「昔の名前はグルジアでした。薔薇革命からジョージアと英語名にしたが。。。」 | ウインのワクワク「LIFE」

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メールマガジン「宮崎正弘の国際情勢解題」 

令和六年(2024年)6月24日(月曜日)より

 

旧グルジアはソ連解体後、独立した。初代大統領は民族主義的で詩人のガムサフルーディアだったが暗殺され、ソ連外相だったシュワルナゼが二代目。アメリカが背後にあるとされた「薔薇革命」でアメリカ帰りのサアカシビルが三代目大統領となって、「ロシア何するものゾ」とアブハジア、南オセチア独立運動封殺の戦争を開始した。


ロシアの介入で軍事作戦は失敗し、プーチンの傀儡と言われる「アブハジア大統領」と『南オセチア大統領』がいてジョージア政府の統治が及ばない。

 日本外務省のジョージア分析によれば、「ロシアとは、アブハジア及び南オセチア問題、ジョージアのNATO加盟に向けた動き等を背景に緊張関係が続く中、2008年8月、ジョージア軍と南オセチア軍の軍事衝突にロシアが介入したことで、緊張は武力紛争に発展。EU等の仲介により停戦したものの、ロシアが南オセチア及びアブハジアの独立を一方的に承認するとジョージアはロシアとの外交関係を断絶した」

 ジョージアはEU加盟を申請し、また基本的に親西路線でNATO加盟も希求しているが、ウクライナ戦争を前に交渉は挫折している


 そうこうしているうちに2024年4月頃からジョージアでは「外国の代理人」騒動が持ち上がり、各地でデモ隊と警官隊が衝突した。ジョージア議会は5月14日に、最終的に可決した「外国の代理人」とは外国から資金提供を受ける団体を規制するもので、政権の意向に沿わないNGOなどの活動を制限するもの。
あきらかにアメリカの影響力排除を狙うものだが、抗議運動の背後にちらつくのが、獄中にあるサアカシビル元大統領の影だ。

ガリバシビリ首相は「われわれはウクライナの二の舞を演じない」と言明し、外国の代理人法を正当化した。民衆は「ロシア法」などと呼んで批判、首都トビリシの議会周辺では連日、抗議デモが行われたが尻すぼみとなった。

「資金の20%以上を外国から得ている団体」と「外国勢力の代理人」として登録を義務付けるのはどの国でも同じだろうが、ロシア大統領府が反対派や市民社会の弾圧強化に利用してきた法律に酷似しているため批判が強かった。しかしジョージア政府の狙いは薔薇革命のようなアメリカが背後にいる運動を排除し、2014年にウクライナのマイダン革命がそうだったように再びアメリカが設計するような政治とは距離を置くという声明なのである。 

モデルとなる法律は、ロシアで施行されており、アクーニンのように多くのロシアの反体制派作家は外国へでた。
またロシアでは、独立系のメディアが抑え込まれ、英字紙でリベラルな『モスクワタイムズ』も「外国の代理人」よばわりされている