後出しじゃんけん | ☗息子と将棋☖

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将棋に取り組んだ息子たちの約2年間の記録です。

「将棋は後出しじゃんけんで云々・・・」という記事を以前何かで読んだことがあって、その時は「ふ~ん。そうなんだ」くらいにしか思いませんでしたが、先日「こういうことか!」と合点がいった出来事がありました。

 

 

いつだったか、いつものように棒銀一筋の長男に「棒銀が得意なら、他の銀を使った攻め方(腰掛銀や早繰り銀)も有りなんじゃない?」と言ったことがありました。

そして昨日、長男が思いついたように腰掛銀の定跡(木村定跡)を勉強していたんですね。

 

で、「早速使ってみる!」と勇んでウォーズで対局したのですが、「・・・勝てないぐすんと。

 

どうやら相手が何であれ、盲目的に腰掛銀を指したらしい。

 

私は言いました。

 

「戦法と言うのは相手の出方を見て何を使うか考えないといけない。ジャンケンで例えると、長男君はグーしか知らない。それじゃ相手がチョキの時は勝てるけど、パーの時に負けてしまう。お父さんは『チョキも知っておきなさい』と、戦法の引き出しを増やす意味で『腰掛銀や早繰り銀を』と言ったんだよ」

 

長男「でも長男ちゃんのグーは強いグーだから」

 すごい自信(笑)

 

「例えば長男君のグーがレベル100として、相手のパーがレベル30だったら勝てるかもしれない。けれど、相手がレベル100のパーだったら、間違いなく負けるよ」

 

長男「そんなもんかな不満

 

「もっと言うと、後出しじゃんけんを狙うようにしないといけない。相手の戦型がわかるまでは、こちらの戦法は出来るだけわからないようにしたほうが有利かもね」

 

ここまで言ったときに、自分自身で「はっ」としました。

 

定跡書によく書いてある「態度を保留」とはそういうことか!

 

「態度を保留」の意味は何となくわかってはいましたが、長男(次男も)が身につけるべき感覚はまさにこれなんじゃないだろうか、と目が覚める思いがしたのです。

 

長男は(次男も)「今日は棒銀を指すぞ」と決めたら盲目的に棒銀。「今日は嬉野流」と決めたら何が何でも嬉野流、という傾向があるように思います。

 

そこを、「相手がチョキで来たらグー。相手がパーで来たらチョキ」という風に戦法を選んで対応できるようになれば、もう少し勝てるようになるのかもしれないなと思いました。

 

 

 

そして、次男。

 

昨日は私に勝負を挑んできました。

 

次男「ハンデ付けてあげるから対局しよう」

 

私は内心「生意気なむかっと思ったので、「ハンデなんてなくていいよ。平手で指そう」とイライラ気味に答え、いざ平手で対局となりました。

 

この前千駄ヶ谷で大敗した次男なんかに負けるもんか、と対局してみると、果たして私が勝ってしまいました。

 

次男の狙いは単純で、この5五角打を狙っているのが丸見えな手だったのですね。


それがわかっていれば受けるのは容易で、受けきってしまえば相手の陣形は隙だらけだから私でも勝ててしまいます。

 

・・・もしかして、次男は千駄ヶ谷でこんな手ばかり指していたのかな。

 

奇襲は成功すれば早い段階で有利になれますが、失敗すると挽回の余地もなく負ける気がします。

 

そういえば次男君、最近は奇襲乱戦急戦に偏ってない?

 

だとしたら、次男にはもう一度基本に立ち返った駒組に取り組ませる必要があるかもしれない。