ピエロになりたい | カトケンの部屋

ピエロになりたい

僕は鍵盤がまるで弾けない。
一度だけピアノを少し習ったことがあるが
全然練習しなかったため
さっぱり弾けるようにならなかった。

そんな僕が20代~30代に使っていた鍵盤は
「ポータサウンド」という小鍵盤のキーボードである。
弾けないのに、どうやって「弾いていた」かというと
自動演奏である。

自動演奏と言っても
勝手に弾いてくれるわけではない。
低音部の鍵盤を指1本ないしは2本押さえると
内蔵のドラムマシーンのリズムに合わせて
コードを演奏してくれた。
それに高音部の鍵盤でメロディを乗せる。

例えば、指1本でCの鍵盤を押せばCメジャー。
右隣りの黒鍵を同時に押せばCマイナー。
右隣りの白鍵を同時に押せばCセブンス。
右隣りの黒鍵と白鍵を同時に押せばCマイナーセブンス。
そんな仕掛けになっていた。

おそらくちゃんと弾ける人にとっては
かえって面倒な仕組みだと思うが
僕にとっては重宝な機能だった。

この機能を駆使して作った曲がこれ。
「ピエロになりたい」である。

盲目的で倒錯的な愛を
ダンスビートに乗せて歌ってみた。
当時やっていたバンドでは
全く出来そうもないナンバーであったため
ずっとお蔵入りであった。

ただ、個人的にはなかなか気に入っていたので
いつかチャンスがあったら発表したいと考えていた。
KMOが始動して
このバンドならハマりそうだと思ったのだが
実際には実現しなかった。

そういうわけで
このダンスチューンを弾き語りでやるのはどうか?
とも思ったが
やってみると意外によかった。
歌自体は歌謡曲寄りであるから
弾き語りにもマッチした。
メロディが立っている。

それでは聴いてみてください。
「ピエロになりたい」