大阪・なんば駅直結の貸会議室「難波御堂筋ホール」は、2019年4月27日~5月6日のゴールデンウィーク期間中、貸し会議室での「荷物預かりサービス」に加え「お父さん預かり」を実施している。
ついにそんな扱いをされなくてはならない時代に突入したのかと思いきや、漫画喫茶もびっくりの快適空間なのだという。
200平方メートルの会議室にWifi・携帯充電器貸出、ワークスペース、漫画コーナー、フットマッサージ、バランスボール、ごろごろできるマット、ドリンクバー(200円でフリードリンク)、缶ビール販売(有料)などを提供し、別室にはゴルフシミュレーション体験を設けるなど、お父さんがゆったりとくつろげる空間を提供する。
「お父さん預かり」
初めて聞くワードではあるが、遥か昔から日常にあるサービスであるかの様に、妙な親和性を禁じ得ない「お父さん預かり」である。
「お父さん預かり」サービスにて預けられた100万人のお父さん。
悲劇的に長すぎるGWに、母親の実家に帰る家族により集められたお父さんは、既にゲシュタルト崩壊。
当初は自由を満喫し、ゴロゴロしていたが、GW後半に突入するあたりから、余りに不甲斐無い状況に失われた自我が芽生え、「難波御堂筋ホール」を飛び出し、家族の帰省先へとネコバスで向かう。
「劇場版クレヨンしんちゃん」の新作かのストーリーに、全お父さんが涙を振り絞る展開が、容易に想像出来るのだ。
さて、実施される環境を拝見したが、実に魅力的な空間に感じる。
個人的には”200平方メートルの会議室”と言うのが、広過ぎて落ち着かないのでは、との所感を抱いた。
4畳半かの懐かしの木造下宿アパート造りにでもしたら、また別の趣も味わえよう。
しかしながら、「同じ様な境遇にて、同じく預かられた様々なお父さん」を相互鑑賞出来るのは、中々に無い機会と言えるかもしれない。
200平方メートルの会議室にて、ゴロゴロする100万人のお父さん。
こんな修羅場が隠し撮りされており、あまつさえネット流出でもしたら、彼らは社会的に抹殺されたも同様である。
まあ、「お父さん預かり」を受けた時点で、家庭内抹殺は遂行されている訳で、今更何を言わんや、ではある。
何せ、利用料金が泣ける。
<利用料金>
荷物:1点につき500円
お父さん:1時間500円/「フリータイム」1,000円
1日1万2000円と思いの外高額なのは、せめて父親としての矜持を保っていると言えなくも無いが、その価格を押してでも預けたいと言う、家族の切なる願いが私の胸に突き刺さるのであった。
かとぅ