マエカブさん本公演を終えまして | 加藤直の『直情モノローグ』

加藤直の『直情モノローグ』

エンターテイメントユニットMK-Ⅱ 加藤直のブログ

 


こんばんは。



加藤直です。








先週末は株式劇団マエカブさんの本公演「円卓の騎士 〜嘆きの剣、祝福の鞘と〜」の本番でございました。


昨年の「石を食べた男」に続いて、今年も代表の岡田さんよりお声がけいただきまして、ありがたいことこの上ないですね。


円卓の騎士ということで、アーサー王伝説のお話です。


役者人生においてあまり西洋モチーフの芝居をしてこなかったので、衣装に袖を通すのもウキウキでした。


今回もアクションのシーンがたくさんあったんですが、ブーツの重さがジャブのようにジワジワ効いてました。




さて、写真に写る人数を数えていただいた通り、今回は総勢19名による出演でした。


坂出市民ホールという会場、そして大人数での舞台。


やはりいいですね。







今回何気に初共演な方々がこちら。



何年も前から面識はあるものの、実は今まで同じ舞台に立ったことのない方が7名も。



ベディヴィエール役の丸山さんとは、琴平カブフェスのインプロでゲスい展開をかましてはいましたが、ちゃんとしたのは初でした。



本当に一人一人個性豊かな面々で楽しい座組でしたね。



■アーサー役のやすおさん

昨年に引き続きの主演、お疲れさまでした。

前回以上に動きが激しかったので、だいぶと身体を酷使されていたことと思います。

今回が共演二回目ということで、アーサーとしてもそうですが、役者やすおさんの呼吸にもだいぶと馴染めた気がします。

作中でも非常に絡むことが多かったので大変お世話になりました。

この人はきっと王様なんて心からやりたくないんだろうなぁ、でも他者のためにやってたんだろうなぁと。

その苦悩に気付き、最後にアーサーのわがままを聞き届けることができて本望でした。



■モルガン役のとのさん

普段はとのさんと呼んでます、とのさん。

稽古や本番以外でも、四国放送さんの「SUNラジ!」というラジオ番組でも一緒に公演の告知をさせていただいたりと、とてもお世話になりました。

とのさんはモルガン役のほかに、小学生役も担当されておりまして、私はその小学生とのやりとりがありました。

角度的にお客さんから見えたかどうかはわからないのですが、とのさん演じる小学生が私に向かって「ロリコン、ですよね?」って言ったときの表情があまりにも良すぎて、なんてエグい表現をする人なんだと常々感じておりました。

皆さんにも近くで見せてあげたかったです。



■ヴィヴィアン役のはっちん

たぶんと言うか、一番共演回数が多いです。

それもあってかお互いのやりたいことがとても伝わりやすいので一緒にお芝居してて楽しいです。

湖の乙女という役柄で、私はその彼女に拾われたランスロットという役でした。

設定上は親子同然の関係性ではありますが、個人的にはどのカテゴリーにも当てはまらないような関係性が自然と構築されていって、ヴィヴィアンとランスロットという無二の距離感が生まれた気がしています。

あと、普段からいろいろ話しやすいので稽古期間はとにかくお喋りしてまして、嫌な顔せずお付き合いいただきありがとうございました、ほんとに。



■モードレッド役のがみやんさん

これまでの作品でもアクションシーンなどでお世話になっていましたが、同じ舞台に立つのは初めてでした。

今作のアクションのすべてを担当されていたのですが、役柄や役者の特性なども加味して柔軟な殺陣を付けてくださいました、ありがたや。

私自身もアクションシーンが多い方だったので、どこまで要求に応えることができたのか不安はありましたが、本番を迎えるまでにできることはやれたのかなと思っております。

モードレッドは端から見ていてもかなり忙しい役柄で、自分の役と向き合いながらもほかの役者のアクションなども見なければいけないので非常に大変だったかと思います。

その上で、なにか問題点などがあればひとつひとつを確実に対処していくというとても丁寧なお仕事ぶりで、誠実さが滲み出ていましたね。



■ガヴェイン役のおしげさん

おしげさんとは「歌舞伎門事変」という作品で同じ舞台には立ったことがありましたが、共演シーンというものはこれまでになかったんですよね。

ただ、今回は同じ円卓の騎士の一人ということで、とても絡むことが多かったです。

稽古中は私もアレコレ言ってしまうタイプなので、大変気苦労が耐えなかったんじゃないかなぁと、いつも稽古帰りの車の中で脳内反省会をしておりました。

ただ、一歩踏み込んだ芝居を引きずり出せた手応えがあったのでそれはそれで楽しかったです。

反対に私も引きずり出されましたし、それも楽しかったです。

あと、衣装やメイクでいつもいつも大変お世話になってます。

人間できることが多くても身体はひとつしかないので、共演者のお世話などこれまた大変だったんじゃないかと思います、ほんとにお疲れさまでした。



■ベディヴィエール役の丸山さん

劇団まんまるの座長さんです。

今回は片腕しか使えない役で、なかなか動くのも大変だったんじゃないかと思います。

今だから言えますが、舞台の床がめちゃめちゃツルツル滑るんですよ。

何かあったとき、人は咄嗟に手を使うことができますが、ベディヴィエールは右腕一本しかないのでもしもの時とか非常に怖いと思います。

しかもその右腕も剣を握っていたらいよいよ使えませんからね。

そんな中、あの広い舞台で動き回るのは相当な体力と気力を要したことでしょう。

芝居ではとても温和な表情をされるので、騎士の中でもちょっと特別な存在感を放っていましたね。

一人だけやたらとヴィヴィアンにハリセンでしばかれていて痛そうでしたが、それは丸山さんがお休みの時の稽古で私が発案したもので、ご本人には「なんか前回の稽古でそういう演出になったみたいですよ?」とシラを切ってお伝えしました。



■ケイ役の綾さん

前坂出市長というスペシャル過ぎる肩書を持たれる役者さんです。

「歌舞伎門事変」「石を食べた男」と、何気に綾さんとも三度目の共演でした。

今回は円卓の騎士の一人ということで、若者に混じってめちゃめちゃ運動させられていた姿が印象的でした。

ケイという茶目っ気たっぷりの役柄がとても似合っていたように思います。

こうして同じ舞台に立ってくださるというのは、役者陣としてもありがたいことだなと感じます。

あと、毎回すんごい美味しい差し入れをしてくださいます、本当に感謝です。



■パーシヴァル役のけんさん

勝手に超仲良しだと思ってます。

けんさんとも「歌舞伎門事変」以来の共演でしたが、実は同じシーンに出る機会はほぼなかっです。

今回もほぼないなぁと思ってたら、オープニングで一緒に戦ってました。

あと、普段からギャグセンスが高いです。

お客さんには見せることが叶わなかったのですが、パーシヴァルVSランスロットの衝撃のアクションシーンも実はあったんです。

二人でこそこそ稽古していました。

結局日の目を浴びませんでした。

それもいい思い出です。



■アグラヴェイン役のくつなくん

劇団まんまるのメンバーであり、漫才コンビ三日月リリィのボケ担当ですね。

リリィはKLAの屋外イベントでもお世話になったんですよね、懐かしい。

そして、共演自体は今回が初めてということで、顔合わせの時から楽しみにしておりました。

作中での自分の役割を忠実に全うしつつ、その上で遊ぶところは遊びつつ周囲への細かい気配りも忘れない、まさに職人のような役者さんでした。

たぶん今回の出演者の中で一番遠くから稽古に通ってくれていて、体力的にもスケジュール的にもめちゃめちゃハードだったと思います。

ただ、事前に送られたアクションの動画とかもきっちりと予習して仕上げた状態で現場入りしてくれるのでめちゃめちゃ頼もしい存在でした。



■ガヘリス役のぶんちゃん

なんであのウィッグがあんなに自然と似合うのか、まさに奇跡のような存在でしたね。

ぶんちゃんとは「歌舞伎門事変」「石を食べた男」に続いて三回目の共演でした。

その上でいつも思うのは、毎回ぜんぜん毛色の違うキャスティングを受けてる人という印象です。

たぶん演出の岡田さんもキャスティングするのが楽しいんでしょうね。

今作ではガヘリスという自由なことこの上ない役を演じられていて、端から見ている分にはめちゃめちゃ面白そうだなぁと羨ましかったです。

ただ、本人からしてみたら毎回無茶振りの連続だと思うのでそこはかなり苦悩があったんじゃないかと察するところです。

あと、ぶんちゃんも話しかけるといつもにこにこ返してくれるのでとてもいい人です。



■ガレス役のよりきさん

「歌舞伎門事変」以来、二度目の共演でした。

今回アクションシーンで真っ先にランスロットに斬りかかる場面があったんですが、空き時間があればひたすらにその一手を何度も何度も反復練習する姿をよく目にしていて、ありがたいなぁと感じておりました。

あと、ガレス役だけでなくサトルという作中でも屈指の重要人物も演じられておりました。

相棒のピカツルと共に舞台袖へとハケていく後ろ姿はランスロットの心に深い楔をいくつも打ち込んでいきました。

私はランスロットである前に、しょせんは一人の加藤直という役者なんだと、思い知らされました。

巨体を乗せた台車、どれだけ踏ん張っても滑る床、あらゆる苦難に立ち向かうために生み出されたハの字歩行。

私はこみ上げる衝動…いや、笑動を抑えるために必死でした。

惜しむらくは、この笑撃を分かち合える人がどこにもいないという事実。

GoProを装着しておけばよかったと深く後悔しました。



■ピカツル役のまささん

サトル同様、ランスロットに深い笑撃を容赦なく与えてきた存在です。

とくに二日目の朝の公演では誰にも見られないところで台車ごとコロンと転けるという反則技を仕掛けてきました。

モンスターダンボールという強固な牢獄に閉じ込められていたピカツルは為す術もなく転倒、それに巻き込まれるサトル。

限界でした。

私は深い傷を隠すかのごとく観客席に背を向け、この凶悪なモンスターを呼び寄せた元凶であるマーリンを睨みつけました。

おそらくここが個人的なピークだったと確信しています。

まささんはいつも穏やかにニコニコしていて、それに憧れて私も真似を試みるんですが、やはり付け焼き刃ではなかなかうまくいかず。

やはり天性のものなんだなぁと思い知りました。



■マーリン役のみしまちゃっぴーたかやさん

マエカブの看板役者の一人。

「歌舞伎門事変」「石を食べた男」に続いて三度目の共演でした。

今作のダンスの振付も担当されています。

事前にラジオ番組にもご出演いただいて一緒に公演の告知もさせてもらいましたが、その際に「マーリンは動く大道具」というお話が飛び出しました。

その通りで、今回めちゃめちゃ動きにくそうな衣装を着ていたんですが、最終的には見事着こなすというファッションセンスを披露。

優雅なターンに追随する数々の触手は、夏の夜の花火か、あるいは凍土のオーロラのごとき美しさがありましたね。

終盤、モードレッドと二人での動きがとても好きで、いつも稽古の時に楽しく拝見してました。



■お花畑三姉妹役のSAN-BABAさん

中越さん、住友さん、結さんのお三方。

以前から面識はあったものの、舞台としては今回が初共演でした。

とくに結さんとは提携している事務所繋がりでお世話になってます。

今作ではかなり奇抜な役柄で、他の追随を許さない存在感を持ってランスロットを苦しめた存在でしたね。

慣れない現場ということもあったかとは思いますが、稽古から本番まで本当にお疲れさまでした。



■小学生のお母さん役のとりっぴー

私に限らず誰もが初共演でした。

風とともにやってきた謎多き青年、その名もとりっぴー。

寡黙なように見えて意外と喋るとりっぴー。

私が稽古場の掃き掃除をしていると手伝ってくれるとりっぴー。

彼が一体何者なのか、それは今後明らかになるのかもしれない。



■ギネヴィア役のゆめかちゃん

マエカブ公演では三度目の共演でしたが、去年コントでもご一緒しました。

今作中、かなり難しい立ち位置だったのがこのギネヴィアという役だったと思います。

ストーリーの軸に関わる存在にも関わらず、ほかの役とはもともとの関係値がないため、舞台上にてリアルタイムでそれを構築し、そのままお客さんの目に触れるというなかなかにハードルの高い役回りだったと思います。

様々な葛藤が生まれてはそれと向き合い、その間にまたべつの葛藤が押し寄せたりと、胸中穏やかではなかったのではないかなと思います。

苦戦しながらも、日に日に稽古場でギネヴィアという役が形成されていくのを見ているのはとても楽しかったです。

あと、稽古後のラーメンにも付き合ってくれるとても優しい存在です。



■ランスロット

私です、以上。






とまぁ、ばばばっと共演者の皆さまについて書かせていただきました。



気付けばめちゃめちゃ時間が経っているというか日付が変わってます、恐ろしい。



代表の岡田さんをはじめ、まいさんや猫天さんといった素敵なスタッフの皆さま。



素晴らしい生演奏を響かせてくださったさぬき真鍮管研究所の皆さま。



穴吹デザインカレッジの学生の皆さま。



本当に沢山の方のおかげで舞台が整い、沢山の方に芝居をお届けすることができました。



あらためて、関わってくださったすべての皆さまに御礼を申し上げます。






最後に、どうしても言っておきたいことがあります。



芝居の稽古の合間に、マーリンを封印するためのヴィヴィアンの酒瓶を作っていたんですが、それがめちゃめちゃ楽しかったです。