第三次世界大戦はもう始まっている ❹ エマニュエル・トッド著(2022年発行) | ウインのワクワク「LIFE」

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気にかかった文章】

 

1 第三次世界大戦はもう始まっている

戦争で間違いを犯しても、大きな島国のような存在で、脅威となる隣国も無く、世界一の軍事大国でもあるアメリカ自身は侵攻されるリスクがないからです。どんな失敗をしても、生き延びられてしまうのです。だから間違いを繰り返すのです。

 

核の保有は~パワーゲームの埒外にみずからを置くことを可能にするのです。

 

日本の核保有は、鎖国によって「孤立・自律状態」にあった江戸時代に回帰するようなものです。その後の日本が攻撃的になったのは「孤立・自律状態」から抜け出し、欧米諸国を模倣して同盟関係や植民地獲得競争に参加したからです。

 

ウクライナ危機は、歴史的意味をもっています。~本来「通常戦」に歯止めをかける「核」であるはずなのに、むしろ「核」を保有することで「通常戦」が可能になる、という新たな事態が生じたのです。これを受けて、中国が同じような行動に出ないとも限りません。

 

「核共有(核シェアリング)」という概念は完全にナンセンスです。「核の傘」も幻想です。

 

国連総会での対ロシア決議やG20での議論を見ても、世界の大半の国は、むしろロシアの勝利を望んでいるようにも見えます。彼らは「西洋の傲慢さ」にうんざりしているのです。

 

台頭する中国と均衡をとるためには、日本はロシアを必要とする、という地政学的条件に変わりはありません。

 

感情的にならざるを得ない状況の中でも、決して見失ってはならないのは、「長期的に見て国益はどこにあるか」です。