営利主義 | カトケンの部屋

営利主義

おそらく一番初めに作ったデモテープの1曲目のナンパーである。

高校1年。

パンクの洗礼を受けたばかりの僕が

「洗礼」のきっかけを作ったバンドメイトのカツジとともに書いた曲だ。

歌詞をカツジ、曲を僕が書いた。

「青さ」というよりも「幼さ」すら感じるが

それでも初期衝動の「かっこよさ」がある?!

Aメロの転調っぷりも斬新だ。

 

この曲を最初に演奏したバンドは「EXTACY」(エクスタシー)という名で

高校時代に力を注いでいた。

ベースがカツジで僕がボーカル&ギターだった。

ほかにギタリストとドラマーがいたが

彼らはもうバンドマンではないと思うのでここでは割愛する。

 

カツジとはその後「一般死民」というバンドを結成。

5曲入りのソノシートを発表した。

その時作ったレーベルが「死民レーベル」である。

残念ながら、このソノシートには「営利主義」収録されなかった。

なので、音源がない。

無数にあるカセットのデモテープの中から

この曲を探すのは容易ではなかった。

一度はあきらめて、全く覚えてなかった2番の歌詞は

「今から考えるか?」というところまでいった。

しかし、幸いにもこの曲が入った古〜いカセットテープを発見。

無事「テープおこし」をすることが出来た。

 

この曲はEXTACYというバンドにとっては馴染みのナンバーで

しばしば演奏した。

一般死民になってからもそれは続いた。

特に印象に残っているステージと言えば歌舞伎町のホストクラブであろう。

店の名前はもう忘れてしまったが

伏見直樹という伝説のホストに誘われて出演したのだ。

 

ライブハウスに置いてあったフライヤーが気に入ったのか

突然全く無名であった「一般死民」に

伏見氏本人から直々に出演依頼が来た。

「なんで俺たちがホストクラブで?」と思ったが

ギャラも払ってくれるということで承諾した。

 

実際に店に行ってみると、それはもう全く場違いで

どんな顔をして演奏すりゃいいんだ?とは思ったが

そこは「俺たちパンクスなんだから、これでいいいんだ!」と

「営利主義」を熱唱(下記YouTube映像の歌詞カードに注目)

若いホストやお客さんはただただ呆気にとられていた。

「もう懲りただろう?」と思ったら伏見氏は

もうワンステージやってくれと言う。

 

「まじか?」

 

もうワンステージやった。

他のことは覚えてないけど。

ホストクラブで「営利主義」を叫ぶ!という何ともシュールな図であった。