マエカブ演劇フェスティバル2024 一日目 | 加藤直の『直情モノローグ』

加藤直の『直情モノローグ』

エンターテイメントユニットMK-Ⅱ 加藤直のブログ




どうも、加藤直です。


先週末は「マエカブ演劇フェスティバル2024」でした。


通称カブフェスというやつですね。


いつもお世話になっている香川県の株式劇団マエカブさん主催の演劇フェスです、すごいんです。


私はチクタクノイズという団体で3回目の出演でした。


La+の頃も入れたら、通算でたぶん6回目かしら?


四国を中心に全国のいろんなところから劇団さんが集結する、まさにお祭りのような楽しい楽しいイベントです。


二日間がっつり参加できたので、たくさんの作品を観ることができました。


なので感想というとおこがましいんですが、なにか書こうと思います、せっかくのブログですし。




じゃん!


まずは一日目の土曜日から!


■シャカ力さん「小ロック」

カブフェスの常連さんですね。
今年も代表の行正さん節が詰まった作品でした。
「断崖絶壁」と書かれた椅子を持ってきて、そこに立つところからお芝居がスタートします。
この冒頭がすごく好きで、もうそれは誰がなんと言おうと断崖絶壁なんですよ。
そこに、白い服を来た人々がわらわらと出てくるんですけど、この白い服がめっちゃかわいいんですよね。
シャカ力の団員さんでありからあげ仲間のはるなさんに「あの服かわいいですね〜、どこで買ったんですか?」って聞いたところ、まさかの手作りだそうです。
男性が男性のチクビの必要性という水面に石を投げ、あれよあれよとウルトラマンのカラータイマーの話に。
ディスクグラインダーで切るのは怖いですね。
あと、ディスクグラインダーってたぶんこれだよなぁって想像しながら観てて、あとで調べたらやっぱりディスクグラインダーだと思ってたやつがディスクグラインダーでした。
後半神様が出てきました、目力すごかったです、さすがは神様。
結局ディスクグラインダーで切られることはありませんでした、ほっとしました。


■イチニノさん「ぜんぶきあつのせいだ」

茨城の劇団さんで、結構な距離があるのに近年は毎年参加してくださっていますありがたいです。
今回はいろんな団体の役者さんをふんだんに使ったコラボレーションをされていました。
原価無視の夢のコラボ。
私が観た回は佐藤ホームランさんがあたふたしつつ、麗しの女性陣がフリップを探してあたふたしてました。
フリップが合ってるとか合ってないとか、ホームランさんが何を言ってるのかとか、なんかそういうのを深く考えたら負けだということを早々に察し、五感で楽しませていただきました。
ほかにはないジャンルの作品でとても新鮮でしたし、カブフェスという演劇のフェスならではの試みだなぁと感動しました。
やはり昔からオールスターとかそういうのが大好きなので、自然と熱くなりましたね。
あ、オールスターはあれです、野球のとかではないです、野球は詳しくないです。
あと毎年思うことですが、梅ちゃんさんはとてもパステルカラーのTシャツが似合うなと。
代表の前島さんが人を射抜きそうな眼光で音響をされていたのもとても魅力的でした。
佐藤ホームランさんは大変そうでした。
ホームランって打ったらゆったりとダイヤモンドを回れると思うのですが、どう見てもランニングホームランでした、野球は詳しくないですが。


■三日月リリィさん「漫才ライブ in カブフェス」

愛媛県松山市で活動されている漫才コンビです。
忽那くんは劇団まんまるの団員でもありますし、今年5月にはマエカブ本公演「円卓の騎士」でも共演させていただきました。
瀬野くんはすごくいい人です、見た目も喋り方もどう見てもいい人です、あとXでよくいいねしてくれます。
忽那くんからいいねを貰ったことはありません。
見たことのないネタだったこともあり今年もとても楽しませていただきました。
漫才なので喋り、もといベシャリはもちろんなのですが、三日月リリィの好きなところは忽那くんの身体表現のキレと、瀬野くんの人のよさそうなゆるふわ雰囲気のツッコミなんですよね。
あらためてめちゃめちゃバランスのいい二人だなぁとしみじみ。
カブフェスは演劇のイベントとは言いますが、三日月リリィの漫才はもはや欠かせない存在です。


■特別企画「SAN-DAIダブルス」

こちらは、各団体から代表者を選出し、それぞれを戦わせるというポケモンバトルのような企画です。
今回チクタクノイズからは「森友樹、君に決めた!」と最近転職した森さんを送り出しました。
対戦相手もといペアとなるのは劇団SANBA-BAの中越さんでした。
私は試合が始まる前から気付いていました、森さんがビビっていることに。
人生経験が豊富な人間というのは、時に合理的に、時に柔軟な判断をすることができます。
しかし、人生経験が豊富すぎるとそうは言ってられない。
車も時が経てばブレーキパッドが擦り減るように、相対した中越さんもまさにブレーキ機能のない存在だからだ。
これは周知の事実であり、それと同時に森さんへの死刑宣告だったのかもしれない。
結果、彼は強大な力に飲み込まれ見事敵陣営に取り込まれました。
森さん、君のことは忘れない。


■todokeru,さん「鎧袖一触」

徳島の劇団さんで、とても団員が多いという印象です。
これまでに何度も公演をされていて、そのたびに観に行きたいと思っていたのですが、ことごとく予定が合わずに今回のカブフェスまで来てしまいました。
次回また予定が合わなかった場合はSNSで言うところのブロックされてる説を声高らかに発信したいと思います、mixiで。
今回の作品は女性二人のお芝居で、冒頭からとくに説明セリフのようなものがあるわけではないのですが、そうなんだろうなと思わせる雰囲気があり、人物の関係性が早い段階で伝わってきてとても見やすかったです。
会場の雰囲気も上手く活用されており、没入感がありました。
ちなみに私はギリギリに滑り込んだので、客席というか縁側の最果ての方にめり込みながらの観劇でした。
決していいポジションではなかったのですが、とても楽しく観させていただきました。
コピペの冒頭が修正されてなかったり、その直後に送信取消があったりと、現代人にとってフフフとなるシーンがありとても好きでした。


■劇団まんまるさん「丸山短編喜劇集」

徳島の劇団さんです。
たぶんというか、まだ私以外に誰も気付いていないと思うんですが、代表が丸山さんだから「まんまる」なのかもしれません、丸山さんだから。
団員の清水さんはFM徳島でお世話になっております。
今回の作品群ですが、実は少し前にまんまる公演で上演されたコント達なんですよ。
で、私はその公演に行っていたわけです。
なので内容は知っていたのですが、短期間でブラッシュアップされていてより見やすくなっていたように感じました。
面白い作品というのは、ストーリーや結末がわかっていたとしても面白いんですよ。
私なんか何度も見てるはずの「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」で毎回同じところで泣きますし。
とくに野球賭博の話が好きでしたね。
まんまるさんはよく時事ネタをからませてくるので、結構幅広い人にヒットするんじゃないでしょうか。
あと、丸山さんは私と違って野球がお好きだと思うので、より一平ちゃんに熱いお湯もとい思いが込められていたような気がしましたね。
三日月リリィの上演を終えた忽那くんも出てました、監督してました。
彼のマルチタスクっぷりには脱帽です。
丸山さんはかたくなに帽子を脱がなかったです。
あと帽子からタグが出てて、そこもじわじわきました。
タグの飛び出し具合までも計算され尽くしてます、さすが。


■Unit outさん「飛べ飛べ天まで飛べ! To be to be ten made to be!」

すんごい面白かったです。
あ、愛媛県松山市の劇団さんです。
これは去年も感想として書かせていただいたのですが、演劇というジャンルの中でも限りなく絵画を見ている感覚に近いんですよね。
その空間、空気感を鑑賞するかのような。
今回は「魔女」が出てくるお話で、何かの比喩なのかと思いきやしれっと「空が飛べなくなった」とさも当たり前のように話す女性たち。
あえて「これはこういう設定ですよ」みたいなものを省いて進めていくところにおしゃれさとイズムを感じました。
そして、物語の中に突如異物のように投入された「エジプト料理」。
そのたった一言で人物像や関係性が垣間見えるところも大胆かつ繊細な表現で痺れました。
さっきも書いたように、私としては「絵画を観劇」している感覚なので、その瞬間瞬間にカメラを構えてシャッターを切りたい衝動に駆られるわけです。
しかし、衣擦れの音ですら演出に影響を与えてしまうのではないかと、そう思わせるほど作品作りが徹底されているので、もし撮影するなら望遠だなと心の中にメモしました。
と言いつつ、幻聴であることは疑いようがないのですが、どこからか「燃えよドラゴン」が聞こえてきたような気もしましたのでシャッター音くらいならもしかしたらいけたかもしれません。
これもフェスならではですね、観る側の集中力はフルスロットルでした。


■演劇ユニットFOX WORKSさん「カイコ」

静岡県浜松市からお越しの団体さんです。
団体さんと言いつつも、作品は一人芝居でした。
おそらく私と違ってさわやかのハンバーグを食べたことのある男性による一人芝居です。
去年も一人芝居をされていたのですが、その時は大書院というとてつもなく広いお部屋でしたので、なんてすごいことをする人なんだと感銘を受けたのを覚えています。
去年もそうでしたが、今年も脚本の作りがとても興味深く面白かったです。
前半と後半とで、脚本のギアがまったく違うんですよね。
ふんわりしていたかと思いきや、急に直滑降するような、その落ちている瞬間にそれまでの道中で拾い集めたパーツがガシャンガシャンジャキーンと脳内で音を立てて組み上がり、急激に理解という視界が開けるんですよ。
これが見てる方も快感なんですよね、サウナのあとの水風呂のような。
私はサウナにあまり入りませんが。
今回、赤子の一声でそれらパーツの超絶合体が起きたわけで、すごい仕掛けだなぁと感動しました。
まだまだ隠し玉を持ってそうな予感がしていますので、また拝見できる日をとても楽しみにしているFOXさんです。


■空宙空地さん「じゃあね」

愛知県は名古屋を拠点にされている二人組演劇ユニット。
去年初めて拝見し、なんて魅力的なお芝居をされるのだろうとひたすらに感動しまして、今回もとても楽しみにしていました。
しかも結構前の方のいいお席で観ることができました。
今回の作品、一言で言うと急ハンドルのえぐさが凄かったです。
前半にコメディーたっぷりを詰め込んで、そのストロークを滑走路に後半は真逆のアプローチ。
わずか20分という時間の中でここまで詰め込むことができるというのは、お二人の経験とたしかな表現力があってこそだと感じました。
観ている私は勝手に崖に落とされた気分を味わい、喝を入れられた気がしました、もちろん勝手にです。
ラスト、おぐりさん演じる女性の消え方がお茶目でおしゃれで、押し付けがましさが微塵もなくて、それがまた逆に効いてくるんですよね。
泣きそうでした、でもカブフェス会場にはたくさんの人がいらっしゃるのでからあげのことを思い浮かべて耐えました。
また来年も参加してくださったら嬉しいなと心から思っております。
あと、パソコンのディスプレイがくり抜きなところもとてもこだわりを感じました。


■株式劇団マエカブさん「イエスか農家」

説明不要、マエカブさんです。
新作ということで、発売当日のゲームを買いに行くかのようなウキウキ気分で観に行きました。
実在する香川県のぶどう農家さんのエピソードを元に作られた作品で、他人様の家の事情を覗き見る背徳感は一入でした。
あと、夢華ちゃんが康男さんにビンタをお見舞いしてました。
いい音がしてました。
マエカブさんはいつもチャレンジングなことをされるので、そういった意味でも新鮮な気持ちで楽しませていただきました。
後説でイエス・キリストのプリントはどうやって出力したのか、気になる方は聞きに来てねとアナウンスがありました。
ぶっちゃけ気になりましたが、聞いたら負けだと思って聞きに行きませんでした。
今度岡田さんとラーメン食べる時にでもさらっと聞いてみたいと思います。
今回、役者の年齢と役の年齢が結構ちぐはぐだったはずなんですが、そこに全く違和感がなかったのでこれは役者さんの力だなぁと。
シャインマスカットが食べたくなりました。
と思ってたら、今日ひょんなことからシャインマスカットをいただきました。
これもマエカブさんの作品を観たおかげかもしれませんね。
責任を持っておいしくいただきます、皮ごと。





ここまでが一日目です!


書いておいてあれなんですが、これやっぱり感想でもなんでもない気がしてきました。


【感想】
ある物事に対して心に生じた、まとまりのある感じや考え。所感。


だそうです。


まとまりがないので、これたぶん感想ではなく「感」もしくは「想」ですね。


なんか、参加されていた団体さんの誰かに見られる可能性があるんじゃないかと考えると指が痙攣しますね。


いや、この指の痙攣はフリック入力のしすぎから来ているものかもしれません。


とりあえず一日目のまとめとしては、


「観たい気持ちを必死に抑えてヒロシ軍を翌日に回した」


ですね。


今回はマジのマジでタイムテーブル悩みました。


でも悩むということは、それだけ観たい劇団さんがいらっしゃるということですね。


二日目についてはまた今度。