鯉党100人のうち99人が「またかよ森下」「もうええよオヌシもはよファームに行って野村先輩と投球フォーム固めからやり直しんさいや」そんな風に思ったかと(泣)。
1回表に売り出し中の先頭名原がセンター前ヒット、2番菊池先輩が初球送りバントを決め、3番ここぞの小園がタイムリー!と余りにも美しいカタチで先制して貰ったんでっせ。鬼門のナゴド、もといバンテリンで、しかも今季は難攻不落「私、失点しませんので」の大野先輩からの得点ですぞ。
今日こそは頼んだぜ森下よ!という鯉党の思いをあっさりと華麗なまでに予定調和で裏切ってみせる森下さん。1回裏に犠飛であっさり同点に追いつかれガックリの失望感、更にはそこで終わらずズルズルとそのまま2点目も失って逆転される例のパターン。もはや失望を通り越して怒りの気持ちが湧いてくる。今年の森下はこの繰り返し。味方が点を取った直後に吐き出す。大事な場面で踏ん張りきれない。
投球内容が悪くなくとも勝てない時なんて誰にだってあるのですが「エースならここでで抑えてくれや」って場面で悉くやられる。そりゃ仏の鯉党たちが彼に寄せる信頼だってもはや思いっきり削られっぱなしで既に残機足りなくなっとるわ。しかもこの日は栗林が離脱した直後、まさに「森下がチームの責任を背負わんといけん日」の筈。
まぁそんなこと素人のワシから言われんでも森下だって百も承知ですわな。それなのに初回からフラフラ。内野安打など不運も重なった細川の犠牲フライはまだしも、止血できずにそのままマスターのツーベースに石伊のタイムリーとかなりキツい展開ですわ。更に鵜飼にも一発食らって3失点。
でも、この試合の森下はそこからが少し違いましたわな。もちろん投球内容が劇的に改善した訳でもなく、デビュー初年度の時のように糸を引くストレートで相手打者を圧倒した訳でもない。ここ最近の森下のまま、苦しい顔したまま、それでも踏ん張った、踏み止まった。3失点して鯉党を奈落の底に突き落としてもそこからは追加点をやらなかった。
苦しいなりにボールを低目に集め始める。カットボールとスライダーを丁寧に使う。理想を追って相手をねじ伏せるのではなく、地道に丁寧に「試合を作っていく投球」に切り替えていく。もしかしたら今の森下にめちゃくちゃ大事なことだったのかもしれませんな。いつもなら変にエース感を出し真っすぐで押し切ろうと更に失点。じゃが今日の試合を壊したらホントに終わってしまう。そんな悲壮感と生活感に裏打ちされた、3回裏からの残り4イニング無失点ピッチング。
6回3失点のクオリティスタートを求めるようなレベルの投手じゃない。皆が「完封できる投手」として見ている投手、期待している投手それが森下。高い期待値に押しつぶされまいと「エースの意地」に拘って自滅するのではなく「なんとか耐え凌いでイニングを稼ぐ投手」のソレでしたわな。それでええんだと思いますよ。過去の自分の理想像を追いかけるよりも「色々なものを受け入れながら変わっていく」こと。まさに偉大な大投手たちがみんな通ってきた道でございます。
その踏ん張りに応える攻撃陣の粘り、泥臭く菊池先輩が必死のパッチで1塁ベース駆け抜け反撃を開始すれば、若い捕手には負けとられんぞとリトル石原が同点弾を放つ。そして森下がなんとか6回まで投げ切って「役目」を終えた直後の7回の逆転劇。正直、6回終わった時点でも「今日は惜しかったな」で終わる雰囲気だったかもしれません。バンテリンのあの空気。いつもの鯉打線は終盤の期待感もゼロ。中継ぎ陣も苦しい。どうせまた「追いついたけど最後にやられる布石なんじゃろ」。それでもそれを打ち破る。森下の何ふり構わない踏ん張り投球に応えて見せた攻撃陣。
ヒットの小園を1塁に置いて坂倉の右中間真っ二つのツーベース。打った瞬間に鯉党たちの腰が浮く。2塁を蹴り、3塁も蹴って歯を食いしばりながらダイヤモンドを駆け抜けていく小園海斗。豪快なホームランもええけれど、抜けていく打球と走者の疾走感に身体中を血が駆け巡り「行けぇ!走れぇ!」と声を上げ一気に集中力が増していくこの得点の取り方。
これこそがまさに鯉の野球。
今日は逆転されるお膳立てをする鯉じゃねぇぞの一打。9回には菊池先輩に代走辰見でスチール敢行でございます。おしゃあ!痺れまくりじゃないですかぃ。小園が三振に倒れても今度はモンテロがしぶとく弾き返すタイムリー内野安打で5点目。投手陣達も、満塁にしてもゼロで凌いた髙太一の投球や、三者三振で9回のマウンドに戻ってきた森浦。
そうですわな。うまくいかなければ「変わっていく」しかないのですし「誰かがいなくなれば」それを「誰かが埋めるのではなく全員でなんとかする」しかないのでございます。その最初の試合をちゃんと勝てたのは大きいのでございます(涙)。
裏切りかけた森下がなんとか耐えて、終盤に打線がひっくり返して、総力戦で逃げ切った。この「しぶとさ」はまさに「今年のカープらしくない戦い」ですがやはりこれが「鯉の野球」なのです(苦笑)。少なくとも2回裏が終了した時点には思わなかった。それでも勝った。そんな試合。
最後にお花畑在住の鯉党が相変わらずノーテンキなことを申し上げるのであれば、やはり森下は二刀流でこそ森下きゅんです(そこですかい!笑)。とはいえ、マルチヒットはほんとに久々に見た「明治打線の中軸のバッティング技術」でしたよね。大谷翔平も森下きゅんも、やっぱりこれが似合うのでござる、これでこそ彼らの能力が最大限に活きるでございます(笑)。
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