バスの時間を10分見間違ってバスを30分待つことになった
コンビニでサンデーを読み、ふと漫画コーナーにまた戦争の本とかないかなと向かった
いや、そこのコンビニやけにそういう本とかフィギュアとか多くてさ
それで見たら、「特攻の島2」の文字
「海猿」や「ブラック・ジャックによろしく」の作者の新作だった
これは読むしかないだろうと手に取る
1巻を読んでいないので話はよくわからないがどうも捷一号作戦で回天に乗る訓練をする大津島という場所の話らしい
冒頭で神風特攻隊が特攻を始める
そして回天の訓練をしていた予科生から12人選び、回天に乗り込む、という流れだった
私はあの作者の描く絶望が好きだ
絶望なのに美しく、暖かい
美しく暖かいのに、絶望
そんな感じ
葛藤とか、絶望とかを描くのが凄く上手い
そしてそれに魅入っていると、声をかけられた
相手は小中一緒だった友人(パンピー)
勿論、私が軍オタに片足突っ込んでベッドの下にはそこのコンビニで買った兵器の本を隠していて昨日の夜も大和を想って枕を濡らしたのを、彼女は知らない
私は表紙が見えないようにしながら本を閉じて話す
彼女は漫画コーナーに知ってる漫画があまりなくて…と言ったところで私の手元の漫画を見る
字が読みにくかったと思う
そして彼女が目線を移す
私の目の前には、その漫画がもう一冊
「特攻の島2」
空気が凍る
凄く重い
凄い本読んでるねと彼女が言う
一瞬軍オタをカミングアウトしてみようかと思うが思い留まる
A
「私、実は軍オタでこういう話とか兵器とか大好きで、特に好きなのは複葉機と駆逐艦だけど詳しいのは戦艦と戦車かな☆」
「そ…そうなんだ……(重い沈黙後に去ってゆく)」
B
「日本人としてこういうことはきちんと知るべきだと私は思うんだ。戦後日本はアメリカ主導の教育カリキュラムを導入したことにより軍国主義の時代を学ぶことはタブー視され、学校でもほとんどやらないが私は(くどくどくどくど)」
「………(ドン引き)」
即座にシュミレートし、私は今後の変わらぬ交遊の為にこう答えた
「ああ…この作者が好きなんだよね……。ほら、ブラック・ジャックによろしくとか描いた人でさ…」
空気、微妙
「ブラック・ジャックによろしくってのは医療漫画で、(以下説明)」
「へえ、そうなんだ……」
多分少し引かれた
後から海猿の作者って言えばよかったなと思った
彼女はぎこちない仕種でDグレを読み出した
私はもう読んでいいのかなと読むのを再開した
最初の作戦が実行され、潜水艦に4基ずつ載せられて12人が島を出た
実際の手記の文面があり、コマの外にそれは実際の文章を仮名遣いを直したりした程度で内容は変えていない旨が書いてあった
そして、回天は出撃した
物語は次の作戦に移る
次の12人が選ばれ、一日だけ家族の元へ帰る
そして回天に乗り込む為に潜水艦に乗り、島を後にした
そこで巻は終わる
後には参考資料や協力してくれた団体の名前が書いてあった
それを読み終わったら彼女もDグレを読み終わっていたから一緒にバス停でバスを待った
空気は軽くなっていた
受験終わったら1巻読もう
多分親父が買うだろう