横須賀ボー | カトケンの部屋

横須賀ボー

僕は世田谷区で生まれたのだが

その頃の記憶はまるでない。

ものごころついた時には

立川基地のそばに住んでいた。

 

小さい頃、立川の街では

足を失った帰還兵らしき人が

アコーディオンを弾きながら物乞いをしていた。

いや、今の感覚で言えば

ストリートミュージシャンなのかもしれない。

しかし、白装束で地べたに座り

おどろおどろしい文字の紙をかかげて

暗い曲を演奏する片足のない人は

幼い僕にとってホラーであった。

 

北口と南口をつなぐ地下道は

耐え難い悪臭を放っていた。

「赤線」のなごりのある地域は

派手で蓮っ葉な女の人や

一目でヤクザとわかる

おっかない男の人がたくさんいた。

 

おいそれと近づくと2度と帰って来られない

恐ろしい場所だと感じていた。

 

立川基地は1977年に日本に返還され

今は昭和記念公園などになっている。

 

高校生になってバイクの免許をとり

横田基地に行った。

バイクでちょっと出かけるには

ちょうどよい近さだった。

まあ、行ったと言っても中に入れるわけではない。

なにしろ中の住所はロサンゼルスである。

 

基地の周りは米軍相手の店を中心にして

独特の雰囲気を持っていた。

そしてその雰囲気に憧れた。

「スローなブギにしてくれ」という映画にも影響され

米軍ハウスやその中にある家具にも

憧れを持った。

 

横須賀にも米軍基地がある。

黒人兵が多いイメージがあるが

実際にはどうなのだろう?

「サーカス」というクラブがあって(場所は横浜?)

黒人と彼ら目当ての日本人ギャルが集まっていた。(らしい)

そんな黒人好きの女の子のことを

「横須賀ボー」と言っていたようである。

それをただ歌にした。

シンプルにしてストレートなナンバーである。

 

こんな歌も時にはいいんじゃない?

よかったら聴いてみてくださいね!