マドンナ | カトケンの部屋

マドンナ

この曲を最初に発表したのは

3本目のカセットテープ「かにみそ」である。

 

その頃はバンドがかなりいい感じになっている時で

レコード会社や芸能事務所などから

ずいぶん声をかけていただいた。

 

その中でも特に熱心に親身に接してくれていたのが

甲斐バンドのギタリストの大森さんだ。

当時ファンハウスレコードのプロデューサーだった。

彼はえびのことがとても気に入っていて

ライブには皆勤賞とも言えるくらい毎回通ってくれた。

ご飯をご馳走してくれたり

メンバーのバイトの世話までしてくれた。

 

歴史に「たられば」はないが

この時、ファンハウスと契約していたら

と思ったことは数え切れないほどある。

そんなに良くしてくれたのに

WEAと契約してしまったからだ。

 

もちろんWEAの人も一生懸命だったし

(えびをサザンオールスターズにすると言っていた)

タイミング的に大森さんが少し離れ始めた時期でもあったので

仕方がないというところもあるが

結果としてうまくいかなかったために

どうしても「たられば」を考えてしまう。

 

大森さんが施してくれたことの中でも

特に大きかったことの一つが

上記の「かにみそ」テープ5曲を

ファンハウスの巨大なスタジオで

レコーディングさせてくれたことだ。

 

えび、というか僕にとってのホームスタジオとも言える

「OUR HOUSE スタジオ」は

小さいスタジオとしてはすごく良い音が録れる。

しかし、トップメジャー、

おそらく小田和正さんなどが録っていたと思われる

でっかいスタジオでのレコーディング。

今思えば、これは本当に素晴らしい経験だった。

しかも「タダ」なのだ。

 

なんとも申し訳ないことをしたなあ

と30年以上経った現在、苦い思いを感じる。

 

さて、肝心の?歌の内容だが

30余年の月日でジェンダーをめぐる状況は

ずいぶん変わってきた。

「お茶汲み」とか「腰掛けOL」なんていうのは

死語かもしれない。

 

ただ、女の人の方が「選択肢が広い」というのは

今も変わらない、というか更に増えている感じがする。

下世話な話だが

「子供は絶対自分の子」というのも女の人の特権?である。

 

この曲を作った背景に

土井たか子さんを筆頭にした

「マドンナ旋風」があったことは言うまでもない。

 

では聴いてください。

「マドンナ」