私の大学院での

研究テーマは「安全保障」

 

その中でも

「プロパガンダ」に関して

研究をしていました。

 

 

プロパガンダの基本は、

敵を「憎むべき対象」とする事で

戦意高揚を図り、

自軍の行動の正当性を

国民に浸透させていきます。

 

この時、

敵を「強い存在」として

イメージを作るか、

「弱い存在」として

イメージを作るか、

アプローチが異なります。

 

例えば、

1930年代中盤に

ヒトラーが台頭し始めた頃、

アメリカの政治風刺漫画が描く

ヒトラー像は、

物理的に小さく描かれていました。

 

大きなムッソリーニと小さなヒトラー

 

そんなコントラストでした。

 

それが第二次世界大戦が勃発すると、

ムッソリーニとの関係は逆転し、

 

大きなヒトラーと小間使いムッソリーニ

 

そんな漫画が登場するようになり、

画面全体に死神や悪魔と並ぶ

巨大なヒトラーが描かれるようになります。

 

強き悪の存在として、

叩くべき、戦うべき存在としていきました。

 

 

他方、

日本のケースでは、

「大本営発表」が好例ですが、

日本は連戦連勝で

アメリカ、米軍、米兵は

悪の存在ながら弱い存在として

伝えられていきます。

 

そこに日本軍が現れれば、

蹴散らされる一方の米軍。

 

その為、

実際には敗北し、撤退しても

「転進」

などの謎の単語を使い、

勝ち続けているのに

日本本土にどんどんと迫られる

報道と現実の間に大きなギャップが

生まれるようになります。

 

 

この「大本営発表」は

情報社会である21世紀でも健在で、

ウクライナ軍の連戦連勝と

大損害の弱兵ロシア軍ながら、

 

「敵を撃退し、

より有利な場所に移動した」

 

というかつての日本で聞いたような

政府発表をして、

現実的にはウクライナは

次々と都市や集落を失っています。

 

開戦時、

「ロシア経済は3か月で破綻」

と世界中が報じ、

開戦後も

「ロシアの武器備蓄は半年持たない」

と世界中が報じました。

 

現実はNATOの武器弾薬の方が尽き、

ウクライナにロシアとの妥協ではなく

戦争をけしかけた

NATO諸国からの支援が

滞る事態となりました。

 

そう、ロシアを

「悪の存在ながら弱い存在」

として開戦前から一貫して

欧米社会(日本も)は

イメージ化させてきました。

 

 

この「弱い存在」で

報じる事のメリットは、

自軍の兵士を最強&英雄に

仕立て上げられる事です。

 

一方のデメリットは、

最弱兵士の敵軍と

最強兵士の自軍が戦う以上、

負ける事が許されなくなります。

 

その結果生じる現実と報道の齟齬が、

「転進」です。

 

勝って、勝って、後退。

勝って、勝って、後退。

 

報道上はこうなります。

 

そして、

相手が弱く、

自国が結局勝つシナリオしかない以上、

停戦交渉も和平交渉も

不利な条件下では出来なくなり、

自分たちの行動の選択肢を

狭めてしまいます。

 

また、相手が弱いと

将校から兵卒に至るまで

プロパガンダが大成功すると、

念入りに作戦を立てず、

行けば勝てる、

と無理な攻撃を仕掛ける事に繋がり、

転進に次ぐ転進・・・

ようは敗北と敗走を

繰り返す事になります。

 

戦中の日本を思い返せば

簡単にイメージが出来ます。

 

 

意識も行動も

政策の選択肢まで縛ってしまう、

デメリットの方が遥かに大きい

「最弱敵兵」プロパガンダとなります。

 

 

 

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