ゲーム愛好者らが酵素の構造を解析、米研究 国際ニュース : AFPBB News
最近、ネット上で「ゲーミフィケーション」という言葉を目にすることが増えてきました。「ゲーミフィケーション」について必ずしも明確な定義はないようですが、簡単に言えば「ゲーム以外の問題解決に、ゲームの手法を用いること」といった概念でしょう。
先に紹介したHIVの酵素構造を解析した例などが、解りやすい典型的なケースと言えますが、考えてみればこのような話は映画やアニメではおなじみのパターンで、数年前まで近未来の出来事と思われていたことが、すでに現実世界の出来事になっていた、といったところでしょうか。
そういえば最近白熱しているアップルとサムスンのiPhone/iPad訴訟問題で、サムスン側の反論として、iPadのようなデバイスは既に映画「2001年宇宙の旅」に登場している、というものがありましたが、確かに映画やアニメなどのクリエーターが予想する未来像の中には、新たなイノベーションのヒントが多く隠れていると思います。
そう考えるとゲーミフィケーションだけでなく、シネミフィケーションやアニミフィケーションなどもイノベーションの有効な手段として活用されていくということも、可能性としては十分に考えられるのではないでしょうか。
「事実は小説より奇なり」という言葉もあるように、そもそもフィクションとノンフィクションの間には、実はそれ程明確な区別はなく、両者は曖昧な境界線で区切られているだけかも知れません。
古くから人間は目に見える現実の世界より、宗教、哲学(形而上学)のような頭や心で考える思考の中の世界の方をより正しいと考えてきました。しかしルネッサンスにより科学全盛の時代を迎えると、それまでの反動からか目に見える現実世界を重視する方向に極端に針がふれてしまっていたように思います。
それが最先端の科学である量子力学の出現によって、目に見える現実には限界があるということを科学自らが証明してしまいました。これからの時代は科学vs非科学ではなく、科学と非科学がお互いの良さを活かしながら、人類が新たなイノベーションやフロンティアを目指すステージに差し掛かっているのではないでしょうか。
私が子供の頃の親の世代は、テレビや漫画、ゲームなどをやっていると頭が悪くなるとまじめに考えて子供たちを教育していました。そのため我々世代はまだ心のどこかにゲームなどは不真面目なものという感覚を持っていると思います。しかしこれから社会を担う子供たちには恐らくそういった感覚は全くないでしょう。
物心がついたころからインターネットに触れていたインターネットネイティブが、ゲーミフィケーションの効果を最大限に発揮し始めれば、今の大人たちが寄って集っても突破できないこの日本の閉塞感を、軽々と打ち破る必殺技を次々とあみ出してくるようになるのかも知れません。