「Выход на Гарден Плейс」 vs 「らーめん才遊記」芹沢 | katoo the world

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JR東日本は、東京 渋谷区の恵比寿駅構内に、東京メトロ 日比谷線に乗り換える人に向けてロシア語で「中目黒」や「六本木」と書かれた案内板を設置しているが、今月7日から紙で覆い隠していた。


理由について、ロシアがウクライナに軍事侵攻して以降、利用客から「案内板を見ると不快だ」という声が複数寄せられたためとしている。

これに対し、SNSなどで「差別につながる」といった批判が相次いだことから、一転して15日から元の状態に戻すことを決めた。


JR東日本は「批判を受けて元の状態に戻すことが適切だと判断した。差別にあたるという誤解を与えたことをおわび申し上げたい」と話している。


ロシアのウクライナ侵攻から早2ヶ月が経とうとしている。


軍事大国による小国ウクライナ侵攻という事も有り、早期決着が予想されたが、決死の抵抗を見せるウクライナ軍に対して、ロシア軍の意外過ぎる脆弱性により、悪い意味で事態は拮抗し悲劇が長引いてしまってもいる。


ウクライナ市民への虐殺も確認されており、早期の収束が強く求められるモノの状況は平行線を辿っており、何処までウクライナが持ち堪えられるのか。

動向の注視と共に、国際的なウクライナ支援が求められるモノである。


ウクライナ難民受け入れ vs イヴァンナ・ザクノのティンホイル・ハット

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そんなウクライナ情勢を知ってか知らずか、此処日本に於いて「駅構内に表示されているロシア語が不快」として批判が上がり、JR東日本は今月7日からロシア語案内を覆い隠した所、「差別につながる」として再度批判を受け、一転して15日から元の状態に戻した。


JR東日本は「批判を受けて元の状態に戻すことが適切だと判断した。差別にあたるという誤解を与えたことをおわび申し上げたい」と話しているとの事だが、まー、何とも日本的と言うか、我ながら情け無い事態に力が抜ける。


先ず私が感じるのは「ロシア語の案内板を見ると不快だ」というクレームを挙げる者は「どうかしてる」と言う事だ。


仮に書いてある内容が「Слава России(ロシアに栄光あれ)」や、「Открытая Украинаウクライナを開放せよ)」と言う、現在の侵攻に対するプロパガンダめいたモノであれば気持ちも分かるが、精々「Нажмите здесь, чтобы узнать о линии Hibiya(日比谷線はこちら)」や「Выход на Гарден Плейс(ガーデンプレイス口)」などと言った案内でしかないだろう。


ソレを見て「ロシア語!不快!撤去しろ!」などと言う者が、まともな訳が無い。


またウクライナに於いても公用語はウクライナ語だが、ロシア語も十分通じる訳でウクライナの被災者からしたら、ロシア語撤去に関して心外に感じられる可能性も否定出来ない。


このロシア語撤去を受けて、SNSなどで「差別につながる」といった批判がJR東日本に相次いだとの事だが、私からすればこの批判も些か如何なモノか?と言った所だ。


批判すべきはJR東日本では無く、「ロシア語の案内板を見ると不快だ」とクレームを挙げる者であろう。

JR東日本が企業ポリシーとしてわざわざロシア語撤去を選択するとでも思っているのか?


そんな者に付き合わなければならないJR東日本の職員の方々には頭が下がる想いでいるが、ロシア語を不快だと言う者も、ソレを差別だと騒ぎ立てる者も、双方余りまともに取り合うべきではない。


是等、クレーマーやノイジーマイノリティー騒動を見ると思い出されるのが、2020年に鈴木京香主演にてドラマ化もされた人気漫画『らーめん才遊記』に於けるフード・コンサルティング会社社長、芹沢達也だ。


熱血商社マンである藤本浩平とラーメン業界をけん引する「清流企画」社長の芹沢達也が、お互いに敵対しながらも苦境に喘ぐラーメン店を救うフード・コンサルティングストーリーなのだが、実は私は、この漫画が好きでは無かった。


ラーメンマニアかつラーメン店開業を夢として、仕事に情熱を注ぐ藤本に対して、ハゲで切れ長の目で不敵な笑みと言う実にフリーザ様を思い起こさせる風貌の芹沢が、苦境に喘ぐラーメン店を厳しく更生させる「初期美味しんぼスタイル」は実に私好みであった。


しかし、幾らラーメン店を更生させても、正論を唱えようと、コンサル会社社長よりも実際にラーメンを作っている店の方が偉い!ラーメンを作りもしない貴様が店主をバカにするな!などと思っていた。


私はギタリストなのだが、1万曲弾けるギタリストより1曲創れるギタリストに魅力を感じる。

一曲入魂、一念勃起と言うモノだ。


しかし読み進める毎に、周囲を見下し、人間性に欠ける芹沢のドヤ顔名言が、いや、実に響くのだ。


「ヤツらはラーメンを食ってるんじゃない。情報を食ってるんだ!」


「ラーメンの場合、下手なマスコミの記事よりネットを信用する情報バカが多い」


「要するに、オマエには本当に作りたいラーメンがないんだよ」


「『金を払う』とは仕事に責任を負わせること、『金を貰う』とは仕事に責任を負うことだ。金の介在しない仕事は絶対に無責任なものになる」


「美味しいラーメンが必ずしも客に受けるわけではない」


「お客様は神様などではありません。お客様とは人間です」


「俺は社長も社員も同じだと思ってる。報酬と労働を交換しているだけなのだからフィフティフィフティ役割が違うだけで、上下関係もない対等な人間関係だ」


「ラーメンとはフェイクから真実を生み出そうとする情熱そのものです」


そして、その中でも私が最も感銘を受けた名言がコチラ。


「わざわざクレームをつけてくるようなヤツは無能ゆえに暇を持て余していて、そのくせ無闇にプライドだけは高く、嫉妬深いクズのような人間だ」


いや、それお前じゃん?


と言うのはさて置き、自分の描くラーメンの味を解さぬ客に対するラーメン店主時代を想い起しての事であろうが、コレはラーメン店のみならず全てのサービス業従事者が心の何処かにお守りとして持つべき一つの答えだと考えている。


名言ではあるが結果的にライバルである藤本とのラーメン勝負に敗れた芹沢は「藤本クンのラーメンには、一点の迷いも感じられない。自分がうまいものは、客だって、うまいはずだという信頼感に溢れている。しかし、いや、やはり、オレは。客を信じ切れなかった。オレの……負けだっ!」と自身の発言を撤回するかの発言をしており、この辺りの邂逅も美味しんぼに於ける山岡士郎と海原雄山を彷彿とさせ、深く心を打たれたのだ。


かつて芹沢は、自分が信じた味を認めない客を見下していた。

しかし、自らの信じる味を一点の迷い無く突き詰める藤本に敗れ、改めて「自分の好きなようにラーメンを作るだけのラーメンバカに戻る」として、社長職を引退。


引退後は広く愛されるラーメンに繋がるヒントを得るため、人気ラーメンチェーン店でアルバイトとして裸一貫で働き始めると言った姿に、映画「ドラゴンボール復活の『F』」のラスト、地獄でミノムシの様に気に吊るされていたフリーザを思い出した。


その姿はかつて界王様が「聞け悟空よ!フリーザには手を出すな」と静止させた恐怖の大王などでは無く、第7宇宙を混乱に叩き落した犯罪人として、ガッちゃんやぬいぐるみがマーチする世界樹にミノムシの様に吊るされて、「ニョーッ!」と絶叫するあたり、気を許せば「ハッヒフッヘホー!」と言い出しそうなフリーザ様でもある。


まあ、芹沢やフリーザは良いとしても、今回ロシア語を不快だと言う者も、ソレを差別だと騒ぎ立てる者も、ソレを含めて多様性と言うならば、大切なのは対応するJR東日本側の「自分が良いと感じる事は、客だって、良いはずだという信頼感」である。


駅構内のロシア語案内板は国際化対応する日本にとって必要なモノであり、決してロシアのウクライナ侵攻を容認するモノでは無いし、撤去したとして、ロシアを差別するモノでも無い。


企業コンプライアンスに乗っ取り、聞くべき事は聞き、変えるべき事は変えるが、信頼を外れる意見には「一御意見として承ります」でよろしい。


何せ、ロシア語の案内板を見て「ロシア語!不快!撤去しろ!」などと言う者は「わざわざクレームをつけてくるようなヤツは無能ゆえに暇を持て余していて、そのくせ無闇にプライドだけは高く、嫉妬深いクズのような人間」である。


そうで無ければ、最早根本的に関わってはならない危険人物なので、早々にお引き取り願いたい。


かとぅ