最近。
夜、部屋に帰るときに。
空を見ると。
東の空が赤く染まっているんです。
なんだろう?
東の空。
時々、東京の役者友達と電話したりする。
『元気?』
『元気だよ、今度こういう舞台やるんだ』
『へぇ~、面白そうだね』
『お前も頑張れよ』
『おう』
何気ない会話。
はたまた、
『元気?』
『うん、元気だよ』
『最近どう?』
『いやぁ、役者辞めたんだ』
『そうなんだ』
何気ない会話。
でもちょっと寂しい会話。
別の夢ができたり、
やむを得ないことだったり、
理由は十人十色。
でも、
もうその人の芝居は見れないんだなぁと思うと寂しい。
とてもいい演技をするのに。
私なんかよりよっぽど上手いのに。
そんなことを考えることもある。
今。
私は舞台に立っている。
昔から、いろんな演出家に『お前は本当に下手だな』と怒られ続けてきた私が舞台に立っている。
自分でもよくわかっていた。
それでも舞台に立っている。
いつも世界は謎だらけで。
日常には不思議しかなくて。
劇場にはカミキリムシがいて。
私は舞台に立っていて。
東の空は赤くて。
そう、東の空が赤いんです。
物事には意味などなくて。
それでも意味があって。
それは作ってきたもの、作られてきたもの。
だから東の空が赤いことに疑問を持たない。
全てが不思議でしかないから。
あ。
黒髪にした理由なんですけど。
ある日。
ナイターAチームのメンバーを見渡したわけですよ。
そしたら、
私だけ髪がやたらに明るかったんです。
ただ、それだけです。
若干茶髪になってきたのは、
早くも魔法の効果が薄れてきたからです。
蚊に刺されたところが未だに痒いです。
昔。
人間が感じる一番の苦痛は『痒み』だと、何かで聞いたことがあります。
加藤直の主食はお煎餅ではありません。
いや、好きですけどね。