すべてをギャグに | カトケンの部屋

すべてをギャグに

えびの最初のアルバム
「あわせみそ」に収録されたナンバーである。
当時はこれくらいで
かなり「速い」曲であった。
ちょっとダムドっぽくもある。

「ことわざ君」は
この曲でも本領を発揮し?
「笑う門には福来る」というのが
歌詞の中に登場する。

これを聴いたファンの方に
「そうですよね。笑っていれば良いことが起こりますもんね」
と言われて
ちょっと答えに困ってしまったことを覚えている。

確かにこのことわざの意味はその通りである。
しかし、僕がこの曲を作るきっかけになったのは
ストラングラーズのジャンジャック・バーネルの言葉
「そんなに笑ってばかりいると目が見えなくなっちまうぜ」である。

世の中、深刻な問題ばかりなのに
よくそんなに能天気に笑ってばかりいられるな
というような文脈で語られていたと思う。

更に僕はそこで終わらず
いち小市民として
「深刻な問題」に対峙して考えることの困難さを感じ
それだったら最初から目なんか見えない方が
つまり、そんな問題に気が付かない方が
幸せに近いのではないか?と問う。

360度回転して元に戻ったのか?みたいな話だが
そこには一度気づいてしまった者が
2度と元の場所には戻れない悲しさを含んでいる。

曲の内容について
作者が説明することは
なんとも「いけてない」感じだ。
だが「深刻な問題」が山積みになっている現在
新たな意味を帯びてきたナンバーだと思った。

聴いてみてください。
「すべてをギャグに」