”愛国教育を強化し中国共産党の正統性浸透香港” | ウインのワクワク「LIFE」

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記事より】

2020年の香港国家安全維持法(国安法)の施行後、国の安全を大義名分化し、選挙から民主派が排除され、民主派メディアも廃刊や閉鎖に追い込まれた。さらには学校教育では愛国教育が本格的に導入され、社会や政治の仕組みが根底から変更されている。

 

▲2018年5月、香港教育専業人員協会(教協)の創立45周年の祝賀大会で小学生たちの説明を受ける林鄭月娥行政長官。わずか3年余で香港政府と同協会の関係断絶を公表。民主派と密接だった教協は中国政府の強い圧力で解散となった


民主派の教職員団体「香港教育専業人員協会(教協)」が昨年8月、解散を宣言。

 

教協は1973年に創設され、約9万5000人の会員が加入する香港最大の教職員労働組合だった。

 

長年、香港の民主化運動に積極的な役割を果たし、2019年の大規模デモでは中高生を含む学生たちは教協に賛同。中央政府の逆鱗に触れ、解散を余儀なくされた。

 

▲6月30日、香港の発展状況を説明する林鄭月娥香港行政長官と習近平中国国家主席(右端)=香港政府新聞處


香港教育局は昨年2月、国安法に基づく「国家安全 学校の具体的措置」との通達文を各学校に送り、教師や臨時教師に対して校内活動時、個人の政治的な立場を発表したり、宣伝したりすることはできないとする誓約を確約させる内容となっている。違反すれば刑事訴追され、学校に通告すると明示される極めて厳しい職務規程だ。

 

▲通学する香港の小学生たち
 

9月に新学期がスタートする香港の幼稚園、小中学校(日本での高校も含む)では生徒の欠員が目立ち、国安法の施行による反動で空前の香港脱出による移民ブーム(海外移住や海外留学)が学校運営を悩ませている。

 

 


 

教育局が発表した学生数最新統計によると、香港の小中高校での生徒数は20年10月~21年9月で年間約2万5000人が減少(3.6%減)。

 

香港は少子高齢化が進み、香港統計處の予測統計によると、2022年から2029年の6歳(小学1年生)と12歳(中学1年生)の人口動向は減少傾向。

 

国安法の施行で香港から海外移民をする動きが加速すれば、小中学校の現場での教師や運営に、しわ寄せが来ることになる。