ウクライナ戦線では、

最重要要衝の地の1つからの

残留自軍部隊を見捨ててまでの撤退が

ウクライナ軍から

正式に発表がありました。

 

最前線の負傷兵を

見捨てての「撤退」は

あり得ませんので、

「敗走」と言った方が適切でしょう。

 

その後は、一斉に全土的に

ロシア軍の進軍が続いています。

 

ずっと大本営発表として

「成功」しか口にしてこなかった

ウクライナ軍や政府が、

現状の厳しさを口にするようになり、

 

「欧米の支援が

もっとあれば勝てるのに・・・」

 

とウクライナは訴えます。

 

この発言こそ、

安全保障や国家の防衛戦略の

本質を示しています。

 

 

ウクライナは

他国からの終わらぬ最大限の支援

を前提に戦略を立てました。

 

 

昨年のウクライナ軍の反転攻勢前、

ロシア軍とプーチン大統領は

壮大な「損切り」を実施し、

ウクライナ占領地から

守りやすい地点へと一気に戦線を下げ、

3重の防御陣地を設置して守勢に徹します。

 

欧米各国から

「ロシア軍弱し」と蔑まれた時期です。

 

しかし、

反転攻勢では3重防御陣地の

1線目にさえ到達出来ず終わります。

 

その後も攻勢をかけるウクライナ軍を、

ロシア軍がいなし続けます。

 

攻勢において兵員と兵器を

大量に失ったウクライナ軍は、

守勢時に温存した部隊で

攻勢に転じたロシア軍の攻撃を前に、

兵も兵器も足りない状況となりました。

 

全土奪還!!

を目指すが為に、

状況が不利な局面でも撤退することなく

徹底抗戦を続けたため、

「損切り」が出来ず、

より大きな損失を

被る状況となってしまいました。

 

その結果が、

要衝の地の喪失と、

現在のほぼ全ての戦線での

ロシア軍の攻勢に繋がっています。

 

 

「欧米の最大限の支援が永遠に続く」

 

これを前提にしたウクライナの

戦略ミスが生んだ結果と言えます。

 

欧米に

「うちらはAmazonじゃない」

と言われる程に、

終わる事の無い「欲しい物リスト」の

提出がウクライナから続き、

欧米側には「気分としての支援疲れ」と、

「現実としての余剰兵器の減少」が生じ、

支援が先細りになっていきました。

 

これを見越していた

ロシア側の「損切り」からの

3重防御陣地での守勢の選択は、

「ロシア軍弱し」ではなく、

逆に「ロシア軍強し」の証拠でした。

 

いずれ攻勢に出れば

勝てると思えるからこそ、

欧米メディアに蔑まれながらも

防御に徹する事が出来ました。

 

そしてその戦略の狙い通り、

欧米の支援もウクライナ軍の攻勢も

息切れを起こしました。

 

 

こうなると、

ウクライナ軍の勝利で終わった場合の

利権の為に支援していた部分のある

欧米にとって、ウクライナ支援は

「美味しい投資案件」では

益々無くなっていきます。

 

国際政治は

「正義」や「可哀そう」などの

感情では動かず、

「国益」の追求で動いていきます。

 

ウクライナ支援が

それぞれの支援国の

国益に繋がらないとなれば

支援は小手先になっていきます。

 

欧州外交評議会が先日実施した

欧州各国での世論調査では、

この戦争の終着点として、

ウクライナ勝利:10%に対し

ロシア勝利:20%と

(欧州各国の調査の平均値)

欧州市民の間での

ロシア支持か否かではなく、

ロシアが勝つだろう、との見立てが

ウクライナ支援をしている国の世論で

倍の差を付けるに至っています。

 

なお、最大世論は両国間の

和平合意で37%です。

 

こうなると、

勝てない戦争に税金投入するのか??

という声が当然出て来ますので、

より支援には慎重になっていきます。

 

 

ウクライナの失敗は、

他国の支援を前提に国防戦略を立て、

NATO加盟はレッドラインと

明確に示したロシアに対して、

政治・外交的言葉で濁すのではなく、

欧米首脳と共にNATO加盟を目指すと

宣言をして、

ロシアの政治的決断を

開戦一択にさせたことです。

 

欧米各国に乗せられたとも言えますが、

外交的判断としては甘過ぎました。

 

 

その後の作戦に関しても、

永遠に続く支援を前提としており、

支援の息切れが、

作戦の息切れとなりました。

 

 

国の安全保障戦略、

防衛戦略を考える時、

誰も助けてくれない中でも、

自国をいかに守るかを

考えなければいけません。

 

それぞれが自国の国益を目指す

国際政治の世界において、

戦争はあくまでも投資案件です。

 

回収できない投資は

どの国もしてくれません。

 

軍事的、外交的、経済的、

色々なカードを複合的に組み合わせて、

自国を自力で守れる環境を整える事こそ、

本当の国防となります。

 

勝てない相手がいるなら

戦争にならないように

外交的、経済的に関係を深めたり、

自国単独での

安全保障の確立を目指します。

 

その上で、

他国からの支援があれば、

より楽に防衛が可能となる。

 

その程度に他国を「あてに」

しなければなりません。

 

 

アメリカからの支援だけをあてに

国防計画を立てている場合、

必ずしも周辺国との

関係の良くない日本は、

ウクライナの今日は

明日の我が身となってしまいます。

 

 

 

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