チィが勤めている飲食店は


いわゆる、一等地にあった。


駅から徒歩一分で、視認性抜群、
会社員わんさか。


売れないわけがない立地。


客単価は世間一般の居酒屋並であれば、いかに来店客数を増やすかに注力される。


ランチは相席上等、店の都合での
座席移動も当たり前。


坪当たり2席から2.5席の積めこんだ
テーブルにパズルのように、お客様を「配置」する。


夜も二時間制を実施し、三回転。


週末ともなれば、一名様、場合によっては二名様もカットする。


店の立地がいいが為に完全に殿様営業であるー。


チィの目にはそう映っていた。


〈企業として、ビジネスとして、たしかに売上を上げることは最重要だか、お客様側に立った視点で見ていかないと、いつかそっぽを向かれる気がしてならない。〉



チィはそのように感じていた。



飲食業を通して全世界に笑顔を広げていきたいー。


ただ料理を効率よくサービスするだけを考えていたのでは、必ず廃れるー。


今の店は、めちゃくちゃ勉強になる反面、理想とする企業像とは大きな乖離を感じ得ずにはいられなかった。


「半年働いて、その時考えます」



今月退職する料理長への最後の言葉だった。







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