ラブドール vs ラブラドール ディレクターズカット版 | katoo the world

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お笑い系デスメタルバンドFUJIYAMA、世界の大統領かとぅのブログ

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賢明なる読者諸氏であらば御存知であろう。

日本が世界に誇る技術の粋。
匠の技。
飽く事無き向上心の結晶。

そう、オリエント工業が世界に示す新たなる愛の形、ラブドールである。

かつては南極1号などと言った風船式のダッチワイフが主流であったが、女性向けのバイブレーターと比較して、空気漏れが激しく使い物にならないと言った問題点を抱えており、小売業者であったアダルトショップが上質なダッチワイフを製造する為に1977年、オリエント工業を創業。

創業当時は障害者向けの擬似性交玩具としてラブドールを製造していたが、熱心なファン諸氏からの要望に応える中、様々な試行錯誤の30年を経て、遂に、リアルラブドール「やすらぎ」、「アンジェ」、「ジュエル」、「ナノ」シリーズが発表された。
そのクオリティに世界中が驚愕し、熱狂をもって迎えられた。

その麗しき御姿は、石原さとみ以上に美しく、篠崎愛よりも肉感的で、安めぐみを超える癒やしがある。

ラブドールファン向けの専門誌「i-doloid」も愛好家諸氏の必須アイテムで、以前その誌面上でファンがラブドールと結婚式を挙げ、同類の愛好家より祝福を受けていたのを拝見した時、人類が次の進化を果たした事を知った。

以前、ある都市を訪れた所、「ラブドール風俗45分5000円」なる案内を見付け戦慄が走ったが、30年以上と長きに渡り心血を注ぎ込み産み出されたラブドールを抱く事はどうしても出来ず、私はその夜、独り酒に溺れた。

ああっ、ラブドールを抱きたいッ!
しかし、契りは許されぬ我ら。

こんな事ならば、出逢わなければ良かった。
いっそ、私と共に此の世から消えて亡くなろう。
来世で永遠の契りを果たそうでは無いか!

…とは言え、黙して語らぬラブドール。
まあ、人形なので当たり前ではある。

さて、究極のラブドールを支えるのは熱心なファン諸氏、錚々たる紳士の方々なのだが、オリエント工業HPとリンクされる彼らのファンサイトが、トンデモ無い破壊力なのであった。

中でも妻に先立たれた内藤ホライゾンなる中年男性が執筆する「りりと内藤の徒然日記」が凄い。

概要を記すと…

・半年前に嫁さんが亡くなり、現在娘(文脈から読み取るに恐らく中高生)と二人暮らし
・80万円で購入したラブドールを見て娘は驚いたが、父親が悲しい顔をする回数が減ったのが嬉しいらしく許して貰う
・ラブドールと性行為を行うも、人形相手に興奮しない事に気付く

…と言う、何とも壮絶な状況である。

しかし、ブログ内容は何ともほのぼのとしている。

内藤さんがラブドール、りりを購入し、彼好みの様々な洋服に着せ替えさせて撮影したかと思えば、娘のいない間に抱っこしたり、愛犬と戯れさせたり、下着を購入してりりさんに着せたら、娘から「シャツINするなしw」と注意されたり、せっかく購入して楽しく着せていた洋服を娘に奪われ、仕方無く交換してもらった娘の洋服を着せて、喜んだも束の間、撮影するカメラの画質が宜しくない、と愚痴をこぼす。

更にはりりさんに次ぐ家族としてかれんちゃんも購入。
「それでは、新しい家族のかれん共々、これからもヨロシクお願いします(^ω^)」
…との事で、何とも幸せな内藤家なのであった。

しかし、初めは面白半分で拝見していたモノの、途中から何故か泣けて来るのは何故だろうか?

内藤さんと同じく、私もまた、満たされない想いに苛まれており、その寂しさ、虚しさ、遣る瀬無さを、りりさん、かれんちゃんの愛らしい写真と、内藤さんの愛情に溢れるコメントに癒されているのだった。

内藤さんはラブドールと言う癒しを見つけた。
私には一体何があるのだろうか?

そう思いながら、南フランスの実家に立ち寄った所、愛犬の黒いラブラドールがしっぽを振って待っていてくれた。

ラブドールとラブラドール。

愛してくれて、有難う。

かとぅ