ナショナリズムの美徳 Part5 ヨラム・ハゾニー著(2021年発行) | ウインのワクワク「LIFE」

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            琴線に触れるものを探して

 

 

気にかかった文章】

 

第2部 国民国家とは何か

 

第8章 政治哲学の2つのタイプ

国家よりも前に発生した部族や氏族、および帝国の秩序よりも、独立した「国民国家の秩序のほうが優れていることについて論じる。

 

 

第9章 政治秩序の基礎

政治学とは、人が必要とする、あるいは望ましいと考える目標をほかの人たちが達成しようとして行動するように、他人に影響を与える技術や学問のことである。

 

第2に、報酬やその他利点を提供された場合に加わる。~第2の理由で加わった場合は、最も脆弱な組織が出来上がる。金銭と引き換えに、ある種の困難な課題や取り組みに加わる人々は~より良い報酬とより少ないリスクを伴う別の大義に鞍替えすることを望んでいる。

 

強力な組織は、組織の利益や目的を個人が自分のものとして認識しているときに確立される。

 

集団の目的を個人が自分のものとして認識するという能力~この能力が中心に存在しなければ、人間の組織がいかに強力に構築されているのか、説得力のある説明はできない。

 

妻や子どもたち、両親、兄弟姉妹に対する愛情、また、彼らが危険にさらされているときに守ろうとする愛情は、自らの統合性を守りたいという衝動を別の名称で示したものにほかならない。なぜなら、この愛する人たちは、彼自身の意識に関する限り、彼の自己の範疇に含まれており、彼らをあたかも自分の一部であるかのように経験するからだ。

 

個人が自己の範囲内に特定の他者を含めるとき、わたしたちはこの愛着を忠誠と呼ぶ。

 

氏族の別の者が敵対する氏族に傷つけられたり、恥をかかされたりすると、幼い子供でもその傷や恥を感じるようになる。このようにして、子供の自己は拡張し、氏族全体とそのすべての構成員にまで、会ったことのない人までも受け入れるようになる。