悲しい事なんてここに書きたくはないけど
スルーする訳にはいかないニュースが昨夜飛び込んできました。
一旦ベッドに入ったものの
朝4時ふつふつと悲しみが湧き上がり、
もっと詳しい情報はないかとフランスのラジオにすがっている今。

大好きなフランス音楽界の巨匠、
ミシェル・ルグランが86歳で天国へ旅立ちました。

どんな言葉を綴っていけば良いのか
まだまだ頭が納得しておらず
嘘であって欲しいと願う気持ちと
嘘がこんなリアルに報道される訳がないと
理解せざるを得ない感覚が行ったり来たりで、
心の中に突然開いた穴は
時間が経つごとにじわりじわり大きく広がっていっています。

ミシェルが世に送り出した
素晴らしい音楽のおかげで
私の人生、何度救われ励まされたことか。
彼の作品から影響を受けて
フランス文化、フランス映画、フランス音楽に興味を持ち、フランス語を学ぶことを決め、その努力が私オリジナルの小さな自信となり。

来日コンサートがあると聞けば
拙い言葉ながらお手紙を書き、
ご本人にご挨拶させて頂ける有難い機会には
頭を撫でてもらえ、
その後、ミシェルの曲をカバーしたアルバムを直接聞いてもらった時には
「ノイコ、君は僕の曲、どれでも歌っていいからね。分かった?」と信じられない言葉をかけて下さり。





手をしっかり握って下さった事も。

ミシェルが作り出す音楽は
繊細で美しいメロディがあれば
凛と迫力のある音に紡がれ
でもまた上質なシルクのように甘い世界へも導いてくれ、心も耳も感情も様々な空間へ旅させてくれました。
それは去年、五年ぶりに来日したコンサートでも同じで、とにかく素晴らしい時間でした。

永遠がないことは当たり前に分かっているけど
それでもどうして、悲しいしかありません。

「C'est ma vie!」
(それが私の人生だよ!)
そんな言葉を言うかどうか分からないけど、
旅立つ直前まで音楽を作り続けてきたミシェルが
大好きな人達に囲まれ、穏やかで安らかに…と願うばかりです。

そして今、フランスのラジオでも
ミシェルの訃報を偲ぶニュースと
「シェルブールの雨傘」の音楽が。


と、何を書いてもまだ
悲しくて寂しいです、とても。