労働者とその家族、市民団体の関係者が、自己に不利益が及ばないことで文大統領を支持しているのだ。文政権は、「韓国滅亡」のリスクを抱える政権である。そのことが、理解できないのであろう。

 

北朝鮮の地政学的リスク

地政学的なリスクも、韓国経済を襲い始めている。北朝鮮が、今年12月末までに米国に対して経済制裁の解除を要求しているからだ。米国の基本的な立場は、北朝鮮の核放棄の後に経済制裁を解除する、というもの。北朝鮮はこれを不服として瀬戸際政策を始めている。