自分たちの手でつくる「理想工場」は夢のものづくりを実現する新世代シェア工房だ。 | B&Fab「本」と「ものづくり」と「珈琲」

B&Fab「本」と「ものづくり」と「珈琲」

本(Book)とモノづくり(Fabrication)を中心に、人が集まり会話が生まれる憩いの場、そんな場所を作りたく、ただいま奮闘中!(または迷走中)


「理想とは?」

人が心に描き求め続ける、それ以上望むところのない完全なもの。そうあってほしいと思う最高の状態《goo辞書より》


"理想"それはお金では買えない価値のあるもの。

お金で買えるのならマスターカード買えばすむ話だ……。


「理想工場」を作るプロジェクト、それはある日突然立ち上がった。
きっかけはフェイスブックのタイムラインにフィードされた、ひとつの投稿だった。


だれか
自分のものづくりの部室とか工場とかMYスペースほしい人いませんか?
なななんと東京都内の山手線の新駅から徒歩圏内の超一等地の巨大空間!
自分の工具とか作品も置きっぱにできて、不要になった材料とか工具も共有できて、必要に応じて使うスペースを拡大させることもできて、自分がいないときは作品のショールームにもなってるような
朝でも夜中でも24時間出入りが自由で、毎日がものづくりのお祭りみたいな夢のメイカーファクトリー!?
しかもめちゃ安ーくできそう~~~
希望者が集まればスタートさしちゃいます\(^o^)/

申しわけないが、なんともユルい呼びかけだ。

こんなので人が反応するのだろうか……?


と思いきや、この投稿へたくさんのいいね!やコメントが付いて、直後に立ち上げた現地内覧会イベントは、あっという間に参加者でいっぱいになった。

やっぱり多いのだ。小さく作って大きく広げる「夢のものづくり」を目指す人、それに憧れる人たちが。


4月21日と26日の2日間、現地内覧会に参加表明した人がのべ70名を超えた。

「なにやらよくわからないが、とにかく面白そうだから行ってみよう」という軽めのノリの人から、「こういうのを探していたんだ!」という即入会希望の本気の人まで。

そしてその日から「理想工場」を創るプロジェクトは本格的に始まった。

第1回実現委員会


このプロジェクトの発起人で前述のユルい呼びかけをしたのは、知る人ぞ知る(知らない人はこの機会に知っておくことをオススメする)創造革命家の加藤太一(通称タイチ)さんだ。

普段はメーカーエンジニアの仮面を被って世間からの目を欺き、実際は奇抜な取り組みで人々を巻き込みながら、創造革命の火をつけまくっている。

言ってみれば謎の連続放火魔のような存在だ。


「古い空き家をDIYでリノベーションしてシェアハウスをつくろう!」という呼びかけで、本当にシェアハウス造ってしまい(海古家シェアハウス)家主として住んでいる。
それどころか、その活動に参加した人たちを住人として招き入れ、すでにシェアハウスは満室の状態だ。
放火魔、いや革命家として人々をその気にさせる能力は並ではない。

数年後には建築家になると公言している革命家タイチの真骨頂は、そのスピード感だ。
内覧会の1週間後には、理想工場の目玉である「メイカーズボックス」の試作に着手しすでに完成間近だ。
活動を推進する実現委員会もすでに2回開催し、それぞれの得意分野を活かした役割りをこなしはじめている。
典型的な悩むより先に行動するタイプだ

彼の取り組みに人が賛同する最大の理由は「それぞれの得意分野を活かす」ことを徹底しているからだ。

一見ユルそうで要求は結構シビアな革命家タイチの周囲に集まってくる人たちは、様々な経歴を持っている。
エンジニア、デザイナー、クリエイターといった「ものづくり」に関連した人たちだけではなく、メディア関係、料理家、ライター、不動産屋、学生、……。
それぞれの得意分野を活かして共創することで生まれてくるものは、これまでの常識を覆すようなものであることは間違いない。

そして、いままさに製作中である「メイカーズボックス」、理想工場の売りになる魔法の箱だ。
前回ブログにも書いたが、共有スペースの中に、自分だけの空間を作ることができる。自分専用の道具箱、作品展示のショーケース、販売のための屋台いろいろな形に変化する。


そんな未来の夢がたくさん詰まったメイカーズボックス、造り方にもこだわりがある。

メイカーの正社員として働くことをアルバイトとしている革命家のタイチは、とにかく自分たちの手で作ることを大切にしている。
そこには「自分の居場所を自分でつくる」という強い思いがあるからだ。

すでに構築された組織の中、誰かが作ったルールの上で何かをするのはラクだ。だけどそこには大事な何かが欠落している。
それに気づいている人は多い、そこから抜け出したい人もたくさんいる。
それでもできないのは、ひとりになるのが怖かったり、道しるべのない道を歩き続ける勇気がなかったり。

まわりを見渡してみると、そこには同じことに悩み、同じことを志す仲間がいる。目的やゴールが違っても、自分の場所や自分の道を自分でつくる仲間がいる。
そんな仲間が集まって「自分たちの居場所を自分たちでつくる」
そしてその中に「自分の居場所をつくる」

それを実現するのがメイカーズボックスのある理想工場なのだ。


いま理想工場の実現に向けて、多くの共感した仲間が集まりフルスロットルで動き出した。
これからさまざまな課題や大きな障壁にぶつかるだろうが、この動きはもう止まることはないだろう。

今年の秋には夢の「理想工場」がオープンし、自分たちの居場所の中で自分たちの道を歩き始た仲間たちの姿が、彼の眼にははっきりと見えているのだろう。

(了)

メイカーズボックスお披露目決定!!
5月27日(土)、28日(日) デザインフェスタvol.45
東京ビッグサイト ブースE368