ミュージカル1789 バスティーユの恋人たち2018
先日の博多公演で全ての公演が終了しました。
全部で111公演。俺はその半分ですが、この長期の公演を大きな怪我も病気もなく、誰1人欠けることなく終えられたことを誇りに思います。
キャスト一人一人の意識の高さ、支えてくださったスタッフの皆さまの優しさ、応援してくださったお客様の力…本当に多くの人たちが力を合わせて成し遂げられたことなんだと思います。

初演から再演へ…

ベスの時ほど大きな変更もなく始まった稽古。
小池先生と2人でご飯を食べに行って言われたことが今になってよくわかる気がします。
若さがない
ということは
実際に見た目や気持ちが若いのとは違う。
芝居においての若さとは…
きっとものすごく難しいことだと思う。でも、年齢を重ねたからこそ出る、出せる若さ、というのもあるのではないかと考えた。

実際に芝居をして、それがどう表現できていたか、ということは実は自分にもよくわかっていない。しかし、ロナンを演じる上で1番大事な、行動理念というところに着目した。
小池先生もおっしゃっていたが、「怒り、憤り、悔しさ」俺のロナンはこの感情が大きかったと思う。革命家やオランプと出会ってからは、「信頼、裏切り、愛、悲しみ、苦しみ」が強かったと思う。
一農民である彼が人と出会い、成長していく姿。
それは自分自身も同じなんだと思った。
純粋であり、無垢であること。
これを表現することで若さが出るのかもしれないと俺は思ったのです。

もちろん、これは個人的な見解だし、皆がそうであるわけではないが、少なくとも俺はそういう風に今回のロナンを演じた。さまざまな経験を糧にして。

彼は本当に純粋で、時に天然で(笑)人懐っこくて、でも本当は寂しがり屋で人一倍傷つきやすくて、それでも全部捨てることもできなくて…彼が言う、不器用な生き方しかできない、と言う言葉。凄く共感できるんだよね。

今まで演じたどの役よりも自分に似てたから感情がリンクしやすかったし、舞台上でロナンとしていられたのではないか。俺よりは向こう見ずで無鉄砲なところはあるけど(°▽°)

そんな彼が、冒頭で全てをなくした彼が、足掻いて、もがいて、仲間と出会い、決裂し、大切な存在に気付き、愛し、愛され、必死に生きて、生き抜いて、死んでいく…

でもね

幸せでした。
ロナンとして。

彼の生き様、存在は永遠に刻み込まれる。
俺のこの肌に、身体に、心に。

ロナン


君と出会えて俺は幸せです。
たくさんの感情をくれました。
ありがとう。


そして、仲間たち。
本当に素敵な人たちに出会えたことを嬉しく思います。

その中でも特筆したいのが、共にロナンを演じ、戦い抜いた小池徹平。
大阪公演中のとある日、ご飯を食べながら2人きりで話していた時に彼が言いました。
俺はお前のことが心配だ、と。このロナンの大変さを分かち合えるのは世界中で俺とお前だけなんだ。だからお前がどれだけキツイかも痛いほどわかる。無理はするな、と。
心が熱くなりましたよ。
てっぺーがダブルで心から良かったと思う。
ありがとう。


神田沙也加
夢咲ねね

2人のオランプとは毎日タイプの違う刺激的な芝居ができた。
どんなことがあっても寄り添い、ヒロインとしての在り方を常に追求していたさや。
時にロナンよりも無鉄砲でどこかほっとけない雰囲気を醸し出すねね。

彼女たちがオランプで本当に良かった。

渡辺大輔

またタイタニックでも共演するが、今回1番安定していて、俺たちの心を支えてくれた存在。
大ちゃんがデムーランでなければあそこまで遠慮なしに芝居はできなかったと思う。
本当に傷ついたし、イラっとしたし、悲しかったし悔しかったし(ロナンとしてです笑笑)。でも嬉しかった。



三浦涼介。

りょんとはバンビーノ2以来の共演。彼の進化はついに止まらなかった。凄いことだ。
最後まで新しいロベスピエールをみせてくれた。
彼が今回の再演で俺たちに与えた影響は計り知れない。
バンビーノの時は役柄的にもそんなに近い存在ではなかったけど、今回の関係性の中で、りょんりょんの魅力に魅せられた気がする。それは俺だけではないはずである。


上原理生

ダイナミックで熱く、でも誰よりも皆のことを考え行動する男。
ダントンはリオ以外考えられません。だってダントンそのものなんだもん。
ロナンとしては革命家の中でも少し特別な感情を持って接していた。ソレーヌのこともあるからね。
博多で彼と2人でご飯を食べてミュージカルについての話をしたんだよ。この男はきっと生涯仲間であると確信した。

ソニン

パワフルすぎる年上の妹(笑)
マズリエ家は血の気が多いようです。
初演よりも繊細で、かつ熱量の上がったソレーヌはかけがえのない存在でした。刺激しかなかったし、ソニンがソレーヌだから、俺はロナンでいられたような気もする。


凰稀かなめさん
龍真咲さん

タイプの違う2人のマリー。

皆の姉さん的存在で、時に母のような温かさで皆を包み込んでくれたかなめさん。

初代ロナンであり、でもとても男役とは思えない可愛らしさで皆を魅了し、茶目っ気のあるちゃんまゆ。

お二人の個性が滲み出ていたマリーでした。

広瀬友祐

ちょくちょく任地を抜け出すフェルゼン伯爵笑笑
マリーを想う熱量、半端ない。フェルゼン半端ない。とにかく男前すぎる。彼の、マリーとの別れのシーンは、どこかベスを思い出して、胸が熱くなっていました。漢です。

吉野圭吾さん

フランス版を観て、アルトワは圭吾さんしかいないとずっと思ってた。この人以外に考えられない。ねっとりとした芝居、怪しさ、冷徹さ、怖さ…圭吾さんのアルトワ大好きでした。

坂元健児さん

健児さんがいなければここまでコメディ要素はなかったと言っても過言ではない。客席いじりをいつも舞台上で聞いていて笑いを堪えるのが大変でした。というか、結構笑ってました(笑)
本当に器用な先輩。


岡幸二郎さん

岡さんがペイロールだったから全力でぶつかれた。本当に憎かった。そんな岡さんは本当は後輩想いで優しくて、素敵な先輩。岡さんみたいな大人の役者になりたいと切に思う。

磯部勉さん

父、シモン・マズリエ。そしてネッケル。
ネッケルとの絡みはないけれど、そして父さんとの絡みも少しだけど、死に際の芝居がもうほんとに悲しくて。毎公演泣いてました。ロナンのパリ行きのきっかけを作る存在。すべては彼の死から始まった。
磯部さんが父さんで今回のロナンはさらに成長できたと思う。

増澤ノゾムさん

自分では何もできない、決められないルイ16世。
初演からさらに深まった陛下の芝居。特にラストのマリーとの芝居は稽古中からグッと胸にこみ上げるものがあった。弱いからこその、強さを表現できるノゾムさんは本当に凄い。いつも俺たち若手と絡んでくださり、分け隔てない人との接し方は、ルイ16世が望んでいた貴族と平民の在り方だったのかな、なんて思わせてくれた。


渚あきさん

ほとんど、というか、全く絡みがなかったポリニャック(笑)今回の再演から参加のあきさんはいつも笑顔で俺たちを和ませてくれた。ポリニャックとは正反対。稽古場でいただいたお塩、大切に使ってます。


岡田亮輔さん

パイセンはいつもとにかくハッピーで、俺やメンバーのことをいつも気にしてくれて、その存在にどれだけ救われたことか。欲を言うならもっと絡みたかった。ハッピーをありがとうございました。


加藤潤一

ご存知ゴリ。
ゴリがカンパニーにいるとみんな笑顔になる。間違いなくダントツのムードメーカー。プライベートでも仲良くしてくれてるからこそわかるお互いのこの作品に対する想い。ゴリがいてくれると変に気を使わなくていいんだよな。
本当に感謝している。


則松亜海

マタ・ハリに続いての共演。
初演より一回りも成長したリュシル。ボーカルキャプテンを務めてくれて、とても頑張ってくれた。デムーランの1番近い存在であり、良き理解者のリュシルの存在はやはりなくてはならないものだった。素敵でした。

松澤重雄さん

もうほんと大好き。
ピュジェ中尉としての絡みも好きだし、乞食での絡みも何気に好きだった。舞台袖で多分1番一緒に過ごした時間が長いのではないだろうか。皆のことが好きなシゲさんは、皆から愛されるお茶目な大先輩で、安心感が半端ない。


そしてアンサンブルの

猪狩裕平(いがり)
伊藤寛真(いとぅー)
大久保徹哉(ドム)
大場陽介(よーちゃん)
加賀谷真聡(まーくん)
鮫島拓馬(さめちゃん)
鈴木凌平(ジャル)
仙名立宗(たっつん)
高橋翔太(しょーた)
竹部匠哉(べーちゃん)
当銀大輔(だいちゃん)
橋田康(やすし)
松永一哉(かずや)
山下銀次(ぎんじ)

井出恵理子(えりこ)
井上真由子(よしよし)
織里織(おりちゃん)
北田涼子(りょーこ)
島田友愛(ゆい)
杉浦小百合(さーちゃん)
橋本由希子(ゆっこ)
花岡麻里名(まんな)
東川歩未(ひがちゃん)
平井琴望(ことみ)
増井紬(つむつむ)
松島蘭(らんちゃん)

それぞれがそれぞれのポテンシャルを活かし、役割を最後まで果たしてくれた。初演から参加している人、新たに参加した人いるけど、皆本当に仲が良く、時にぶつかり、刺激しあって、お互いを高めていった。
この長期公演を毎回毎回身を削るような思いで頑張った彼らに、心からの感謝を。


そして、俺たちキャストを支えてくれた関係各所の皆様。
各劇場のスタッフさんたち。

そして何より、この作品を演出、潤色し、俺たちを導いてくれた小池先生に感謝を。

劇場に足を運んでくれた皆さん、応援してくれた皆さん。
最後まで見守ってくれてありがとうございました。

1789に関わったすべてのひとに、最大の感謝を。


長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。

作品は終わってしまいましたが、この1789は今後続いていく作品になると願っています。
また関われたら嬉しいな。

ふとした時にロスになりそうですが(笑)そんな時はDVDを観ましょう(^-^)


本当に、本当にありがとうございました。

















一部ですが

想い出。