NO.9、北九州公演を本日無事に終え、全公演終了しました!

観に来てくれた皆さんありがとうございました!

9月から稽古が始まり、約2ヶ月間…終わってみればあっという間でした。

今日は総括して感想を書きます。今思うことを。




初めてこの作品の台本を読んだ時、まさかこんなに壮大な物語になるとは正直思っていませんでした。

ほぼ会話劇で、本読みをした時になんとなくの全体のイメージができて、稽古を進めるにつれコーラスの皆さんが参加し、さらに肉付けされていき、シーンごとに演奏されるベートーヴェンの楽曲も決まっていき…
白井さんが丁寧に繊細に、かつ大胆に演出していく姿は、時にオペラを指揮するベートーヴェンの様でもあり…

しかし、舞台上には絶対的存在の吾郎さんベートーヴェン。
膨大な台詞量、身体と喉を酷使する破天荒な芝居。

時に脆く、弱く、儚げな面をみせるベートーヴェンは、偉大な音楽家である前に、俺たちと同じ一人の人間なんだ…
吾郎さんの芝居を弟として支え、近くで見ていた俺は、そのことを強く感じました。

それは俺だけではなく、みんなが感じたことだと思います。

その感情をみんなで共有し、第九…NO.9というひとつのとてつもなく大きな音楽を奏でられたからこそ、こんなにも人の胸を打つ壮大な物語になったのだと思います。

「その激しい怒りも、嫉妬も、全部くれ。お前のその感情が、その響きが、新しい音楽を生む。これはお前の…私たち全員の音楽だ。それこそが喜びの歌ではないのか?」

フリッツの心を動かしたベートーヴェンの台詞。
俺はこの台詞が好きです。

これは舞台上の俺たちだけではなく、客席のお客さんにも語りかけている台詞だと思います。

みんなが客席で観ていて様々な感情が沸き上がり、反応してくれるからこそ、芝居は成り立つ。

劇場にいたみんなで奏でた音楽…
それこそがこのNO.9という作品。

本当にありがとうございました。

また新たな景色を見ることができました。

NO.9は今日で終わりましたが、俺たちが奏でる音楽はまだ終わらない。

それぞれの生活で、活動で、また新たな音楽を奏でていくのである。

この作品に関われたことを幸せに思います。

この思いを胸に、明日からも自分なりの音楽、芝居を追求していきます。

吾郎さんをはじめとするキャストの皆さん、演出の白井さん、脚本の中島さん、制作・スタッフの皆さん…そしてお客さん。

この作品に関わったすべての人に、心からの感謝を。



そして、悩んで、苦悩したけど、俺にたくさんの感情を教えてくれたニコラウス…ありがとう。
あなたと出会えてよかった。