恋花模様【メロキュンプレゼンツ!! 《ハッピー♡プレゼント!!》】 | 月と蝶 アメバ出張所

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スキビ大好き人間(ファン)による二次創作ブログです。
原作・出版社様とは全く関係はありません。

月華でございます。
この度、月華はとある企画に参加させて頂いております。

【メロキュンプレゼンツ!!
《ハッピー♡プレゼント!!》】
風月様、ピコ様、sei様の立案による大イベントです。

詳しくは下記のイベント会場にて。
風月のスキビだより*風月様:http://s.ameblo.jp/wind615-song/entry-11749429897.html
Bubble Shower*ピコ様: http://ameblo.jp/picopico5/entry-11749474172.html
リク魔人の妄想宝物庫*sei様:http://ameblo.jp/sk56-crpa23-46vv/entry-11749086875.html


その壮大な企画の片隅にこっそりお邪魔させて頂いております。


恋の初心者、二名様、ご案内でぇす。


かなりあり得ない設定。

口直しはイベント会場にたくさん素敵作品あるのでそちらで。


では、では、どぞ。



【メロキュンプレゼンツ!!
《ハッピー♡プレゼント!!》】

『恋花模様』



届くバラはいつも違う。
名前もちろん、
色も形も大きさも花びらの枚数もそれぞれ違う。

人の名前がついたバラもあって、キョーコっていうバラがないか探したけど見つからなかったとか……無茶な事を言わないで下さい。

でも、こんなにたくさんの種類があったなんて。

敦賀さん本人が届けてくれたり、社さんが届けに来てくれたりもする。
ロケで長期不在の時はお花屋さんが届けに来てくれる。

月がきれいな満月に届いたバラは『月光』というバラだった。
黄色と白が入り混じった花弁がとてもキレイだった。

バラエティ番組で、ボケちゃった私。
それが放映された日の翌日には白いバラが届いて、メッセージカードに君の全てがかわいらしい。そのままの君でいてね。って書いてあった。
下ネタなんて知りませんよ!もう!!
恥ずかしい思いは一度で十分ですっ!

アークエンジェルというバラはピンクに緋色の混じったバラだった。
熾天使セラフィムの纏う衣はこんな色なのかしら?

コンテデュシャンパーニュというバラは花束でもらった。
開花するにつれ、色がシャンパンオレンジから白に近い色に変化していくバラで頂いた花束はその過程が見とれるように開花具合が違うバラでまとめられていた。

ある時は黄色い大輪のバラ……意味は嫉妬とかやきもちとか。
ドラマの中での私のキスシーンを見たからだって言ってた。
「すごく良かった。でも……くやしかった。なんで俺じゃないんだろう。相手役。」
なんて拗ねてる敦賀さんをかわいいと思ったの。
キスなんてフリだけだったのにね。

「今日はピンクのバラですよ。毎日こんなバラを届けるなんて、素敵な彼氏ですね。」
すっかり顔なじみになった花屋の店員さんにそんな事を言われた。
「何日か楽しんだら、プリザーブドフラワーにしませんか?貴重な品種もありますし、どうですか?」
散ってしまったり萎れたら花びらだけ摘んでポプリにしていたけれど、やっぱり枯れていく花を見るのはせつない。
色も形もそのまま残せるなら、お願いするのが一番よね。
それからは定期的にお花屋さんか花を預かりに来てくれて、暫くするときれいなアレンジメントになって帰って来る。
リースになっていたり、ブーケになっていたり、カゴ盛りになっていたりして、透明なケースにきれいに収まっている。

それを眺めて私はあなたを思う。



年の瀬の大イベントを控え、私達はとあるホテルにいた。
モー子さんも天宮さんもとってもキレイ。
そんな二人に見とれていた私に爆弾が投下された。

「今日は旦那からどんな花貰ったの?」
「ななななななななななーーーーっ!?」
「京子さん。それは随分変わった名前の薔薇ですね。」
「だだだだだだだだだぁ?」
「よくもまぁ、続くわよね。だの君からのプレゼント。」
「あら、奏江さんもほしいの?」
「いらないわよ。だいたいそんな事してもらって嬉しいのはこの子くらいよ。ウザいわ。」
「そうですよね。下手すればストーカーですもん。」
「天宮さん、なんて事を!」
「スケジュールは完璧に把握。毎日バラの花は届く。毎日メッセージ。毎日電話。暇さえあれば会いにくる。待ち構えてる。……立派なストーカーよね?」
「モー子さんまでっ!」
「本人が待ってるんですから、いいんでしょうけど、見てるこっちはたまったもんじゃないわよね。」
「男ならガバッと行きなさいよ!とか思いますよ。」
「結構な額になってるはずよね。あの人にしてみたら、対した出費じゃなさそうだけど。」

……下さいって言ったのは私。
でも、毎日貰えるなんて思ってなかった。
だって、忙しい人なのよ。

コンコンとノックの音。
ドアスコープから覗くと敦賀さんだった。

「こんにちは。最上さん。」

今日は彼本人が届けに来た。

「中にどうぞ。」
「ありがとう。君だけじゃないよね。」

入り口は細い通路と壁で室内にいるモー子さん達の姿は見えない。

「モ…琴南さんと天宮さんが…。」
「良かった。少しだけお邪魔するよ。」

誰が来るか分からないし、中に入ってもらう。
楽屋代わりとらいえ、ホテルの一室。
敦賀さんはそれ以上入って来ようとはしない。

「今日はブルーローズにしたよ。」

青みがかったバラ。

「アプローズって言うんだ。花言葉は神の祝福だって。」

今日、私は大きな舞台に立つ事ができるかもしれないのだ。
敦賀さんと同じ舞台に。

「私もあるんですよ。ちょっと待っていて下さい。」

今日、式典の前に会えると思っていたから、私もバラをお願いしていた。
さっき届いたばかり。

ウンザリ顔のモー子さんとノートに何やら書き綴る天宮さんを横目に目的の物を手に取る。

淡い緑色のバラ。
小ぶりな花だけどコサージュにするには中ちょうどいい大きさ。

「お待たせしました。良かったら、これを式典の時に使って下さい。」

敦賀さんがどんな服を着るのかは、社さんにチェック済み。
きっと似合うはず。

「…あっ…ありがとう。」

少しだけ驚いて…とても嬉しそうに笑って受け取ってくれた。

「俺、バラの花言葉に大分詳しくなったんだ。」

お花屋さんのお姉さんに珍しい品種だしっオススメされたバラ。

緑色のバラの花言葉は天上にしかない貴い愛。

小さい花なのにスケールが大きいなって思ったの。

なのに敦賀さんの知っていた花言葉は私の余裕を宇宙の彼方まで蹴飛ばす威力を持っていた。

「緑色のバラの花言葉は、永遠の愛だよ。」
「っ!?」

部屋の奥からガタガタ派手な音がして「ちょっと、なにやってんのよっ!」「琴南さんが紅茶吹くからでしょ。ドレス汚れたらどうするの!?」「文句はあっちの二人に言って!」……とあちらもドタバタしているようだけど、構っている余裕は百万光年の彼方だ。

おっお姉さん!
聞いてませんよ!
そんな花言葉があるなんて!!

慌てふためく私をクスクスと笑いながら見つめてくる敦賀さん。

「今日はお互いいい結果を残せるといいね。」

敦賀さんは大丈夫ですよ。
あたなは実力No.1俳優なんですから。

今日は年末恒例の日本映画祭。
敦賀さんは当然だけど、私も映画の主演のお仕事を頂けて、高評価を得てノミネートされた。

「主演女優賞の発表です。」
「20XX年、主演女優賞は……」

落とされた照明。
その中をスポットライトが彷徨う。

「……京子さんです。」
「おめでとうございます!」
「ステージへどうぞぉ!」

初めての大きな舞台。
モー子さんも天宮さんもそれぞれ受賞していて、ステージの上から拍手を送ってくれている。

「おめでとう。」

先に主演男優賞を獲得していた敦賀さんが私の手を引いてステージにエスコートしてくれた。

そんな彼の胸には私が上げたコサージュ。
私の髪にはヘアメイクさんにお願いして付けてもらった敦賀さんがくれたブルーローズ。
花束から一本だけ抜き取ったのだ。

夢みたい。

「明日、二人でお祝いしよう。」

祝賀パーティの会場。
二人になったタイミングでそう囁かれた。

もうすぐ年が明ける。

後、一ヶ月半で運命の日が来る。



2月10日。

彼の誕生日。

今年の敦賀さんの誕生日。

彼を祝うためにたくさんの人が来て、高価なプレゼントを手渡していた。

私もプレゼントを用意していたけれど、恥ずかしくなって渡せずにいた。

それなのに……そんな私に気づいた彼は私に言ったのよ。

「プレゼントほしいな。君からのプレゼントなら、どんなものだって嬉しいよ。」

そんな風に言うから。

そんな風に笑って言うから。

笑って、幸せそうに受け取ってくれたから。



告白されてから、あと少しで一年。
私の覚悟は決まった。



12月14日バレンタインデー。

「あれ?今年は手作りじゃないの?」

チョコを渡した相手はやっぱ気まぐれロックのディレクターさん。
坊は引退したけれど、長くお世話になったので毎年差し上げている。
以前は起こられてばかりだったけど、奥様が私のチョコを食べられて、凄く気に入って下さったのをきっかけに、ご夫婦揃って交流させて頂いている。

奥様は私の坊が大好きだったんですって。

「はい。今年は銀座の専門店のチョコにしました。賞を取ったチョコなんだそうです。頂いて食べたら凄く美味しくて。バレンタインにはここのチョコにしようって決めてたんです。」
「そんなに美味しいんだ。」
「はい。この味はマネ出来ません!」
「君のチョコも美味かったよ。」
「ありがとうございます。」

今年は私が作ったチョコは一つだけ。

私が他の誰かに手作りチョコレートをあげるのが嫌だってあの人が言ったから。



「あら、ビーグルさん。」
「……キョーコ。それは俺の名前じゃない。」
「あら、そうだった?そんな事より、ちょうど良かったわ。はい、これ。」
「なんだ。これは。」
「チョコよ。見て分からないの?バカね。毎年せびる癖に。」
「………。」
「はい。じゃあ渡したから。」

微妙な顔をしている魔界人にチョコを押し付ける。

もう魔界人なんか怖くないの。

驚いたような…そんな魔界人の顔を横目にその場を後にした。



仕事で訪れたテレビ局、そこでの出会いは偶然か、意図的なものか。
どっちでもいいけれど。

「よう。」

声をかけられて振り向けば、元祖バカ男がいた。

「こんにちは。不破さん。ちょうど良かったです。こちらをどうぞ。」
「……。」
「チョコレートです。どうかお受け取り下さい。」
「なんの風の吹きまわしだ?」
「今までの感謝の気持ちかな?」
「………。」
「私ね、自分の気持ちに正直に生きることにしたのよ。そのきっかけをくれたのはあなただから。今までありがとう。」
「………。」

固まったまま動かないショータローの手にチョコの包みを乗せた。
渡してしまえば用はない。

「待てよっ!」

立ち去ろうとしたところを腕を掴まれて強く引かれ、引き寄せられた。

懲りないヤツ。

咄嗟にカバンに手を入れ、中にいれておいたものをヤツと私の顔の間に素早く割り込ませた。

「いてっ!」

本当にバカ?

もうその手は古いのよ。
少しは学習してるのよ、私も。
特にあんたのやりそうな事なんてお見通しなんだから。

「なんだよ。これ。どけろ!」
「いや。それ以上近付かれたらイヤだもの。」

私がカバンから取り出したのはバレンタイン限定の巨大プッ○ンプリンだ。

「好きでもない男相手にプライベートでキスを許す程、軽くはないのよ。」
「す…きでも…な…い。嘘だ!だってお前、俺の事っ!」
「前にも言ったわよ。もうあんたが知ってる私はもうどこにもいないって。あんたに恋をしていた私はもういないのよ。だから復讐だってもう意味がない。もっと早く気付けば良かったわ。」
「あいつかよ。あいつに惚れたって認めるのかよ!」
「認めるわよ?」
「じゃ、京都に戻るんだな?」
「あんたの実家になら、もう挨拶は済ませたわよ。あんたと私にあった事、全部話したから。」
「………。」

育てて頂いたにも不義理を働いた私。
てっきり追い出されるかと思ったのに温かく迎えてくれたショータローのご両親。
娘だと思ってるから…いつでも帰って来なさい…と言って頂けた時は涙がでた。
帰り際には女将さんが恋人が出来たら連れて来なさいなんて言われて、帰りは百円入れたら動くおもちゃみたいになって帰ったのを覚えてる。

「もう初恋は卒業。これからは家族としてよろしく、お兄ちゃん。」
「………。」
「これオマケね。好きでしょ。プッ○ンプリン。仕事頑張ってね。じゃ。」

ここはテレビ局の廊下。
呆然としている祥子さんがいた。
人目を気にするショータローの為に見張りでもしていたんだと思う。

後は頼んじゃおう。

仕事に行かなきゃいけないし。
早く仕事を終わらせて帰りたいの。

今日はバレンタインデーなんだもの。

私は意識もせずにスキップでその場を後にした。



敦賀さんをまた私の部屋にお招きした。

「……どうしたの?このバラ。」

びっくりした顔の敦賀さん。
リビングはたくさんの色彩で溢れている。
今までは全部寝室に隠しておいたのだけど。

「全部敦賀さんから頂いたバラをですよ。プリザーブドフラワーにして貰ったんです。」
「全部?取っていてくれたんだ。」
「お花屋さんにすすめられて。本当は教えて頂いて自分で…とも思ったのですが、時間が取れそうになくて。」
「………。」

引いたかな。
でも、捨てられないもの。
捨てるなんてでないもの。

やっぱり隠しておけば良かった。

「……あ、ありがとう。」

え?
失敗したと後悔で沈んでいた私。
顔を上げると大きな手で顔を覆う敦賀さんがいた。

指の隙間から見える敦賀さんの顔が赤い。

「すごく…嬉しい。」
「敦賀さん?」
「あんまり見ないで、俺、今、凄くかっこ悪いから。」

えっ…と…照れてる?
あっ…敦賀さんって恋愛初心者なんだったわ。
私とあまり変わらないって事よね。

私も敦賀さんもちゃんと恋愛した事ないんだもの。

……背伸びしなくてもいいって事よね?

一緒に恋愛していけるって事よね?

もしかすると私の方がちょっとだけリードしてるかも??

「えっと…これ、今日のバラだよ。」

今日のバラは紅色も鮮やかな大輪バラだった。

「花言葉は死ぬ程恋い焦がれています。」
「ありがとうございます。」

改めて聞くと恥ずかしい。

そういう事は恥ずかしげもなく言えちゃうのね。

染まる頬を意識しながらバラを受け取る。

「敦賀さん。あの私からも……。」

敦賀さんをダイニングに案内した。

食事は外で済ませて来た。

私が用意したのはデザート。
敦賀さんの為に用意したチョコレートのケーキだ。

「少し待っていて下さい。」

皿に盛り付けるだけ。
仕上げのデコレーション。

バラの花も添える。

ケーキを鮮やかに飾るのは帯紅のバラ。

「お待たせしました。」
「美味しそうだね。バラも綺麗だ。これ帯紅だよね?君の気持ち?受け取ってもいい?本気にするよ。」
「もちろんです。」



帯紅のバラの花言葉。



私を射止めて。






バラの花に思いを託して告げる私と彼の恋模様。












ども。
月華です。

間に合いました。

恋花時計の続きです。

間に合って良かった。